「高専×トビタテ」は可能性の宝庫!ヒロノスケさんに聞く挑戦の軌跡と繋がりの力

今回「高専生」というテーマで、高専(高等専門学校)出身でとまりぎ広報チームのモトイさんが、同じく高専出身で、カナダにバイオマスの研究留学をしていたヒロノスケさんにインタビューしました!トビタテ留学や、トビタテ生との縁やその広がりについて語ります。

第一章:交渉力が武器に!カナダで挑んだバイオガス研究留学のリアル

モトイ

ヒロノスケ

よろしくお願いします!まず、私は2023年9月から10ヶ月間、研究留学という形でカナダに渡航しました。なんでカナダなのか?というと、私は食べ残しや家畜糞量などのゴミからエネルギーを生成する研究をしており、バイオガス工場が多数存在するカナダに2つの疑問を抱いていたためです。

1つ目は、カナダの電源構成は7割ほど水力発電で補えており、かつ資源がとても豊富な国であるにも関わらず、何故かバイオガスの工場が沢山あることです。
また2つ目は、なんでこんなにバイオガスの工場があるのに、他国と比べてカナダのバイオガスに関する最新の知見があまり見られないのかです。

これら2点に疑問を抱き、「もしまだ知られざるカナダのバイオガスに関する最新の知見があれば、その技術を日本に持って帰りたい。実際に行ってみよう!」と思い、留学先にカナダを選びました。

モトイ

ご説明ありがとうございます!そのような背景でカナダに研究留学をされたんですね。では、なぜトビタテ留学JAPAN に応募しようと思われたんですか?

ヒロノスケ

身近な大学の先輩達がトビタテ留学JAPANに挑戦していたので、その姿を見て自分も応募してみようと思いました。なお、先輩たちも自分も、休学して留学をしていました。

モトイ

なるほど、周りにもトビタテ生がいたのは心強いですね。
実際に留学してみて、どんなことが得られましたか?印象に残っていることがあれば教えてください!

ヒロノスケ

交渉力はすごくついたと感じてます。
今回の留学では、①大学での研究活動と、②カナダにあるバイオガスプラントの訪問調査を行いましたが、どちらも困難に直面しました。

①の活動では、大学で研究テーマが与えられず自分から教授にアプローチする必要がありました。また、②の活動では何のアポイントもない状態だったので、メールや電話等、様々な方法で多数のバイオガスプラントの担当者にアプローチを行いました。最初の方は、もう誰やねんお前!って感じで、全く相手にされなかったんです。そこで伝え方や内容を工夫してトライを重ね、なんとかいくつかのバイオガスプラントに行くことができました。苦労しましたがやって良かったです。

あとは、全く研究関係ないんですけど、カナダ渡航後に、就労ビザがないと研究できないことが発覚し、カナダでビザ申請をしました。ビザを申請する場所まで、片道バスで 4時間ぐらいかかり、7往復くらいしてやっとビザが取れました。そこがすごく精神的にはしんどかったのですが、何度も何度も交渉してやっと就労ビザを取れたことは今でもとても記憶に残っています。

やはり交渉力は重要ですし、留学を経て身についたと感じています!

第二章 : バイオガス研究の現在地と留学経験の“意外な”活かし方

モトイ

今の活動についても、簡単にご紹介いただけると嬉しいです。やりがいや面白さもぜひ教えてください!

ヒロノスケ

今修士2年生ですので、引き続きバイオガスに関する研究をしています。私が所属している研究グループは、某自動車会社と共同研究しています。その共同研究先のプロジェクトでは、海外にバイオガスプラントをおいて、そこからガスを取って車に充填して走らせることにトライしています。実際に、その某自動車会社の社員の方と私みたいな学生がディスカッションして、そういったプロジェクトの一員として貢献できていることにとてもやりがいを感じています。

また、その他のやりがいとしては、留学後に何度か留学の志願者に対して情報発信やサポートを行っており、自分がサポートしていた学生がトビタテ留学JAPANに採択されたのは嬉しかったですね。私がやっている留学のサポート活動をたまたま高専の先生が見てくださって、「母校である高専の学生にも留学のことについて話してほしい!」と声掛けいただいたこともありました。

留学を経験したことが、現在やこのあとのキャリアにつながっていると感じてます。

モトイ

貴重な経験ですね!研究の内容についても、留学時の経験が活かされてると感じる部分を教えていただきたいです。

ヒロノスケ

正直、研究へのアウトプットはまだまだです。というのも、カナダで新たに導入されている技術を日本に還元できないか狙っていたのですが、カナダで特別な技術を見つけられませんでした。なので、私の研究に対して大きな成果というものはないですけど、やはり今も海外の方とやり取りする機会が多いので、専門的な分野におけるグローバルコミュニケーション力は留学で身についたと感じます。

モトイ

僕も今でも英語を使ってコミュニケーションをとりますし、国内外に活躍するにはグローバルコミュニケーション力は必須スキルですよね。その他カナダ留学を経て、思わぬ形で役立ったエピソードなどはありますか?

ヒロノスケ

想像していたよりも、色々な人との新たな繋がりができました!

