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【SDGs特集 Vol.3(後編)】宮川さん:インドへ飛び立て!大量生産・大量消費・大量廃棄時代のリサイクル革命に挑む〜(第138回)

福永夏輝 【事務局インターン】

福永夏輝 【事務局インターン】

2021.04.08

福永:石川県からインドの巨大な市場に飛び込んでいく様子を想像すると、何だかワクワクしますね!ぜひフルスイングして欲しいところです。

宮川:インドの自動車リサイクル市場はまさにこれから拡大していくところです。私たちは従業員数約80人、海外事業部は5人、そんな地方の中小企業は大手企業からしたらとても小さな存在ですよね(笑)

だからこそ私たち一社で孤立して競争するのではなく、世界に誇る自動車産業を持つ日本のメーカー様やこの分野に関心を持つ日本企業を始めとしたオールジャパンでインドのリサイクル産業に貢献できればと思います。日本が世界に貢献できる産業であるはずです。現地工場の立ち上げから関わらせて頂くのですが、「失敗も含めて挑戦してこい」と上司方には背中を押してもらっています。

福永:宮川さん1人でインドに乗り込むんですか!?

インドの解体風景。インドの解体屋はハンマー、タガネを持ってサンダルというかなりカジュアルかつパワープレイな解体スタイル。売れるものだけを回収していく。

宮川:立ち上げ最初はプロジェクトチームが現地に来て準備を進めますが、一定期間が過ぎたら私が日本企業側の現地責任者として両企業の橋渡しを担います。持続的な収益を上げるための企業経営はもちろんですが、特に生産管理での役割を担っています。非常にチャレンジングであり、責任感と同時にワクワクしています。

福永:未知数な世界にワクワクする心を持って飛び込む、「トビタテ魂」を感じます…!

宮川:インドでは私が学生の時から思い描いていた「収益を上げつつ、新興国の環境問題を解決するビジネスの創造」を実現します。そしてこれは「本当に必要な技術を必要な人に届ける」という学生時代からの夢を体現することにも繋がります。自動車の解体技術は、ものづくりと比較すると精緻な技術は必要とされず、あまり奥深さはないシンプルな技術だと感じています。だからこそ、一定量の経験を積めばどんな人でも仕事に従事することができるはずです。そして、世の中のものづくりを支える資源循環のインフラ作り、地球環境に貢献できる仕事だと思っています。


第2回ジャパンSDGsアワードで当社は外務大臣賞を受賞したのですが、SDGs推進のトップランナーとして、今後も業界をリードする企業として安倍元総理より表彰頂いたことは、私たちの仕事が社会に貢献し、誇りを持つべき仕事であることを改めて象徴的に示した出来事でした。日本だけでなく、環境問題の解決はもちろん、私たちの事業を通じて世界各国で雇用を作り、社員の生活が豊かになり、3K(キツい・汚い・危険)と言われるこの業界の仕事が社会的に評価され、そこで働く人たちが誰よりも誇りを持てる仕事にすることを目指していきます。

第二回ジャパンSDGsアワード外務大臣賞の授与頂いた首相官邸にて

自動車リサイクル業界の課題

福永:宮川さんがインドで展開する事業への想いが伝わってきました。少し話が変わるのですが、現場にいるからこそ感じる世界や日本における「自動車リサイクル」の課題について教えていただきたいです。

宮川:まず世界で見た時、特に開発途上の国では、依然としてリサイクル技術のインフラが整っていません。インフォーマルセクターが廃車から鉄・アルミ・銅などお金になるものだけを取り出し、お金にならないものは人の見えない場所に廃棄する。例えば有害な液体を垂れ流し、フロンガスは大気解放するということが当たり前のように起きています。

日本では自動車リサイクルに関する適正処理技術・法規制があるので、基準を満たしていない工場はそもそも稼働できません。まずはこのような法規制によって、フォーマルセクターに廃車が集まるルール形成が必須であり、同時に廃車が適正処理されるインフラが必要となります。私たち海外事業部は、そのようなルール形成のために各国政府にロビーイングもしますし、当社として工場設備・解体技術・経営ノウハウを提供しています。

