第127回とまりぎインタビュー:松下藍さん【「マルタ会談+都市計画」を学びにマルタ留学】

2021年11月22日

みなさん、こんにちは!高校3期生の積千夏です。今回は、マルタ共和国に留学していた高校4期の松下藍さんにお話を伺いました!

トビタテ!留学JAPANでの留学

松下藍さん
高校4期
アカデミック・テイクオフ

マルタ会談と都市計画を学ぶ

積)マルタに留学されていたんですよね!どうしてマルタを選んだんですか?

松下)マルタを選んだ理由は2つあります。まず1つは、マルタ会談の現場であること。冷戦の終わりを告げた歴史的な会談がマルタで行われたので、それを見に行きたかったんです。2つめは、首都のバレッタが世界遺産であることです。清水建設のグリーンフロート計画に憧れていて、都市計画に興味がありました。都市自体が世界遺産になっているところって、どんな感じなんだろうと思っていたこともあり、留学しました。

積)現地校に通っていたんですか?

松下)ホームステイで現地の語学学校に通っていました。ビジネス英語のコースも受講しました。英語は苦手だったのですが、できないなりに、頑張りました。考える力が鍛えられましたね。

積)ビジネス英語って難しいですよね。ホームステイだったんですね、いいな!

松下)でも、ステイ先がビジネスライクで、お出かけもなくて、夜ご飯も4パターンだけの冷食だったんですね。だから「また、パスタか」の繰り返しで、しばらくパスタ恐怖症になりました(笑)

積)毎日パスタはちょっと(笑)お出かけもなかったんですか?

松下)そうです。でも、逆にほかにいたホームステイの方と団結力が生まれて、仲良くなれたので良かったです(笑)

積)他にもステイしている方がいたんですね!ステイしていた方は色々な国から来ている方でしたか?

松下)フランスとかドイツとか、色々な国から来ていました。日本人はいませんでした。

積)そうだったんですね!色々な国から来ている方と仲良くなれたのは良かったです、しかも英語だけの環境で!

ルームメイトとマルタの旧首都イムディーナに行った時の1枚

価値観の違いから学んだこと

積)現地では、学校以外にどんな活動していたんですか?

松下)マルタってすごく小さい島国で、どこを歩いてもだいたい海に出て、そこから方向変えて歩けば家に帰れるので、とにかく歩き回って現地の人にマルタ会談のお話やマルタの街についてのインタビューをしました。

積)インタビューって高度な英語使いそう!

松下)そんなことなかったです!日本人に優しい国だったので、みんな優しく色々聞いてくれました。マルタ会談が行われた時に、その場で実際に見ていた方からもお話を聞けました。マルタの街の建物は石灰でできていて、すごく脆いんですよね。引っ掻いたら全部壁がボロボロと落ちてくる感じで。そういう自分たちの家をどう思うのか聞いたり、日本の街についても質問してみました。価値観が全然違ってびっくりしました。

積)どんな時に価値観が違うなって思ったのですか?

松下)利便性を求めていなくて、落ち着きとか町としての統一感とか、時の流れを感じやすい間取りが好きなんだなって感じました。日本人って生き急いでいるのかなって思ったりもしました。

積)ゆったりしていたんですね。それに、日本人に優しい人も多かったんですね!

松下)時間の流れが全然違うように感じられました。私の身長が低いこともあって、「ジャパニーズ!」って向こうから話しかけてくれたり、「コンニチワ」って片言の日本語で話しかけてくれることもありました。

積)優しい!生活しやすそうですね。 

松下)居心地よかったです。多分、日本人が珍しいんだと思います。 

印象に残っているマルタの古い住宅地

感性を拾う

積)何か心に残った活動はありますか?

 松下)インタビューで色々な方とお話ししていたら、自分の持っていない感性がたくさんあることに気がつきました。留学するまでの私は、理系の知識を駆使して日本の技術を持って行ったら、世界中のみんながハッピーになるだろうと思っていました。でも、価値観が違うので、そんなことは全然なくて、人の感性とか、国の個性を繊細に感じられる人じゃないと、都市計画はできないなってことに気がつきました。 

積)活動が今にも活かされていることはありますか?

松下)留学中に、色々な感性を拾わなくちゃいけないことに気がつきました。それに、自分の新しい一面にも気がつきました。自分は、クソ真面目で頑固で不器用だって自分でも思っていて、周りの先生や親からも言われていたんです。「あなたは、こういう子だから」って。現地では、英語ができなくて絶望もしたけど、日を追うごとに自分の性格が変わっていくことを感じました。私が、こんなに前向きで人に対して積極的になれることも知って、もっと変わりたくなった。だから帰国後は、色々なことに挑戦して、生徒会や部長もやって、今はとまりぎとか、高校生コース有志団体のEHS(Empowerment of high schoolers)を立ち上げて活動しています。積極的に経験値を積もうとしているのは、この留学がきっかけだったなと思っています。

積)留学したことで、積極的になってる!

松下)変化を楽しめるタイプになったのが一番大きかったです。 

高校時代に留学することの大切さ

積)これからのやりたいこと、目標はありますか?

松下)留学して、自分が変われるって気が付いた時に、将来も自分が変化していったらどうなるかわからないなって思ったんです。都市設計者になりたいって思っていたけど、自分はどうなるかわからないなって思って、そこはいい意味で定まっていないです。だからこそ、今は大学やとまりぎで、人から色々なことを学びたいなと思っています。仲良い人だけとか、そういう人だけに固執するのではなくて、色々な人と積極的に関わっていきたいなって思っています。 

高校生時代に留学とか、大きいことにチャレンジするのってすごく大事だなって気がついた一方で日本の高校では、留学とか大きい挑戦することを止める大人もいて、それに気がついていない高校生もいる。私は高校生コースで留学させてもらった身として、一歩踏みだせない高校生たちの背中を押せるような活動をできたらいいなって思っています。

 積)すごく積極的に活動されていますね!

松下)高校1年生の時の私は、自分がこんな風になるなんて想像もしていなかったと思います。大学生って専門性高いので、本当にその道に進むんだろうなって思うんですけど、高校生って進路とか変わりますよね。だから、その時期に留学することで人格形成にも変わってくるのかもしれないなって思いました。

積)私も高校3年生で留学したので、その気持ちがよくわかります…!インタビューはこれで終わりです、ありがとうございました!

編集後記

マルタに留学してから、「変化を楽しめるタイプ」になったとお話された松下さん。EHS(Empowerment of high schoolers)ではオンライン相談室を開くなどの活動もしているそうです!これからも応援しています。