第52回とまりぎインタビュー:野村 紗里さん【空っぽのウミガメの巣が教えてくれたこと】

2021年10月26日

みなさんこんにちは、高校生コース3期生の積千夏です。国際ボランティアコースでウミガメ保護活動をしていた野村紗里さんにお話を伺いました!

トビタテ!留学JAPANでの留学

野村紗里さん
高校2期
国際ボランティア

積)最初に、留学のきっかけを教えてください。

野村)自分の参加したいプログラムがメキシコにあったのでメキシコに3週間留学してきました。高校生のときに1度は留学したいと思っていましたが、語学だけだともったいないと思って興味のある環境保護活動もやりたいと思った時に見つけたプログラムがウミガメ保護ボランティアでした。カメが好きで大学でスペイン語も勉強したいとも思っていたのでこのプログラムがぴったりでした。

 

ウミガメ保護

積)保護活動ではどんなことをしてましたか?

野村)ボランティア施設では、保護されているウミガメの水槽を掃除したり、ウミガメの甲羅を磨いたりしていました。同じ施設で飼育されていたイグアナのえさやりもしました。施設以外ではナイトパトロールをして、親ウミガメが産卵した卵の数を数えて回収して安全な保護施設に持ち帰って埋めなおしていました。ワニ園でのボランティアも参加しました。

積)ワニを飼育する施設でのボランティア!?どんなことをしていましたか?

野村)ワニが飼育されている場所で掃除をしていました。1本のロープを輪にして首輪みたいにして繋がれたワニがいる中での掃除だったので怖かったです(笑)

宿泊先のスタッフとボランティアの仲間

 

 

もう少しで間に合ったのに

積)それは怖い!現地の活動で一番心に残ったことはありますか?

野村)ナイトパトロールでの活動です。10時から夜の2時くらいまで交代でパトロールをしていました。なんでパトロールする必要があるのかというと、その地域では禁止されているウミガメの卵を、人間が盗んで食用として売っている現状があるんです。本当は禁止されているはずなのにそういうことが起こっているんです。

積)そこに住んでいる地域の方が盗んでしまうんですね。

野村)私がパトロールしていたときに、まだ親ウミガメが巣のすぐ側にいたのに巣がからっぽという場面にあいました。あともう少しで間に合ったのにと思うとすごく悲しかった。そのあとよく調べてみたら、海岸沿いに住む人にとっては、ウミガメの卵が重要なタンパク源であることがわかったんです。

積)そうだったんだ…。

野村)結局、ボランティアとか環境保護活動とか、その団体だけが頑張るんじゃなくて。その地域の現状とか、そこに住んでいる人たちの生活も考えた上でしないと、その人たちからの協力を得られない。協力を得られないと、自分たちが頑張っても、こんな風に盗まれたりして意味がないと思った。それがすごく印象的でした。

積)現地の人は必要なんですもんね。

野村)生きるためには仕方ないという現状もあると思います。もしかしたらその人たちはウミガメが絶滅危惧種ってことをそもそも知らないのかもしれない。

ウミガメ保護施設のウミガメの赤ちゃん

 

 

本当に自分が勉強したいこと

積)現地の人はカメが絶滅危惧種って知る機会も無いのかもしれませんね。今後の目標はありますか?

野村)元々、海外で働くことに興味があって外国語大学を考えたこともあったんですけど、やっぱり自分が勉強したいことって言語じゃないんです。環境問題をどうやって解決するか興味があって。英語だけじゃなくて自分の軸が環境問題について学びたいって、しっかり定まったんです。環境問題を解決するのもその分野だけじゃダメって気がついたから、経済や政治のことももちろん勉強して、手段を考えないといけないし。そういう部分も勉強したいなと思ったんです。高校のときは文系だったんですけど、環境問題を勉強していく上で、理系の分野も欠かせないから文理融合の学部に進みました。

積)私も環境領域を専攻しているのでまたお話できたら嬉しいです!ありがとうございました!

 

 

編集後記

1番心に残った活動のお話がとても心に響きました。そこで見たこと感じたこと、とても良い経験になったということがよく伝わってきました。これからも応援しています。