【報告】動画編集講座 全講まとめ
2021.01.10
こんにちは!とまりぎ北信越の大川です。
とまりぎ北信越と学習PFの共催で、動画編集のすゝめを 11/8(日)から12/13(日)まで、全6講を開催しました!!
本記事では、動画編集講座のまとめを報告します。
目次
講師紹介
桑原豊さん(4期生)
テレビ番組製作会社のディレクター。日雇い労働者の街を記録した短編ドキュメンタリーを手がけ、現在は国際市場展開を目指して英語字幕版を制作中。
カメラマンとして活動することもあり、ドキュメンタリー撮影の経験から人が輝く一瞬を予測し、記録することが得意。
登壇者紹介:浅沼和馬さん(9期生)
現在は熊本の山でセルフビルドの木造コテージ造りとドキュメンタリー制作を行う。団体のPV撮影や事務局インターンとしてトビタテの動画作成を担当。
The wonders of Alaska from Kazuma Asanuma on Vimeo.
講座の流れ
今回の講座ではAdobe Premiere Pro(月額2480円、学割月額1980円)を使いました。
Adobe Premiere ProはiMovieなどの無料ソフトと比較して、下記のようなメリットがあります。
- 拡張性が高い
- 多機能(細かい調整が可能、多彩なフォント、テロップを複数挿入可能等…)
- Windows、mac両方で使用可能
前半は知識取得のための座学、後半は実際に手を動かし、最終回では品評会を行いました。
※動画はトビタテ生のみが視聴可能です。
- 第0講動画- 『留学先で撮った動画を編集して思い出を「かたち」に!』
- 第0講報告記事- 『留学先で撮った動画を編集して思い出を「かたち」に!』
- 第1講動画– 『動画編集の基本』
- 第1講報告記事– 『動画編集の基本』
- 第2講動画-『ストーリーテリング』
- 第2講報告記事-『ストーリーテリング』
- 第3講動画– 『タイムラプス』『Adobe Premiere Proの導入』
- 第3講報告記事– 『タイムラプス』『Adobe Premiere Proの導入』
- 第4講動画– 『Adobe Premiere Proの基本と実践 1』
- 第4講報告記事– 『Adobe Premiere Proの基本と実践 1』
- 第5講動画– 『Adobe Premiere Proの基本と実践 2』
- 第5講報告記事- 『Adobe Premiere Proの基本と実践 2』
- 第6講動画- 『品評会』
座学のまとめ
ここからは座学のおさらいをまとめます。
早速ですが、動画撮影の流れってみなさんご存知でしょうか。
動画撮って、それを繋げていくだけじゃ…と思いませんか?
実はその前に一点、いちばん重要な事があるのです。
コンセプト動画 or ナラティブ動画
コンセプト動画、ナラティブ動画のどちらを作るか、まず決めなければなりません。
これによって、撮影前に考えるべきことなどが変わってくるからです。
とりあえず、動画を撮影する流れはざっくりと下記だと覚えておいてください!
- コンセプト動画かナラティブ動画か、を決める
- 必要な素材を撮影する
- 編集する
ナラティブ動画の作り方
映像に限らず、優れた作品には必ず明瞭簡潔なストーリーが存在します。
例えば
- 海賊王が夢見る少年がひとつなぎの大秘宝をもとめて世界の海を冒険する話
- 世界に誇れる日本人の日本人による日本人のためのパン、「ジャぱん」を作っていく物語
などです。これを聞いて、ぱっとそのタイトルが思い浮かびませんか?
ですから、動画撮影の前に、まずは”伝えたいこと”、”伝わる構成”を考える必要があります。作りたい動画の言語化です。
ここで動画の構成がキッチリまとまっていないと、必要な動画素材を得ることができず、編集の際に頭を悩ませることになりことになります。
また、インタビューをする場合は、多くの相手の時間を無駄にしてしまうかもしれません。
- どこが相手のエッセンスか?
- どういったことを語ってほしいのか?
- そのためにはどんな質問の仕方をすれば良いのか?
こういった部分まで事前に考えて、仮設を立てて、勝負をしなければ、後で編集するときに素材不足に悩みます。
構成づくりのヒントとしては、友達に留学の土産話をするように、5WiHなどを意識しつつA4一枚で文章化してみると良いです。
その後、最後に一言でまとめてみましょう。
ここまで明らかになると、必要な動画素材がわかってきましたね。
次に、伝えたいことをどうやって表現するかです。
痛みや温度は動画では表しにくいので、人の行動で示す必要があります。例えば、苛立った時に人は”口調”や”ため息”などの行動で示すことができます。
つまり、見ない世界をどう映像で伝わるのか、です。映像と小説は紙一重ですね。
最後に、考えたストーリーが、どの表現方法ならしっかり伝わるか考えてみます
例えば、下記のように色々な種類があると思うので、各々考えてみましょう。
- Vlog風
- ミュージックビデオ風
- シネマ風
コンセプト動画
ここでいうコンセプト動画とは、例えば企業紹介のような動画です。
コンセプト動画は、ストーリーがないので、いかに飽きさせないかがポイントになります。
撮影前に、撮影する動画の目的を形容詞を含めて言語化しておくことが大切です。
- 引きで身体を含めた動画
- 顔のアップ
- 人の声
などを、多く撮影できていると、後から編集しやすくなります。
どんな機材を使用するか?