インド出張時にパートナーのオフィスで工場設備選定の打ち合わせをしている様子。

日本における課題は、サーマルリサイクルを前提とした自動車リサイクル料金の設定によって、マテリアルリサイクルが進まないことが挙げられます。

例えば、日本のレジ袋の有料化によって、今や私たちの消費行動がそれ以前と変化しました。消費者の購入時にインセンティブ or ペナルティを課すという制度設計(=外部不経済の内部化)ができれば解決する問題があります。同様の構造で、今の日本の自動車リサイクルには制度設計上、マテリアルリサイクルがなかなか進みにくい現状があります。現状の経済構造で解決できないことこそ、日本政府に率先して民間を巻き込んで頂き、一緒に作り上げたいところです。

JICAの技術研修を通じてマレーシアの行政官が来日し、研修の最終成果報告でマレーシアにおける自動車リサイクル政策のあるべき姿を一緒に検討している様子。

福永:実際に自動車の解体現場を見たことがないのですが、どのような流れでリサイクルが進んでいくのでしょうか?

宮川:法律で決められているエアバッグの適正処理やフロンガス回収などを行い、その上で中古部品として販売可能なものを回収します。最後に残った素材は資源としてリサイクルするために分別を行います。

この際、資源リサイクルという意味では可能な限り精緻に分別することが理想ですが、もちろん分別作業にはコストがかかっているので、採算が合う範囲での素材分別・回収となります。

分別しきれなかったプラスチック、ガラス等の素材はプレスしてブロック状にして破砕業者に販売します。その後、プレスされたスクラップブロックは粉砕され、磁力選別、重液選別等で細かく分別されていきます。最後にどうしても回収できないものは埋め立てやセメント工場等の熱源として使用されます。

このように、粉々になってしまうとどうしても分別できない素材が出てきてしまい、埋立地の圧迫や熱源回収時のCO2排出に繋がってしまいます。破砕されるまでに事前選別量を増やすことができれば、今以上にマテリアルリサイクルの割合は増えていくのですが、これを実現する上で、経済的な制度設計や技術開発が必要となってきます。

実際に宮川がエンジンを分解して部品を並べた。さまざまな素材が使われていることがわかり、性能や美しさを追求した結果より複雑になるものづくりとシンプルであればあるほど精緻な仕分け・素材回収が容易となるリサイクルの相反する現状が世の中の資源循環を複雑にしている。

私たち会宝産業は、SDGsのゴール12「作る責任・使う責任」に加えて、「後始末の責任」を掲げて資源循環社会の構築に向けて行動しています。

福永:日本はリサイクル先進国だと思っていましたが、まだまだ改善の余地が残っている、と。課題を解決するためには、より良い未来を築くためには一歩一歩地道なことから積み上げていく、まさに千里の道も一歩からということですね。最後に、トビタテ生へのメッセージをお願いします。



宮川:「一度切りの人生だからこそ、自分の本音と向き合い、自分の人生を生きる」これからの時代を担う若い方々に向けてのメッセージです。

何か自分を貫こうとすると、周囲の大人は色々と言うと思います。もどかしい想いにもぶつかることもあると思います。批判をしてくる大人もいると思います。本当に変化の激しい社会の中で、過去の成功体験は参考になりません。だからこそ、自分の本音と直感を信じて「今やりたいこと」をやる。自分の声に素直になり、自分で選び、腹を括って行動することが大事ではないでしょうか。

福永:宮川さん、本日はお忙しい中インタビューを受けて頂きありがとうございました!インドでご活躍される日を楽しみにしております。


■編集後記:インタビューをしながら宮川さんから感じたことは迸るような「圧倒的な熱いパッション」を持つ方であるということ。目の前のことに真っ直ぐ取り組みつつ、自身の信念と想いを実現させるべく未来を常に見据えている宮川さんの話を聞いているうちに自然と自分の心に灯火が灯るように感じました。

インドでどのような挑戦を仕掛け、インドのリサイクル業界にどのような変化を起こすのか、宮川さんのご活躍を心より楽しみにしています。

▶︎宮川さんインタビュー記事(前編)はこちら!

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