【報告】「ジビエトーク!ジビエの奥深い世界へようこそ」〜ごちそうさん通信vol.5〜
2020.09.18
こんにちは!『ごちそうさん』近松勇門です。
今回はジビエに携わっている北野真帆さん、下出采花さんをお迎えし、おふたりがなぜジビエの世界に関わっているか伺いながら、取り巻く社会課題について学び、ジビエという食の楽しさを発見するトークイベントを開催いたしました。
ゲストスピーカー
下出采花(さいか)
トビタテ10期。農村振興の文化人類学による分析をテーマにフランス・マダガスカルに留学する。都内のジビエ料理店でアルバイトをしている、現役女子大生猟師。
北野真帆(まほ)
トビタテ10期生。世界農業遺産×スローフードをテーマに韓国、ネパール、イタリア、ケニアの4カ国に留学する。現在、徳島を拠点にジビエの消費促進に取り組む。
[聞き手]
小山滉平(こうへい)
トビタテ10期生。ローラースケート日本代表選手としてインドネシア、アルゼンチンに留学する。留学中より自然への興味が高まる。
近松勇門(もんちゃん)
トビタテ10期生。イタリア、ローマに病院インターン、生命倫理学の研究留学する。お料理コミュニティ『ごちそうさん』を立ち上げ、運営している。
目次
ジビエを取り巻く社会課題



鳥獣害をみんなの問題として考える
野生鳥獣による第一次産業への被害は深刻な問題です。農林水産省の「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について」によれば、平成30年度の農作物被害額は158億円に及びました。林業(シカによる食害)や水産業(カワウによる食害)は大きな被害を受けており、また高山植物など希少な植物への影響が出ている地域もあります。


猟師人口について
鳥獣害問題が甚大な一方で、それに対処する猟師の数も深刻な状況です。農林水産省によると、1975年には51.8万人いた狩猟免許の所持者数は、2015年では19万人に減少しています。加えて、狩猟免許を持っているすべての人が猟師として活動しているわけではありません。

2012年の狩猟免許保持者数は18万人。しかし実際に狩猟者登録を行ったのは11.5万人でした。これは、免許だけ持っているペーパー猟師や、高齢などで引退した猟師など、狩猟の現場に携わっていない人が狩猟免許保持者数に含まれているからです。さらに、狩猟者登録は複数県にまたがって行うことや、複数種類の免許で行うことが可能であるため、その分を差し引くと10万人を下回るのではないかと言われています。
捕まえた後どうなる?棄てられる多くの命
生物多様性を保全するためには、数が増えすぎたり野生鳥獣を捕獲したり、減り過ぎた動物達を保護するといったマネジメントが行われています。では、捕獲された野生鳥獣はどうなるのでしょうか。
捕まえた野生鳥獣のうち、ジビエとして食肉利用されているのは捕獲頭数の10%未満です。残り90%の多くは埋設処分されています。野生鳥獣の食肉利用を促進するため、平成26年に厚生労働省が「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」を作成しましたが、捕獲した野生鳥獣の食肉利用については、まだまだ工夫する余地がありそうです。

「食べる」ことから野生鳥獣や環境保全の問題に関わっている、北野真帆さんの想いと徳島での取り組みとは。次ページに続く。
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