- スマホ
- ミラーレス一眼
- 一眼
- シネマカメラ
機材のサイズはセンサーサイズに直結し、センサーサイズはどれだけの情報(光、色、距離)を得られるか示します。
なので、センサーが小さいスマホでは、ボケた写真が取れず、暗い場所で情報を拾えないため、センサーが大きい一眼レフのほうがきれいに星空などの写真を撮影することができます。
しかし、スマホよりもすべての面において大きさなセンサーを積んだカメラが優れている訳ではありません。
例えば、風景はボケていないほうが良いので、スマホ撮影がおすすめです。
スマホの一番の利点は利便性です。敏捷性が高いのでプロはサブとしてスマホを使用します。近頃はiPhoneだけで撮影された映画もあります。
iPhoneは暗いところでの撮影ができないのですが、照明などの機材サポートがあれば、十分編集可能です!
機材一例
- マイク
- 三脚
- スタビライザー(ジンバルなど)
- 照明
- レンズ
- フィルター
- マイク
カメラ撮影設定の基本
FPS(Flame per second)
FPSは、1秒間の動画で見せる静止画の枚数(コマ数)です。
コマ数は、どんな動画を撮影したいかで決まりますが、あとからFPSを下げることができるでの、プロは60の設定で撮影することが多いとのことです。しかし、その分データ量は大きくなってしまいます。FPSと適した動画の一例は下記です。
24:映画
30:TV (人の目が捉えられる情報量と一致)、VLog
60:筋肉の躍動感
ISO感度 × シャッタースピード (SS) × 絞り (F値)
プロはこれらを1瞬の見極めで設定します。
ISO感度:光の増幅。低いとノイズが少ないが暗い。大きいと明るいがノイズが大きい。
SS:FPSの2倍が好ましい。30fpsなら、1/60s, 西日本なら1/50s。これは、電波の関係
F値:レンズの焦点距離を有効口径で割った値であり、レンズの明るさを示す指標。小さくすると、情報量が増えて明るくなる。その際は、基本的にSSは固定なので、ISOかフィルターで暗くします。初心者の方は、F値オートがおすすめです。
F値の絞りが小さいと、多くの情報が得られるために、ボケます。一方、絞りが大きいとボケないです。これは視野が狭く、人間が片目をつぶると距離感がわからなくなることと同じだと考えてください。距離感の情報が得られないということです。
外から室内に入る際、外の明るい光が入る状況での設定のまま、屋内で撮影を続けるとあとから真っ暗で見えない!ということが起きるので要注意です。
オプション機能:タイムラプス・スローモーション
スローモーションではエモい動画が撮れます。桑原さんいわく、時間がゆっくりながられることで、人は贅沢に感じるのでは、とのことでした。
タイムラプスでは、自分の目に見えない世界を知ることができます。
ハイパーラプスは、タイムラプスに動きをつけたものです。カメラが動きながらタイムラプスが取れます。タイムラプスはスマホで撮影できますが、ハイパーラプスはスマホでは撮影できません。
タイムラプスの方法としては、下記の3つがあげれます。
- カメラのタイムラプス機能を使って撮影編集する
- 動画編集ソフトで静止画をつなぎ合わせる
- (動画をはや送るする)
タイムラプスのコツ
タイムラプスでは、動画の質よりもぶれないことのほうが重要です。
脇を固定して、肘を胸につけるなど、体に近づけることでブレ防止が可能です。また、100円ショップでも良いので三脚を使うとキレイな動画が撮れます。
また、グリッド線を活用して構図をチェックし、太陽の方向や雲の流れる方向などに合わせてみましょう。
終わりに
私が講座で一番印象的だったのは、事前準備の重要性はもちろんのこと、”どうやって必要な素材を獲得するのか”という部分です。
例えば、冬の寒さを伝えたい場合、どうすれば良いのか。ぱっと-30℃と言われても人は想像できません。そこで、鼻水が凍っている映像が流れたらどうでしょうか。
こういったことを事前に考えられるだけ考えた上で、動画撮影に出かけるということです。
ある意味、小説などの文章の物語とも互換性があるのかなと感じました。
例えば、文章上で寒さを想起させるのと、映像上でそれを表現するのは親しいものがあるはずです。
また、本講座を通じて、小説・論文・動画・音楽・エンタメ等…何かを世に表現することは、全てが目的ありきだと感じました。運営側としても、非常に学び多い内容でした。
桑原さん、浅沼さん、お忙しい中、講師をしていただき、本当にありがとうございました!
本講座を通じて、受講したトビタテ生が自分で動画を編集し、今後の人生の一助してくだされば、幸いです。
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