第94回トビタテ!起業家インタビュー第5弾:丸山亜由美さん 【ヘルスケア×デザインで世の中にワクワクを】

2020年8月12日

みなさんこんにちは!トビタテ10期の内木です!
今回は、トビタテ5期で、現在は自身の糖尿病患者としての経験も活かしながら、ヘルスケア x デザイン領域でユニークな作品やアイデアを発表している、トリプル・リガーズ合同会社代表の丸山亜由美さんに取材させて頂きました!

トビタテ留学JAPANでの留学

所属:トリプル・リガーズ合同会社 代表
国:ドイツ
期間: 2016年9月 –  2017年8月
テーマ:デザインを学ぶ

自己紹介

内木:初めまして!本日はよろしくお願い致します!

丸山:よろしくお願い致します。

内木:まずはじめに自己紹介をお願い致します。

丸山:はい、トビタテ5期でヘルスケア業界に特化したデザイン制作をしているトリプル・リガーズ合同会社代表の丸山亜由美と申します。

内木:今回は、起業家である丸山さんになぜデザイン分野で起業されたか、現在の取り組み、将来のビジョン、トビタテ生への一言等をお聞きしたいです!

デザイン分野での起業のきっかけ

内木:早速ですが丸山さんヘルスケア x デザインの領域に進もうと思ったきっかけを教えていただきたいです!
大学卒業後には外資製薬会社で営業として働かれていたとお聞きしたのですが、、、

丸山:はい、大学卒業後に検査機器を販売する仕事をしていたときの出来事がきっかけとなりました。私は、入社2年目でトップセールスマンになれたのですが、その時に最も売れた製品が、分析中に7色に光る遺伝子検査機器でした。

研究室で使うと部屋全体がプラネタリウムのように光るのです。他の製品は、競合製品と価格やスペックを比較しながら宣伝していたのですが、この遺伝子検査機器に限っては、一度使ってもらうだけで「楽しいから欲しい」と言っていただけ、価格やスペックのセールストーク無しで、たくさん買ってくれました。

この経験から「製品のデザインや使っていてワクワクするということが、これからのライフサイエンスやヘルスケアにおいて新しい価値になる」と強く感じ、それを自らが生み出せる人になりたいと思って、思い切って会社を退職し、武蔵野美術大学で4年間デザインを学びました。

人生を変えた糖尿病

内木:そこで思い切って辞めて美大に入れるのってすごい決断ですね。元からそのような決断ができる性格なんですか?

丸山:いえ、そんなことありません笑

元々人生が2回あったら美大に行きたいと思っておりましたが、なかなか行動できていなかったです。そんな私が変わったきっかけは、糖尿病でした。今は「人生100 年時代」と言われていますが、20歳で糖尿病を発症して、会社で働いていた時に症状が進んだことで、病と共に過ごす期間の存在を自分自身で感じ、働き方を見直すきっかけとなりました。そして、その経験が、やりたいことを先送りする生き方に終止符を打つ決断を早めてくれました。

内木:そんな壮絶な人生経験をプラスに変えられていて、凄いです。。。

なぜ合同会社に、、、?

内木:そんな丸山さんですが、会社はなぜ「合同会社」で立ち上げようと思ったんですか?よく「株式会社」の名前ばかり聞くので教えて頂きたいです。。。!

丸山:「まずは外部からの資金調達をせずに、自分一人が社員で、自己資金100%で会社を経営すること」。これが起業する時に立てた私の方針ですが、これに従って合同会社に決めました。

具体的に言うと、資金を入れてスケールアップすることは、当時の自分がやりたいこととは違うな感じたのと、他者が資金面で介在することで、自分が本来目指してきた起業の姿を見失う可能性もあるなと思ったからです。

私には、株式会社としての信頼が大事なのではなく、私自身が提供するデザインなどのクリエイティブの内容自体が大事だと常に考えていたので、多面的に自分を眺め、何が自分にとってベストかを選ぶ中で、私は合同会社を設立することにしました。

内木:なるほど、確かに株式会社だと資金調達がやりやすい反面、株が投資家の元に行き過ぎると、会社が投資家にコントロールさせる可能性もありますよね。

これまでの活動

内木:ここまでで、丸山さんの起業のきっかけが知ることができました!