カナダ人の友人が日本に旅行に来てくれることが結構あります。留学中に日本語クラスのTA(ティーチングアシスタント)をやっていたので、日本に興味がある現地の学生と仲良くなることができました。また、カナダで知り合ったトビタテ生や事前/事後研修で仲良くなった同期のトビタテ生とは今でも繋がっています。同期の仲間とは留学中に励まし合っていた仲で、帰国後もトビタテ15期の集まりを開いたりしました。カナダに定住している先輩トビタテ生に仲良くしてもらったのもとても印象に残っています!

第三章:トビタテ生の絆がもたらしたご縁と広がり

モトイ

第二章でもトビタテ生との繋がりについてお話いただきましたが、改めてトビタテ生になって良かったなと思う瞬間やエピソードあれば、ぜひお聞かせください。

ヒロノスケ

もういっぱいあるんですけど、やはり多種多様なバックグラウンドを持つ人と沢山交流できることが楽しいです!モトイさんも高専出身者ということで共感いただけるかもしれませんが、高専って専門性が高い分、どうしても視野が狭くなりがちな部分あるかなと思ってます。なので、エネルギッシュで多種多様な方々と繋がることで視野が広がり、とても楽しく刺激的に感じています。漠然とですが、今後いろんな挑戦を一緒にできるんじゃないかな!?ってワクワクしますし、トビタテ生になれて良かったなと思っています。

モトイ

エネルギッシュなトビタテ生が多いですよね!この人、印象的だったなっていう方はいらっしゃいますか ?

ヒロノスケ

同期の仲間で、同じ期間にカナダにいたトビタテ生が一番印象に残っています。カナダの中でも結構住んでる場所は離れたんですけど、留学中にお互いを励ましあう仲となり、日本に帰国してからも仲良くしてもらっています。話していくうちにどんどん魅力が伝わってくる人です!

あとは、私は野球が好きでして、留学中トロントで野球を見たい!と思い、 野球に関する活動をしているトビタテ生がトロントに来るという情報を入手して、「一緒に野球を観にいきましょう!」ってフェイスブックでしつこくメッセージを送ってみました。そうしたら一緒に観に行けることになり、当日はめっちゃいい席で野球が観れてとてもラッキーでした!とても感謝しています。笑

モトイ

それは素敵なご縁ですね!笑 改めて、今も繋がってるトビタテ生とのエピソードがあれば教えていただきたいです!

ヒロノスケ

先ほど少しお話しましたが、1番印象的なのは、帰国してから15期で集まることができたことです。事務局の人にも聞いたんですけど、これまでの期ごとの集まりと比べてかなり多くの方が集まってくれたみたいで、それは率直に嬉しかったです。
特に大きなトラブルもなく実施できましたし、自分が主催者だったので結局いろんな人と繋がれることができました。結構それを狙って開催したんですけどね。笑 
そこでは、色んな方の帰国後のお話を聞くことができましたし、そこからまた繋がりが出来てやってよかったなとすごく感じてます。

モトイ

ヒロノスケさんは、今とまりぎの「高専ローカル」のメンバーとして活動されていますが、その集まりがきっかけだったんですかね?

ヒロノスケ

そうなんです!そこで繋がった友人から高専のトビタテ生からこういう奴がいるよみたいな感じで「とまりぎ」のメンバーに紹介してもらって、まさかの泊まり合宿にいきなり行くことになりました。笑
誰やねん!お前!みたいな感じで参加させてもらって、その流れで今自分が所属しているとまりぎの「高専ローカル」を作ることができました。「発展」っていうキーワードで、15期の集まりから始まり、気づいたら高専ローカルを発足してました!

第四章:研究もとまりぎの活動も“発展中”!ヒロノスケさんのこれから

モトイ

最後の質問になりますが、今後の展望について伺いたいです!

ヒロノスケ

バイオガスに関する研究については、大学院までの予定です。来年の4月からエネルギーに関連するプラントを創る企業に就職する予定でして、今後も研究しながら、より幅広いエネルギーの生成に携われるようなエンジニアになりたいと思ってます。

また、現在携わっている「とまりぎ」の活動に関しては、 高専のとまりぎイベントを開催してもまだ参加者がそこまで多くないことと、現役の高専生を呼ぶ仕組みの構築に課題があります。それらを踏まえて、「高専×トビタテ生」というテーマでもっと面白いイベントをできたらいいなと考えています!

高専生は基本的に工学をかじっていますが、 そこから元々の専攻とは別の分野に挑戦してる方もとても多いので、 そういった方も含めて、「高専×トビタテ生」だからこそ何か面白いことがなんかできるんじゃないかと期待しています。本当に抽象的ですが、そう思ってるので、 高専ローカルとして今後色々な施策にトライしていきます!

この記事をみて少しでも興味を持ってくれた高専出身のトビタテ生は、ぜひイベントに参加してくれると嬉しいです!お待ちしています。

※2025年9月時点での情報です。

あつまれトビタテ生!とまりぎイベントのご案内

とまりぎでは、様々なイベントを開催しています!この記事をみて「トビタテ生に久しぶりに会いたいな」、「いろんな人に会って何か刺激がほしいかも」なんて思ったトビタテ生は、ぜひ参加してみてくださいね!

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