第114回とまりぎインタビュー記事:梶原美雪さん【誰もが言語マスターになれる世界へ】

2021年10月25日

みなさんこんにちは!高校3期生の積千夏です。今日は高校5期生でカナダに留学していた梶原美雪さんにインタビューしました。初!高校5期トビタテ生のインタビュー記事です!

トビタテ!留学JAPANでの留学

梶原美雪さん

高校5期

アカデミックテイクオフ

ケベック州に言語教育を学びに

積)留学を決めたきっかけはありますか?

梶原)学校の交換留学で2週間オーストラリアに留学していました。そのときに、日本語クラスの学生から日本語をもっと勉強できる場所がほしいと言われて、日本語教育って必要とされているのだと感じました。そのときに、日本語教育を学びに海外に行こうと決意しました。

積)カナダのケベック州を選んだ理由は?

梶原)本当はオーストラリアに行きたかったんです、でも当時17歳で受け入れ先がなかなか見つからなくて…。そこでエージェントの知り合いの方に連絡を取ってもらい、見つかったのがケベック州でした。

積)17歳と18歳の壁…。

梶原)ケベック州の留学を提案されたときに、言語教育に力を入れていると知って、留学を決めました!

積)そうだったのですね!日本語教育に興味があったのですか?

梶原)現地で日本語が必要とされていることを直接肌で感じていたので、日本語を教えたいなって思いました。よく考えてみると、母国語を教えるのって難しいなってことにも気が付いて…それも日本語を勉強するきっかけですね。

積)母国語を勉強するのは難しいですよね…。私も日本語授業ボランティアをしているのでその気持ちがよくわかります。
現地では、どんな活動をされていましたか?

梶原)語学学校に通いながら、日本語教師インターンとして日本語クラスに参加していました。日本語クラスでは、最初の2週間は教師補佐、最後の1週間は授業作り。そして最終日に実際に授業をしました。

積)すごく大変そう!

梶原)どんな授業を作りたいかよりも、みんなのリクエストを聞いて授業を作ることを先生が提案してくれました。そのリクエストが「スラングを教えて欲しい」だったので、それなら教えられる!と思いましたね(笑)普段使っているスラングをまとめていたので、大変というよりは楽しかったです。

積)スラングか!教科書では、学べないことですしね。

梶原)言語教育がテーマの留学だったので午前中は英語のクラスで日本での英語の授業と何が違うのか比較しました。夜は日本語のクラスで、どうやって日本語を教えるのか勉強しました。ひたすら言語教育について学びましたね。

いろいろな国から集まったクラスメイトとの写真。みんなのおかげで難しい授業も乗り越えられたそうです!

「授業の形が一方的になっていたよ」

積)心に残った活動はありますか?

梶原)実際に授業をした時に、日本語教師の方から「授業の形が一方的になっていたよ」とフィードバックをもらいました。その時に、私は日本でそういう授業を受けていたから必然的にそういう授業になってしまったのだと気がつきました。日本では先生が話す授業が多いので、自然と私もそういう授業を作ってしまって、負のスパイラルを作りかけていました。

積)それは確かに言われないと気がつけない!

梶原)実際に授業をして気がつけたので本当に良かったです。カナダの言語教育が強い理由としては、生徒と先生が多くコミュニケーションをとっているからだよと教えてもらって、言語教育はコミュニケーションをとりながら進めるものだということにも気がつけました。

積)今にも活かされている活動はありますか?

梶原)今、大学で英語教師過程と日本語教師過程を両方ともとっています。理論を学ぶ前に体系的に学ぶことができたので、授業の質は自分の中で高められているなと感じています。

積)両方ともとっているのですね!忙しそう…!

梶原)週に20コマ受けています(笑)でも、英語の教師過程だとこのポイントがあって、日本語の教師過程だとこのポイントがあって…というように、どちらも比較しながら学べます。似ている点や言語によって異なる点も比較できるので楽しいです!

積)留学の経験が本当に活かされていますね!!

現地の友人おすすめのモントリオール名物プーティンを食べに!

多文化共生についてのインタビュー

梶原)言語教育とは別で、多文化共生についてのインタビューも現地でしました。大学での異文化理解に関する講義もあって、それにも結びついています。

積)現地で学生さんにインタビューしたのですか?

梶原)お世話になった日本語教師の方に、LGBTに該当する方を紹介していただいて、インタビューしました。カナダではLGBTに対してオープンで、LGBTに該当する方が友人にいるという方が何人もいました。

積)日本ではなかなか体験できないことですね。

梶原)留学が、今の大学の学びに全て繋がっています。今後は、多くの人と関わって、もっと色々な価値観を学びたいです。日本語教師過程もとっていて、インターンもしてきたので、地域で日本語のボランティアできたらいいなって思っています。カナダでは日本文化が好きで日本語を学んでいる方に教えたのですが、日本にいる人は、日本が好きで来たわけではない人もいると思うんですね。だから、今後はそういう方に対しても日本語を教えられたらなと思っています。

積)確かに地域のボランティアでしたら、色々な方に日本語を教えられそうですね!

梶原)留学前に、公民館や国際交流会館で、実際にどのくらいの人が仕事で必要だから日本語を勉強しているのか教えていただいたんです。それで、今後はそういう方々のサポートもできたらいいなって思っています。

積)留学前からしっかり準備していたんですね!これからが楽しみですね。

梶原)ビジョン的には教師になる前に、一度企業に就職して社会を見たいなって考えています。私が、大学を決める時にもっと色々な意見を聞けたら良かったなということもあったので、色々な視野を持ってから教師になりたいなと思っています。

積)教師以外の経験を積むことで、学習者の方の視野も広げることができそうですね。
素敵な留学体験談をありがとうございました!

編集後記

留学した経験が今の大学での学びにとても結びついていて、留学での学びがとても活かされているなと感じました。また、日本語教師になる前に、企業に就職し社会経験を積むという考え方もとても素晴らしいと思いました。これからも応援しています。ありがとうございました。