第25回:篠田 萌子さん(理系、融合・複合系コース 5期生)

篠田 萌子さん(理系、融合・複合系コース 5期生)

チュニジアの研究所で

こんにちは、トビタテ9期、事務局インターンの若林里咲です!今回はトビタテ5期生として留学に行っていた篠田萌子(しのだ もえこ)さん。2016年10月から1年間研究留学をし、その知見を活かして今年4月から社会人として研究職で活躍なさっています。一見順風なキャリア選択に見受けられますが、その進路決定の裏には大きなドラマがありました!

インタビュイー

篠田 萌子(しのだ もえこ)さん
出身校:鳥取大学大学院 農学研究科フィールド生産科学専攻環境共生科学コース
留学先:チュニジア・イタリア(Institut des Regions Arides・バーリ地中海農業研究所(CIHEAM))
留学期間:1年間(2016年10月〜2017年10月)

念願の留学へ!

若林)はじめまして!お忙しい中ありがとうございます。今日はよろしくお願いいたします!

篠田)こちらこそ、よろしくお願いします!

若林)さて、早速ですが、篠田さんの留学のきっかけや経緯についてお話いただけますか?

篠田)一番最初に留学したいって思ったのは高校生の時だったんですけれど、日中友好プログラムで高校に中国の高校生が来ることがあって、中国の女の子が私の家に一泊したんですよ。友好プログラムできているだけあってめちゃくちゃ優秀な子で、英語もペラペラで、自分との意識の差を感じて、いつか留学してみたいなと思いました。それで、大学入学後、大学院なら研究で留学できる制度があることがわかったので、修士1年の時にJoint Degree Programというものに参加して、研修でチュニジアに1ヶ月、またイタリアに11ヶ月間研究留学しました。

若林)チュニジアに留学ってすごく珍しいですよね!大変なことも多かったと思いますが、何か印象的なエピソードってありますか?

篠田)チュニジアで授業を受けていた時、チュニジア人の先生が乾燥地の農業について話してくれたんですけど、たまに「日本人のあなたにはわからないだろうけど」みたいな前置きを毎回言ってくる先生がいて、そういう壁があるんだなって思って。授業とかするような教授でも日本とチュニジアは違うっていう壁を持って授業をしていることがちょっとびっくりっていうか、ショックだったっていうか…。

若林)そうだったんですね。それってちょっと苦しい経験だったと思いますが、そういう経験を乗り越えて自分の中で強くなったとか、今の自分に繋がった部分ってありましたか?

篠田)それを言われた時はショックだったんですけど、全然違うところから来ているからこそ見える部分もあるじゃないですか。チュニジアにずっといたらチュニジアの中からしか物事を見れない、でも自分は外から見えるんだっていう違う視点を持つことが大事なのかなって、ショックを受けたことで気づいたと思います。

イタリアの研究の修了式にて

「人生を変えた留学」ゼネコンで、研究職に

若林)篠田さんは現在社会人として活躍なさっていますが、どんなお仕事をされているんですか?

篠田)今年の4月から、ゼネコンの環境研究部門というところで研究職をやっています。

若林)大学に残って研究を続けようとは思わなかったんですか?

篠田)もともと民間企業の研究職に就きたいっていうのがあって大学に行ったので、なかったですね。PhDも良いと思うんですけど、民間企業の方がもっと世の中の人たちに近い研究ができるかなと思って。

若林)確かに、役立つイメージがあった方が研究のモチベーションは上がりますよね。では、もし留学をしていなかったら、今の進路は変わっていたと思いますか?

篠田)絶対、変わってますね!!!多分研究職についていないです。

若林)ほんとですか!?詳しく聞かせてください!

