こんにちは!トビタテ8期・事務局インターンの吉田です!
本日は「難民支援の現場に立ち、グローバルリーダーを目指す」をテーマにアイルランド、フランス、カメルーンの3カ国に留学された片山健太さん(多様性人材コース・7期)にインタビューしました!
アイルランドでは英語を、フランスではフランス語を学ぶために語学学校へ。
そしてカメルーンではUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)でインターンシップに励みまれたそうです。
難民問題に関心を持ったきっかけは?なぜカメルーンへ?
片山さんの留学秘話に迫ります!

「忘れ去られた人道危機」中央アフリカの難民
難民問題をテーマに留学したんだね。きっかけは何だったの?
高校生の時から平和構築や難民問題に関心を持ってたんだよね。総合の授業や、当時日本人ジャーナリストがISによって殺害されたニュースをみたり、マララ・ユスフザイさんから刺激を受けて。大学で研究していく中で「忘れ去られた人道危機」という言葉に衝撃を受けて、中央アフリカの難民問題に関心を持ったかな。
中央アフリカの難民問題かぁ…私自身も知らなかったな。
今現在も政情不安が続いていて、避難している中央アフリカからの難民は国内避難民も合わせて51万人程もいると言われているんだよね。難民について知るために現地に足を運んでみたいと思ったから、中央アフリカ難民が多く定住するカメルーンのUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)でインターンシップをすることにしたんだ!

カメルーンはフランス語圏の国だから、スキルアップしないといけないと思ってカメルーンにいく前に、フランスの語学学校でフランス語も学んでたよ。


写真:フランス留学の様子
なるほどね!健太くんのフランス語のレベルには驚かされます(笑)
UNHCRとして「裏に潜む難民性」を探る
難民の方の保護や、難民認定をするためのインタビューやカウンセリング、倉庫の整理などの雑務から多岐にわたる業務をしてたよ!難民の方はまず国内避難民となった後に、カメルーンに逃げてくる人が多くて…カメルーンに来ている難民の8割が中央アフリカからで、他にもコンゴやルワンダ、チャドからの難民もいたよ。

写真:世界難民の日にて
実際に難民支援の現場にいてみて、何が印象的だった?
衝撃だったのは中央アフリカから難民として来た人たちが「難民」という言葉自体を知らなかったことだな。私たちはあくまで第三者として「難民」をみているけれど、当事者側からすると、自ら難民になりたくてなったわけではないし、ただ安全な場所避難してきたっていうだけなんだよね…
当事者は「難民になろう」と思ってなったわけではなくて、自らの置かれた状況が意図せず「難民となった」ってことか….だけど当事者の方はUNHCRに訪ねてくるのはどうして?
周りに助けを求めた結果「とりあえずUNHCRに行きな」って言われてくる人がほとんどなの。難民認定のためのインタビューでも「なんで認定を申請するの?」と聞いても「服を買いに来た」「観光に来た」という答えしか返ってこないこともあって驚いたんだけど…背景にはそういう理由があったみたいで。
なるほどね。でも難民としてカメルーンから認定されるためには、その返答だと認められないよね…
まさにそうだね。当事者の方にはカメルーンに避難した理由がちゃんとあるからこそ、難民認定される時に必要な情報を引き出すことが必要だったんだよね。その人たちの「裏に潜んでいる難民性」を探るように、現地スタッフからも指導されたな。

