第57回とまりぎインタビュー:堤 大一郎さん【無関心だった世界が無視できない世界に】

2021年10月26日

こんにちは!トビタテ高校3期生の積千夏です!今日は「サモア」で歯磨きプロジェクトと石鹸プロジェクトをしていた堤さんにお話を伺いました。

トビタテ!留学JAPANでの留学

堤大一郎さん
高校3期
国際ボランティア

 

サモアでボランティア

積)サモアに留学していた方と初めて会いました!なぜサモアを選んだんですか?

堤)高校生の時に国際協力に興味があって途上国に行ってみたいと思っていて、最初はアフリカに行きたいと思っていたんです。でも、学校側が危ないからという理由で許可してくれなくて。そこでサモアを見つけました。サモアは発展途上国だけど、外務省の海外安全情報でもレベルが0ですごく安全なんです。病気とかも全然ないからここなら安全だねという理由でサモアにしました。

積)そうだったんですね!

堤)どうせ行くならフィリピンとかメジャーな国ではなくてサモアみたいなよく分からない辺鄙な国に行きたいなと思って!

積)わかる!現地ではどんな活動をしていましたか?

堤)幼稚園でのボランティア活動で日本文化を教えたり、国際協力も学びたかったのでJICAで所長の方とお話しました。そこで、青年海外協力隊の方と仲良くなって一緒に活動させてもらいました。「こんなことをやりたい」って計画して言ったらいいよって言ってもらえたので色々な活動をしていました。

積)どんな活動をしていたんですか?

堤)公衆衛生活動で、歯磨きプロジェクトと石鹸のプロジェクトをしました。

 

 

石鹸のプロジェクト

積)石鹸のプロジェクト?

堤)簡潔にまとめると、村に石鹸がないことに気がついて、村の人たちが持続可能で石鹸を得るためにはどういうシステムを作ればいいかなという事を考えたんです。僕らが石鹸をあげるだけじゃ、僕らがいなくなった時に石鹸はもらえない。だから、僕はホテルに目を付けました。サモアにはたくさんホテルがあって、そこで一回ゲストに使われた固形石鹸は捨てちゃうんです。まだまだ使えるのに。だから、その石鹸を集めて表面を削って綺麗にして、溶かしてもう一度固めて村の人にその石鹸をあげるというプロジェクトをしていました。

積)すごい!JICAの方とも協力して活動していたんですね!

堤)2ヶ月くらいサモアにいたんですけど、1ヶ月くらいすると、色々なサモアの国の問題とか公衆衛生が行き届いていないことに気がついたんです。それに対して、何か自分がアクションを起こしたいと思う気持ちが強くなって、ダメ元で青年海外協力隊の方に「僕はこんなことがやりたいです」って言ったら快くいいよって引き受けてもらえたので一緒に活動しました。

堤さん

「石鹸プロジェクト」を実施した時の参加者との1枚

 

積)行く前から計画していた訳ではなくて、現地で問題に気がついて行動に移すって…本当にすごい。しかも2ヶ月って短いのに。

堤)最初の1ヶ月は主に幼稚園でのボランティアをしていて残りの1ヶ月で一気に進めました。

 

歯磨きプロジェクト

積)歯磨きプロジェクトはどんなことをしていたんですか?

堤)ボランティアで行っていた幼稚園の子どもたちの歯を見ると、歯磨きの知識が全然ないことに気がついたんです。そこで僕たちが歯磨きの仕方を教えるワークショップができたらいいなと思って計画しました。素人じゃできないからJICAにたまたまいた歯科衛生士さんに頼んで、協力してもらいました。でも、子どもだけが学んでも意味が無いですよね。だって歯磨きの仕方って親と一緒にやって身に付けるから、親も分からなきゃいけないなと思った。そこでサモア人に協力してもらって親向けにサモア語と英語のプリントを作成しました。校長先生は、親は忙しいから来てくれないよって言っていたんですけど、親もたくさん来てくれて!ドネーションとして歯ブラシもあげました。

積)親もたくさん来てくれるってすごく嬉しいですよね!

堤)意外にも来てくれて!楽しかったです。

堤さん

幼稚園で子供たちに歯科衛生教育を、JICAの歯科衛生士さんと一緒に行った時。子供たちに歯ブラシをプレゼントしたときの写真

 

積)子どもに教えて終わりではなくて親にも教えて、変えていこうって本当にすごいなと思います!サモアでの経験が現在にも活かされているなと思うことがあったら教えてください!

 

 

自分の弱いところから目を背けない

堤)サモアが初めての海外で2ヶ月間いて、苦しい時も辛い時もあったし、その時に頼れる人もいたけど言語が違うからなかなか話せなかったりして。自分と向き合って自分の弱いところから目を背けちゃいけないなと感じました。それは今にもすごく活かされています。ご縁も本当に大事だなと思います。僕はプロジェクトを進められたけど、それって確実に青年海外協力隊の方のご縁があったからできたことだし、もっと言うと、大学の方にも関わってもらったし、プロジェクトアブロードの方にもお手伝いしてもらったし、青年海外協力隊の方と一緒に活動しているNGOにも協力してもらったし、すごくご縁に恵まれているなと。本当に感謝です。

積)今後の目標とかやりたい事はありますか?

堤)僕はサモアで公衆衛生に関する活動をしていたんですけど、今後もその分野ってわけではなくて。サモアで学んだ新しい文化を知って、すごく視野が広がるなと感じたし、僕にとってサモアはすごく遠い世界だったけど、サモア人を知ることによって無視できない世界に変わったんです。それってすごいことだなと思って。そういう経験をこれからもしたいから、色々な国に旅行にしたりバックパックしたいと思っています。実は今年の夏にバックパックもしました!

積)大学1年生で!早い(笑)すごくいい経験ですよね!これからの活動も楽しみにしています!

 

編集後記

無関心だった世界が無視できない世界に変わったとお話されていた堤さん。歯磨きプロジェクトも石鹸プロジェクトも持続性を考えていて、本当に素晴らしいなと思いました。心の底から応援しています!