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【報告】トビタテ!アフリカ交流会

藤澤みのり【事務局インターン,大学11期】

藤澤みのり【事務局インターン,大学11期】

2023.04.03

 

2023年2月11日、日本たばこ産業株式会社のオフィスにて「トビタテ!アフリカ交流会」が開催されました。

経済同友会は、アフリカの開発に寄与する日本企業からの投資促進に向け、インパクトファンド「アフリカ投資機構(仮称)」の設立を提言し、趣旨に賛同する会員や会員所属企業の出資によって20231月にファンド運営会社「株式会社and Capital」が設立されました。本イベントでは、同ファンドの運用や関連するイベント、交流会に関心のあるトビタテ生が集い、キックオフおよびファンドの運用を担当される渋澤健様による講話が行われました。当日は、オンライン・オフライン合わせて約40名のトビタテ生が参加し、オンラインではアフリカ現地から参加しているトビタテ生や、実際にアフリカ関連で資金調達を期待するトビタテ生の姿も見受けられました。本レポートでは当日の内容や現地の様子をご紹介します。

 

当日の内容

  • 趣旨・背景説明
  • トビタテとJTについて
    日本たばこ産業株式会社 サステナビリティマネジメント部 向井 芳昌 様
  • アフリカPTについて
    日本たばこ産業株式会社 取締役会長 岩井 睦雄 様
  • 参加者自己紹介
  • 講話「アフリカへPeople centricなインパクト〜Made with Japan〜」
    株式会社and Capital 代表取締役CEO 渋澤 健 様
  • 質疑応答、写真撮影
  • 懇親会

トビタテとJTについて

トビタテとJTについて、日本たばこ産業株式会社のサステナビリティマネジメント部長の向井芳昌様からご紹介いただきました。向井様自身も40代ごろに海外で過ごす機会があり、その際に戸惑いから違いを楽しみ、刺激を受ける経験をされ、もっと若いうちに体験しておきたかったと思ったそうです。本イベントでも、そういった経験を持つトビタテ生と交流できることを楽しみにしています、とこれからの交流への期待を述べました。

 

アフリカプロジェクト・チーム(アフリカPT)について

続いて、日本たばこ産業株式会社の取締役会長である岩井睦雄様からアフリカPTの紹介が行われました。
経済同友会(日本経済団体連合会、日本商工会議所と並ぶ「経済三団体」の一つ)は、会社の枠を超えて社会をより良くするための提言し自ら実行する組織のことであり、その中で岩井様が委員長を務めるアフリカPTの活動を背景に経済同友会会員の有志で今回のアフリカ特化型のインパクトファンド会社が設立されました。

アフリカと日本の間には第2次世界大戦後に独立をしたある種の親近感もあり、長い間交流を続けてきたものの物理的な距離や歴史的な背景により関係が希薄になっています。また、過去にはODAの支援が活発でしたが近年は件数も金額もが減少し、日本企業の進出も200社程度に留まっているとのことです。こうした状況に対して、アフリカとの新たな関わり方として、アフリカ特化型のインパクトファンド立ち上げに踏み切ったそうです。

 

講話「アフリカへPeople centricなインパクト〜Made with Japan〜」

後半では本イベントのメインとなる株式会社and Capitalの代表取締役CEOである渋澤様が講話を行いました。

講話の中では、日本の資本主義の父と称される渋沢栄一氏の考えや過去の社会的イノベーション事例に触れつつ、これから日本はどのようにアフリカと関わるべきかについて紹介されました。

 

近年注目が集まる「社会的イノベーション」という言葉ですが、実は150年前の日本でも社会的イノベーションが起きていたのです。例えば、日本初の銀行である第一国立銀行は、お金を世の中に流通させるための社会的イノベーションでした。そして、紙幣に必要とされる紙の生産を行ったのは王子製紙株式会社であり、製造業の先駆けとなる存在です。また、外貨を稼ぐ手段として、当時主力であった繊維業は東洋紡株式会社によって支えられました。これらに加えて、イノベーションを起こすための資金を株式によって集める証券取引所や、会社同士で協力して行動するための商工会議所、女子に対する教育制度の普及など、先述の大企業をはじめとして、当時の日本は社会的イノベーションに溢れていました。

これらの社会的イノベーションを支えた、資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一氏は、個々の価値を合わせることで新しいものを産み出す「合本主義」の考えに基づいて行動していたそうです。「合本主義」とは、株主や資本家のためではなく、お金や人などの分散した資本を集約することで、より多くの人を富ませることができるという考えです(分散した資本を雫に例え、一滴一滴の雫が集まることで、大河を形成することができると表現されました)。

今回のインパクトファンドにおいても、人的資本の可能性を秘めているアフリカに対して、

People centric(人中心的)な投資を行うことを提言されています。

同ファンドの投資対象は、ヘルスケア、フードセキュリティ、初等教育、再生エネルギー、カーボンオフセット、カーボンクレジット、ジェンダーエンパワメントなどテクノロジーが必要になる全ての業界を含んでいるとのことです。戦後「Made in Japan」、 「Made by Japan」と変化してきた日本の産業は、今後「Made with Japan(日本とともに歩んでいく)」という形を目指していきたい、と今後のビジョンで締めくくられました。

 

アフリカ特化型インパクトファンドについての質問

講話の最後にトビタテ生からの質疑の時間が設けられました。質問の一部を紹介します。

Q: 投資先の企業について、どのようなセクターを想定しているのでしょうか?

A: 利潤もきちんと追求するため、NPOではなくスタートアップやベンチャーを想定しています。その中には、アフリカのスタートアップだけではなく、日本からアフリカに進出するスタートアップも含まれています。また、既に存在するファンドへの投資も検討しており、シードやアーリーステージではなく、シリーズA程度を想定しています。日本の既存のファンドはアーリーステージに注力しているため、それらと競争するのではなく、協働していくイメージで考えています。

 

Q: 今後トビタテとどのようなことをしていきたいと考えていますか?想定しているものがあれば教えてください。

A: トビタテとは化学反応を期待しています。アフリカの若い人材と日本の若い人材の交流なども検討しています。

 

こちらの活動に興味のある方は、1期生齋藤(saito3ami@gmail.com)までご連絡ください。

 

主催: 文部科学省トビタテ!留学JAPAN
協力: 日本たばこ産業株式会社、株式会社and Capital
公益社団法人経済同友会アフリカ・プロジェクトチーム

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