写真:UNHCRの現地スタッフたちと
「裏に潜んでいる難民性」か…実際に自国での経験を聞いていったってこと?
自国でいかに迫害され、避難したのかを聞き出して、故郷を離れた根本の理由を質問するように意識したよ。そうしないと、「服を買いに来た」「観光に来た」と答えている人たちの裏に隠れる事実を探れないし、対象の漏れをなくしたくないと思って。
なるほどね…でもカメルーンって事実をもとに申請を出せば、難民認定される確率は高いの?
日本と比べるとカメルーンの難民申請への積極的な姿勢は顕著だね…認定が出るのも早いし、認定率も日本より全然高いんだよね。日本の難民認定率が低い要因は、背景にある事実をしっかり見定めようとしてる分、審査が厳しくて。でも、遠く離れた日本から自国で迫害されたという的確な情報や証拠を収集するのは結構大変だったりするみたい…
あとは外交的な問題も孕んでくると、さらに複雑化するよね..
そうだね。日本がクルド人難民を認定しないのも、トルコと日本の外交に影響するからとも言われてるくらいだしなあ…ただ日本でも多くの人が難民申請していることは知られていないだけで、多いのは事実だよね。
うん!トビタテ1期生の渡部清花さんが創設した
Welgeeが主催してる「Welgeeサロン」に参加して、フランス語が話せたから、仏語圏アフリカの難民の方が喜んでくれて、たくさん語り合ったよ!「難民と触れ合う」をテーマに定期的にイベント行ってるみたい。
「難民問題」って遠いし難しいことなのかなと思いきや、私たちにも身近な話でもあったんだね。今度行ってみたい!
カメルーンで得た繋がり
UNHCRインターン以外のカメルーンでの生活はどんな感じだったの?
在住されてる日本人の方が結構いらしてね!同時期に留学してたトビタテ生とも現地でたまたま知り合って、よく週末に会ってたなあ。ご飯食べたり、テニスとかソフトボールを一緒にやったり(笑)あとは国際協力に携わる日本人の方々とも仲良くさせていただいて、TICAD(アフリカ開発会議)に関する市民会合に参加させてもらったりもしたよ!

写真:カメルーン在住の日本人の方々と

写真:現地で知り合ったトビタテの同期と
留学中に幅広い繋がりができるのは、とても素敵だね。カメルーンにこんなに多くの日本人の方が在住していることがビックリだったけど!
日本でもカメルーンの知名度は低いし、フランス語圏かつ観光資源が少ないから、なかなか来る機会もないのかも。だけど仕事の関係で来られる方が多かったし、留学生もごく僅かだったな。250もの多様な民族の共存社会だったり「アフリカの縮図」と呼ばれるほど、多くの自然がある魅力的な場所なんだけどね。首都のヤウンデは、涼しい気候で過ごしやすいし、人もフレンドリーだし!


写真:多様な民族社会がゆえに伝統工芸品もたくさん!
実はカメルーンに到着直後、日本人御用達のアパートに住む予定だったんだけどね、現地に着いたら、なぜか取り壊される予定になってて(笑)物件を探していたら向かいのバーから現れたケムタさんという方が、声をかけてくれたの。実はまさに探していた物件の大家さんで、困っている様子をみてすぐに気にかけてくれて。自分の名前と似てるしで、意気投合(笑)
結局すぐにいい物件が見つからなくて、元々泊まっていた郊外にある格安ホテルで物件が空くのを待つ予定だったところ、ケムタさんがこの地域は日本人にとっては危ないからって彼の家に居候させてもらえることになったの…
とても優しくて素敵な方だったんだね。まさに一期一会!
ほんと!なかなか日本人も珍しいカメルーンに留学したことで現地で得た繋がりは貴重だったな。
アフリカビジネスへの野望
広島大学人間社会科学研究科で開発学を専攻してる!研究テーマは「貧困の農村家庭への施策後の構造変化やインパクト」を調査してるよ。計量分析によってどうプロジェクトや政策を評価するか?みたいなこと!アフリカでモバイルマネーやeコマースの波が来てるから、それを事例にしても面白いかなって思索中。本当は現地で調査する予定だったけど、感染症で今は難しいかな…
なるほどねー!これからもアフリカに開発の視点から携わりたいって考えてる?
そうだね。開発コンサルタントには興味があるかな。でも総合商社など、ビジネスでアフリカと関わることにも関心はある。トビタテ生の先輩である水口あすかさんのご紹介でインターンしている、AAIC Japanという会社でアフリカビジネスに関わらせてもらっててすごく興味が湧いてる!
アフリカ界隈のトビタテ生同士が関わって、こうしてきっかけが生まれるのって素敵!大学院での研究と、そのあとの進路などこれからも楽しみだね。またアフリカの話しよう!
編集後記
片山さんのカメルーンでの秘話はいかがでしたか?過去にもアフリカに留学したユニークなトビタテ生を特集したので要チェックです👀
こんな面白い人たちと繋がりたい!というトビタテ生はぜひ
トビタテ!アフリカ会へ!トビタテ生によるトビタテ生のためのアフリカコミュニティです。

次回のトビタテ!アフリカ留学特集は10月23日(金)公開です!
ゲストは、南部アフリカ・マラウイ🇲🇼でプロジェクトを立案したトビタテ生です。
お楽しみに!
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