第7回:石川慎之祐さん(5期 理系、複合・融合人材コース)

2019年5月19日

インタビュワー:トビタテ5期生 柴田政晃

現在の活動

柴:いやー久しぶりだね!
石:ねー!去年の事前研修以来だもんね。二人とも変わっていないね笑
柴:それね!久しぶりだし、色々話を聞かせてくれや!!
石:もちろん!

柴:早速だけど、今何してるの?
石:大学院博士かつ研究所所員かつ社長!
柴:???どういうことよ笑
石:東京農工大学の博士課程に在籍しながら、慶應義塾大学SFCのゼミに研究所所員って形で参加させていただいているんだ。で、去年の9月に法人を立ち上げて代表取締役社長やっているんだ!
柴:なんか、いきなりインパクトある話が出てきてびっくりだわ笑
まず、どんな研究をしているのか教えてほしいな!

石:すごく簡単に言うと、食料問題解決に向けた研究をしているんだ!マサアキは芽の生えたお米を食べたことある?
柴:芽?ないない!
石:そうだよね!僕たち人間は種の状態の穀物を食べているんだ。でも、時と場合によって植物が勘違いして、刈り取られる前に芽を出しちゃって、食べられなくなっちゃうんだ。しかもそれ、原因があまりよく分かっていないの。

柴:そうなんだ。全然知らなかった。
石:うん、知らなくて当然だよ。僕もこの研究をするまでそんなこと知らなかったし。でも実は、世界全体で年間1兆円も損害が出ているんだ。
柴:それ、人口が増加し続けている現代社会では深刻な問題だよね。
石:うん、だから僕はその原因を追求する研究をしているんだ。
柴:そごく壮大なテーマに向き合っているんだね。そういう研究をしているってことは、自分が立ち上げた会社では食料をテーマにビジネスをしているの?

石:そうそう!野菜を粉末状にした商品を作って販売する会社なんだ。
柴:野菜って粉末になるんだ笑
石:うん。野菜って平均すると90%が水分で、それを飛ばして粉末にするんだ。ほうれん草100グラムが、たった10グラムの粉末になったらいいと思わない?
柴:確かに!野菜嫌いな人にとってはいいと思う!てか、1日に350グラムの摂取が推奨されているけど、そんなのきついもん。
石:でしょ!割といいアイデアだと思うんだ!んで、研究ばっかやっててもビジネスの世界じゃ戦えないと思って、慶應のSFCで経営学を学んでいるんだ!
柴:だから研究所所員って肩書きなのね!じゃ違う大学で全く違う分野の研究をしているのか、、、(笑)。相変わらずアクティブだね。

石川さんの会社のHP写真。日本の農業をより良くしたいっていう思いで会社を作った。

留学での気づき

柴:ところで、こんなに普通の学生とは違う活動を頑張っているけど、今の自分に留学って影響を与えたと思う?
石:うん!実は僕、留学行く前までは修士卒で働く予定だったのよ笑
柴:え、そうなの!?その話詳しく聞かせてよ。
石:元々博士に進むつもりなんてなくて、、、留学行く前に就活したんだ。でも、そこで思うような結果が出なくて(笑)。失意の中でオーストラリアへと旅立ったわけよ。
柴:じゃああの事前研修の時とか、実は気分が沈んでいたのか、、、(笑)。
石:そそ(笑)。で、空港についたら研究室のボスが車で迎えに来てくれたんだけど、その車内で「お前は博士になるのか?」って単刀直入に聞かれてさ。それに上手く答えられなくて。

柴:それが一つのきっかけだったのかもね。
石:それは間違いないね。んで実際に留学中にはっきりと心変わりしたんだ。
柴:その理由、聞かせてもらえたら嬉しいな。

石:大きく2つあるんだ。1つ目は、自分が研究者としての自覚を持ったことかな。オーストラリアでは、研究室の先生みたいに頼れる人がいなかったんだ。同じ研究室に自分と全く同じ分野を研究している人がいないから、自分の発言一つ一つに大きな責任がかかってきてね。だから確実な知識を伝えられるように、平日の夜も休日もひたすら論文とにらめっこしていた。そんな日々が続いて行くうちに、自分の中でプロとしての意識が芽生えてきたんだ。
柴:なるほど。ぼくも日本のゼミではプレゼンで間違えたことを言っても教授が指摘してくれるから、それがないのは辛かっただろうね。あともう一個は?

石:自分の幸せを追求しようと思ったんだ。ちょっと変な話だけど、実践活動の中で、人に「夢」や「幸せ」について聞いて回っていたんだ。その中で、人生にとって幸せってすごくシンプルで、自分の夢を追求することだと思ったんだ。その夢はなんだっていい。来年までにノーベル賞を取ることだって、奥さんとどこかめっちゃ遠くへ旅行に行くことだって。
柴:シンプルだけど、真理をついているよね。
石:うん。でね、夢を聞いて回る中である人に、「神様は、夢を決める権利を我々に与えてくれる。」って言われたんだ。スピリチュアルな言葉で、僕はそういうのに元々抵抗があったんだけど、すごく腑に落ちたんだ。

柴:なんか素敵な考えよね、それ。
石:うん。で、そういうことがあって僕は、その時やりたいと思えたことにすごく正直になれた。博士に行って研究もやり遂げたかったし、その間にもっと自分と向き合いたかった。
柴:そういうことだったのね。元は修士卒で企業に就職する予定だったのが、こんな背景があっていま研究者兼社長になったのか(笑)
石:そう。いや、人生って何が起きるかわからないけれど、それが楽しいんだって今は心から思っているんだ。

留学先のボスと撮った写真


日本の研究室での写真。
留学から帰ってきてから、よくディスカッションして後輩を助けられるようになった

卒業後について

柴:話は変わるけど、卒業後はどうする予定なの?
石:実は、まだ決めきれていなくて(笑)やりたいことがありすぎて、決めきれていないんだ。
柴:なんて贅沢な悩みだ(笑)
石:研究の道に残るもありだし、オファーをもらった企業に行くのもありだし、自分の会社に全力投球するって選択もある。
柴:なるほど、じゃあこの話の続きはまた次あったときにでもしようか。個人的にめっちゃ楽しみだわ笑。最後に、このインタビューの読者に一言残してくれる?
石:え、そんな言葉を残せるような立場じゃないけど笑、僕が言えることと言ったら、夢を決める権利は神様から与えられているから、自分の好きなことをとことんやってほしいってことかな。それが他の人と違っても、今まで考えてきたことから外れても。人生って、どこに行くかわからないから面白いんだよ。
柴:深い言葉、ありがとう。じゃあまた世界のどこかで!
石:いえいえ、こちらこそありがとう!!