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第109回とまりぎインタビュー:塙睦美さん【ロンドンでの学びを生かし踊り続ける!】

2020.10.20

みなさん、こんにちは!トビタテ高校3期で事務局インターンの積千夏です。今回はロンドンに留学されていた塙睦美さんの記事です。

トビタテ!留学JAPANでの留学

塙睦美さん
高校2期生
スポーツ芸術

ロンドンのバレエ学校へ!

積)どちらに留学されていたのですか?

塙)ロンドンの Central School of Balletというバレエ学校に留学していました。

積)ガッツリ、バレエ留学だったんですね。現地では毎日バレエ学校に通っていたのですか?

塙)バレエ学校の2週間のサマースクールに参加したのですが、月曜日から金曜日の日中、加えて土曜日も通学していました。平日の朝はクラシックバレエのお稽古が中心で、午後は男性と組んで踊るパドドゥや、最終日の発表で上演する作品の練習(=レパートリークラス)などバレエをやることもあれば、キャラクターダンスという民族舞踊の要素がある踊り、コンテンポラリーダンスやジャズダンスをやっていました。踊りだけでなくピラティスや音楽性を養うリトミックのような授業も受けました。土曜日は、1週目は午前のみクラスレッスン、2週目は成果発表のパフォーマンスがありました。

積)色々な種類のダンスレッスンを受けていたんですね!

塙)そうですね。クラシックバレエとコンテンポラリーダンスは以前からやっていましたが、ジャズダンスは現地で初めてでした。私にとってもすごく新しい挑戦となることがとても多くて大変でした。

積)現地に行って初めて挑戦したんですね!

塙)ジャズダンスは元々やってみたいという気持ちはありましたが未経験で、キャラクターダンスは日本では発表会で踊るときに少し勉強する程度でした。クラシックとは全く異なる体の使い方、見せ方を学ぶのは新鮮で、とても楽しかったです。 

積)初めてが多かったんですね。大変だったことはありましたか?

塙)私もですが、日本で開催されたオーディションを通過し参加している人の人数が多く、思っていたよりも英語を話す機会が少なかったので、その輪から離れて日本以外の参加者の人達と接点を作っていくのに初めは苦戦しました。でも、日数を重ねていくうちに挨拶をしたりお喋りをする人もできて、少し緊張しつつも通学がますます楽しくなっていきました。

積)サマースクールに参加する前にオーディションがあったんですか?

塙)現地に行く前の年の秋〜冬にオーディションがありました。トビタテの申込書を出す直前にオーディションの結果が分かったので2、3日くらいで申込書を書くことに決め、高校の先生方や、親にとっても助けていただきました。これ以上ないほど(笑)駆け足で申し込んだのにもかかわらず、採用していただいて本当に感謝しています。

積)本当にギリギリだったんですね(笑)イギリスを選んだ理由はありますか?

塙)クラシックバレエは「イタリアに生まれ、フランスで育ち、ロシアで大人になった」とされる芸術なんですね。ただ、私はその3つの国よりも、英国のロイヤル・バレエ団の作品や、所属するダンサーさんの踊りが好きだったので、イギリスに行って学びたいと思いました。オーディションの過程で学校の方がとても良くしてくださったのも決め手ですね。

ロンドン名物のビッグ・ベンの写真

「ダンス漬けの日々でしたが、ビッグ・ベンなどを観光する時間もあり、楽しかったです。」

受験を控えた高校3年生の夏

積)留学を通して、今に繋がっているなと思っていることはありますか?

塙)私は大学受験を控えていた高校3年生の夏に留学したので、行き帰りの飛行機の中でも、苦手だった数学など学科試験の勉強をしていたことを覚えています(笑)。今通っているお茶の水女子大学の舞踊教育学コースは、国立大学でダンスを学問として学べる国内でも有数の学科なんですね。舞踊教育学コースには中学3年生の時に姉経由で存在を知った時からずっと憧れていて、トビタテの面接でも話したのですが、人に話すことで決意が固まり、結果につながったと思います。留学の計画書で、この先どうしていきたいのかを書く時に、高校3年生の私は

「私はお茶大に進学して、ダンスに関してもっと深く勉強して日本のダンス界に貢献できる人間になりたいです。日本と世界のダンス界を繋ぐ存在になりたい。」

と書いていました。それを言語化し、人に伝える経験をしたことで今の自分があると思います。

積)高校3年生で行くという決意もすごいですよね!反対はされませんでしたか? 