篠田)そもそも留学したい!っていうモチベーションがなかったら修士にも進んでいなかったかもしれなくて。
私は学部の時に自分で学費どうにかしないといけなかったんですけど、毎回授業料免除されるか不安だからバイトしたり、成績を維持するために勉強もいっぱいしないといけなくて…。そういう状況がしんどくて、修士に進んであと2年これを続けるのはきついかなってちょっと逃げの気持ちもあったんです。でも、やっぱり留学は絶対行かないと後悔するって思って、それがモチベーションになって修士に行きました。

若林)当時の留学に行きたい!っていう強い気持ちが、今の篠田さんに繋がっているわけですね。そして学生時代になさっていた環境の研究も、今の研究職で活かされているようですし。

篠田)あ、でも実は今の仕事は研究職で応募していないんです。

若林)そうなんですか!?

篠田)環境系の分野って分野が幅広すぎて、化学系の人もいれば、私みたいに緑化とか自然、生物多様性保護をやっている人もいるんですね。だから自由応募で自分にぴったり合う分野を見つけるのが難しいんですよ、枠が狭くて。それで別の職種で今の会社を受けていたんですけど、最終面接で役員の方に、「イタリアの修士号まで持っているんだから研究職に進めば?分野も似ているからいけると思うよ」って勧められて。それで、入ってみたら、もう分野がめっちゃ被ってて(笑)。

若林)すごいですね!まさに運命的な出会いというか…!

国内外問わず、活躍できる研究者へ!

若林)留学を通してたくさんの気づきがあったかと思いますが、篠田さんにとっての一番の学びを教えてください。

篠田)学部でやっていた研究は技術開発だったんですけど、留学先ではモニタリングなど観察が多くて、これが本当に何かの役に立つのかわかりづらかったんです。それで研究をやっている時も、目的が見えないから研究が面白く感じられなくて、自分は研究職を目指さない方がいいんじゃないかと思ってしまいました。でも、その時に自分がなんで留学したのか、なんで研究しているのかっていう目的を紙に書いてみて、それでまたやる気を出すことができたので、目的を言葉にして見えるようにすることが大切だなと思いました。

若林)そうだったんですね。やる気を失った時に目的に立ち返ることはすごく大切だと私も思います!ちなみに社会人になったからこそ、改めて留学していてよかった!と思う時ってありますか?

篠田)留学していたことで、海外の事業案件の話を振ってもらいやすいですね。海外興味あるんでしょ?ってことで。普通だったら新入社員が入れないようなプロジェクトでも入れて育ててもらえたりとか。

若林)なるほど!では、今後の目標などはどんなところにあるんですか?

篠田)国内海外問わず活躍できる研究者になりたいとずっと思っていたので、まずは国内で研究経験を積んで、海外にも使えるような技術開発をできるようにしていきたいです。

若林)まさにグローバルな研究者!応援しています!!

 

新たな視点をくれる、トビタテの仲間たち

デンマークでトビタテ生と集合

若林)ところで、篠田さんは社会人になったからこそトビタテの良さを感じることってありますか?

篠田)社会人になると同じ業界の人としか関わらないんですけど、トビタテだと違う業界だけど環境に興味がある人とかとも出会うことができて視野が広がるなと思います。私はゼネコンで環境のことをやっているんですけど、それ以外でも活かせるんだなって。

若林)確かに、色々な人が集まっていて刺激になりますよね。みんな面白いですし。

篠田)あと、トビタテだと留学して留年して就職したみたいな人も多くて、そういう人だからこそわかってもらえる話も多かったりしますね。トビタテ生だったらどんな話もしやすいというか。

若林)ぜひぜひ、これからもトビタテに関わっていってください!
では最後になりますが、これから留学する後輩たちにメッセージをお願いします!

篠田)私は留学したいって思ってから留学するまでに7年くらいかかっているんですけど、勇気が出ないとか、お金がないとか、時間がないとか、英語ができないとか、海外怖いとか、色んな行かない理由をあげてどんどん先延ばしににしちゃっていたんですね。でも、そういう行かない理由を考える前に飛び込んで行っちゃわないと、人生後悔すると思うので、行きたかったら一歩踏み出してみることが大切だと思います。留学したい!って周りに言ってみると、情報も入って来やすいですし。だから、言葉にすることと行動してみることが大切だと思います!

若林)深いお話ありがとうございました!!

 

インタビュアー

若林 里咲(わかばやし りさ)
トビタテ!留学JAPAN 9期生