【報告】トビタテ学習PFイベント[勉強会シリーズ] 〇〇×サイエンス シリーズ「生活×サイエンス」 “おいしさを科学する食パンの達人🍞” をオンラインで開催!

トビタテ事務局インターン生で理系分野のアウトリーチ活動の促進を行なっている井上拓也です!! 僕は、トビタテ5期理系コースでフランスの理工系高等専門学校にダブルディグリー留学とドイツの宇宙物理系の研究所でインターンシップを行なっていました。

本記事では、5月24日(日) にオンライン開催されたトビタテ学習PF「〇〇×サイエンス」シリーズの第3弾「生活×サイエンス ”おいしさを科学する食パンの達人🍞”」について報告させていただきます。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、家に居る時間が多くなった状況の中、「生活×サイエンス」では、トビタテ生のプライベートをアップデートすべく、新しい試みである”サイエンスラジオ”という形式に挑戦しています。

第3弾のイベントには期やコースを跨いだ40名近くの方々に参加いただき、理系だけではなく文系の方々にも楽しんでいただくことができました! また、中には過去のイベントに参加した人がリピーターとして参加してくださいました!!

サイエンスラジオ ”おいしさを科学する食パンの達人🍞”

第3弾のゲストは松下耕基さんでした。 松下さんは、トビタテ4期生としてアメリカとケニアに研究留学し、アメリカでは食品の微細構造に関する基礎研究を、ケニアでは機能性食品の開発・研究をされていました。また、パンの応用研究で農学博士を取得され、現在は化学メーカーの食品部門に勤務されています!!

本イベントでは、「生活×サイエンス」の観点から、食パンの達人である松下さんに今話題の高級食パンから食べ物のおいしさの科学的言及に至るまでの生活に役立つ知識と松下さんのこれまでのキャリアの話をインタビュー形式で深掘っていきました。

松下さんの留学大図鑑の記事はこちら↓

https://tobitate.mext.go.jp/zukan/detail-413

当日のコンテンツ

  • 高級食パンはもはやパンじゃない!?
  • 麻婆豆腐の片栗粉〜先に入れるか、後に入れるか〜
  • 美味しいものと生きていきたい

当日は、私、井上がファシリテーター、科学コミュニケーションの活動もされている若林里咲さん(トビタテ9期)がMCを務めました!

  • 高級食パンはもはやパンじゃない!?
    パンに関する応用研究で博士号を取得された松下さんですが、最近巷で目や耳にする高級食パンはパンではないと話し始められました。何でも、高級食パンに使われている原料、つまりパンの生地に問題があるそうです。高級食パンはスーパーに並んでる普通の食パンに比べて、砂糖や生クリームが多く使われているそうで、パンとは言えないのではないかと言うのが、松下さんの意見でした。
    それでは何故、高級食パンという風な名前がついたのかということですが、それがパンの生地である小麦に関わっているのではないかという事で、話は生地に使われている小麦の産地の話になりました。高級生食パンに使われている小麦で高級カナダ産小麦使用という言葉をたまに見かけますが、松下さんがいうには、日本国内でパン用に使用されているほとんどのパンの生地はカナダ産で近年は国産小麦使用の方が品質としては高いそうです。普段買い物する時など、どこが原産かで惹かれる部分はたくさんありますが、このような話を聞くとしっかりと調べたり、どんなものを食しているのか考えることも必要であると感じました。

    また、パンの美味しい食べ方や調理法などの話にもなりました。パンの保存方法は常温や冷蔵保存は適しておらず、冷凍保存がパンが硬くならないので適しているとのことでした。パンの焼き方に関しては井上と松下さんの両方の意見からトースタでも美味しくいただけますが、よりベターなのは表面をカリッとできるグリルではないかということになりました。