塙)確かに、親や先生方に、反対されなかったとは言い難いです…。私自身口に出すことはなかったように記憶していますが、踊りと勉強のどちらも言い訳にしない決意は無意識のうちにしており、特に先生方には申込書を添削していただいたりする中でそれが伝わったのかもしれません。温かく送り出していただいたので、今でもとても感謝しています。 

積)留学もダンスを学んで、留学後もそれが活かされていますね。

塙)実は、コンテンポラリーダンスは、クラシックバレエとは違って踊りの形や振付の仕方が、指導する人・踊る人によって全く異なります。高校2年生の時からお世話になっている先生からの学びを生かしつつ、留学して新しい先生からまた新しい学びを得られたことで、月並みですが、世界の広さを感じましたし、特にダンスについて、まだまだ知らない景色があるんだなあと実感しました。生演奏でコンテンポラリーを踊る体験から、即興で踊ることが好きだし自分の強みになりうることに気づいたり、あとは正確に踊ることはもちろんですが、純粋に踊りを楽しむ大切さなどを知りました。ロンドンでの出会いと学びは、今思い返しても貴重なものだったなと思います。 

現地でできた友人と撮影した一枚。
「彼女のようにスタイルが良い人は体をコントロールするのが大変なことが多いのですが、努力家で、とても素敵に踊るダンサーでした。」

これからもずっと、踊っていきたい

積)これからの目標はありますか? 

塙)まずは、これからもずっと、踊っていきたいです。体が続く限りは踊っていきたいので、つい雑に扱ってしまいそうですが、体は大事にしていこうと思っています。ダンスや舞台芸術についてこれまで学んできたことを活かした仕事にも尽きない興味がありますが、実際に舞台芸術を届けたい先の人たちが生活し、日々戦っている社会に出て、そこで自分がどのようにやっていくのかを確かめたいとも思っています。なので、今から先の明確なプランは、正直なところ決まっていません。これまで通り、人との出会いを大切に、ただ私は忘れっぽいので本当に注意して周りの人を大切にするように、また自分自身も大切にしていきたいです。先ほどお話ししたように、自分が踊っていきたいという気持ちもありますが、舞台を支えたり踊る場を作る、といったサポートも大好きなので、色々な場において、その時時に自分ができることをしていきたいです。 

積)ずっと踊っていきたいということがとても素敵です!インタビューはこれで終わりです、ありがとうございました。

塙)最後に私が今年10月24日・25日に出演する舞台のお知らせをさせてください!

私は昨年の4月からモモンガ・コンプレックスというダンス・パフォーマンス的グループのメンバーとして活動をしています。この度、ミュージカル的ダンス・パフォーマンスと題して、音楽監督に西井夕紀子さん、舞台美術に佐々木文美さんを迎え、新作『わたしたちは、そろっている。』を上演します。
会場は、池袋にあります東京芸術劇場と、オンライン会場(日本国内のみ対応)です。

直前でのお知らせにはなりますが、記事をご覧いただいた方で、もしご興味やご質問、予約のご希望がございましたら、
mutsumi0517ballet☆(gmail.comです。☆は@に置き換えてください。)
こちらまでご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします!

【公演情報】

Festival/Tokyo20参加作品
モモンガ・コンプレックス
『わたしたちは、そろっている。』
2020年10月24日〜2020年10月25日

https://www.festival-tokyo.jp/20/program/momonga-complex.html

編集後記

「私には踊りしかないので」とお話しされていましたが、ずっと続けていきたい好きなことがあるのはとても素敵なことだと思います。インタビューありがとうございました!

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