ここからは実際に、丸山さんがヘルスケア x デザインでやられてきたことを教えて頂きたいです!

丸山:事業としては、ヘルスケアに関わる企業のスマホアプリをデザインすることが多く、ヘルスケアに関わる団体のロゴをデザインさせていただくこともあります。会社のためのビジネスとは別に、糖尿病予防に貢献できればと思って血糖値を楽しく測るためのアート活動も行っています。

血糖値測定機器メーカーであるPHC社、デジタルホスピタルアーティストの吉岡純希さんとコラボして、参加者の皆さんの血糖値からデジタルアートを作る「ヘルスケア・ミュージアム」というイベントを行ったり、DESIGNART TOKYOという芸術祭に作品を出展したりしています。 

この作品は表面にさまざまな食べ物の名前が書いてあり、ブラックライトを当てると血糖値が上がりやすい食べ物が光る仕組みです。

(DESIGNART TOKYO出展作品)

これまでの糖尿病関連のアート作品は、啓発の要素が強いものが多かったです。

例えば、糖尿病は進行すると足が壊死(えし)してしまうことを、壊死した足が雨やチョコレートに変わる様子で描かれていました。

しかし、展示会では、アートのイベントなので、美しさを追求することはもちろんですが、作品を通じて人々の意識や行動が少しでも健康的に変容できるよう教育的要素を取り入れました。

そうした工夫から、展示したオブジェは、「こういう表現の方法があるのか」と大きな反響をいただきました。

内木:見た目はオシャレな雑貨店においてありそうなオブジェにも関わらず、実用的な機能を兼ね備えていてびっくりしました。

このような物が増えたら、患者さんは心がワクワクしながら器具を使えるなと思います。ヘルスケア×デザインの世界の可能性を凄く感じました。。!

丸山:そう言っていただいて、光栄です!

(PHC社とのコラボイベントの様子)

将来のビジョン

内木:今後の展望を教えてもらっていいですか?

丸山:現代は人生100年時代、多くの人が疾患を抱えながら生きていく時代です。

疾患と向き合う時間が長くなる中では、その時間をより豊かにしていくことが求められると思うので、病気はネガティブなものではなく、ひとつの個性として捉えていく必要があると思います。

そのような社会の中で、自身の医療と芸術の二本柱、そして患者経験を強みとして、これからもアートとデザインの力で、ワクワク(価値観・行動をポジティブに変容させるアイデアやサービス)を作り続けていきたいです。

内木:確かに、病気と向き合う時間は増えていきますよね。丸山さんが開発したサービスをワクワクして使えることを楽しみにしてます!

丸山:はい!ぜひ楽しみに待っててください!

トビタテ生へのメッセージ

内木:ありがとうございます!最後に起業を考えていたり、何か挑戦を考えているトビタテ生へメッセージを頂けますか?

丸山:起業して会社を経営することで、向き合うべきハードシングスが増えることは事実です。一方で、それと引き換えに、事業内容やチームメンバーをはじめ、働く場所や時間、報酬までも決められる自由を手にすることができます。自分の大好きなことを社会に実装して対価を得られることは、今の私にとってこの上ない幸せです。

そのような幸せが自分と合いそうだと思うならぜひ挑戦してみてください!

また、これからも会社を世の中のために発展させられるように、海外留学の準備をしている最中です。来年以降、3つ目の学位を取りにトビタテるように私も頑張ります!

編集後記

本日は、ヘルスケア領域でユニークな作品やアイデアを発表している丸山亜由美さんに取材させて頂きました!

ご自身の病気の経験をプラスに捉えて活躍されている丸山さんに勇気を頂きました。

トビタテ生の皆さんも自分がやりたい事を再度考えて、行動していきましょう!✨