  • 麻婆豆腐の片栗粉〜先に入れるか、後に入れるか〜
    片栗粉を入れるタイミングで、麻婆豆腐の美味しさに関わる食感が変わるということを松下さんから教えていただきました。人がおいしさを感じるうえで重要な要素として味や香りはもちろんですが、食感、音、見た目も重要だそうです。また、松下さんから見た目の悪い料理がおいしく感じれないのも、おいしさがいろいろな感覚が関わっているという事を表しているとのことでした。
    パンの食感を決める上で重要なのはデンプンであるということを教えて頂きました。その話の中で、食感の表現が日本ではかなり多いことからも日本人の食へのこだわりが高いということも話されていました。松下さんから、デンプンが水と熱によってとろみがます「糊化」という現象の説明と、とろみが加熱時間と温度に依存していることを表すグラフを用いて、とろみに対して温度と加熱時間が重要であることを説明頂きました。グラフからとろみは基本的に温度を上げると増すということでしたが、ある加熱時間を超えると逆にとろみがなくなるタイミングがあるということでした。


    普段の料理の中で、厳密に加熱時間や温度を調節することは大変かもしれませんが、意識していくことでこれまで以上に美味しくいただけるのかなと感じました。

  • 美味しいものと生きていきたい
    最後のコンテンツは、博士課程で基礎研究をしていく私(井上)と博士課程で応用研究をされて化学メーカーに就職された松下さんとの対談形式で進めました。
    初めの質問では、博士課程で応用研究されていた松下さんがアカデミアではなく企業へ就職をされた理由を聞きました。松下さんはアメリカ留学中に基礎研究をし、成果を出された経験があるらしいのですが、基礎研究に対して達成感や幸福感を感じれず、日本で行っていた応用研究の方が楽しいということに気づき、進路としてアカデミアではなく、より消費者の形に近いところで働くことが出来るメーカーの方を選ばれたそうです。研究の社会実装について、松下さんは博士課程中に特許を書いたことがあるらしく、パン屋さんに開発した技術を実際に使ってもらった時に達成感と研究が身になったと感じたそうです。

    また最後に、今後の目標として、松下さんは仕事で海外に行きたいとおっしゃっていました。

質問コーナー

最後に改めて参加者からの質問に答えるコーナーを設けました。

まず初めに井上から松下さんに博士課程から社会人になっての生活の変化を聞きました。松下さんは拘束時間ができて、より時間に縛られるようになったそうですが、逆にそれが部活みたいで自分に合っているということもおっしゃっていました。

また、参加者からの就活において博士をとることがメリットがあるのかという質問に対して、松下さんは一長一短であると話されました。長所としては、博士という学位を持っていることは、その専門分野は一通りわかっていることの証明になることや、雇用条件によっては給料がよくなるということが挙げられ、短所としては、自身の専門外の職に就くことができる選択肢が狭まることがあるそうです。

専門を極めることだけではなく、いろいろな経験を学生時代にすることが重要であるとも言われていました。松下さんは、カフェの経営経験があるそうです。他にも松下さんが執筆した論文に関する質問や、松下さんが経営していたカフェに関する質問が出て、充実した質問コーナーになりました。

交流会

質問コーナー終了後は交流会をしました。今回は松下さんともう少し深く話したい人が多く、部屋に分かれず全体での交流会になりました。交流会ではインタビューコンテンツや質問コーナーで聞ききれなかった部分の質問が出たり、運営側のキャリアについての話ができたりと参加者が抱える疑問や不安を少しでも解消できたのではないかと思います。

交流会の終了後、全員で写真をとり、第3回イベントは終了しました。

第3回イベントを終えて

本イベントではサイエンスを少しでも面白く、わかりやすく伝えることに焦点を当てています。今回のイベントでは、トビタテの期やコースを跨いで多くの方に参加して頂き嬉しく、また運営も徐々に慣れてスムーズにできるようになってきていると感じています。

6月21日(日)20:00-22:00開催予定の次回イベントでは、琉球大学で台風研究をされている細川椿さんをゲストとしてお呼びして台風に関する知識をお伝えしてして頂きます。 台風が毎年たくさんくる日本で生活してきた皆さんが台風に関して疑問に思っている事を楽しくお伝えできたらと思います。

なお、本イベントは、僕の他、トビタテ9期生の若林里咲さん、トビタテ高校3期生で事務局インターン生の生田大樹くんと協力して企画運営を行いました。御二方にはこの場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

最後に

トビタテ学習プラットフォームでは、今後も随時、企画を実施予定です。
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