第111回とまりぎインタビュー:中本邦子さん【人との繋がりが未来を大きく変える、福井×インターンシップコーディネート】
2020.10.28
こんにちは、事務局インターンの福永夏輝です!
今回インタビューをお願いしたのはトビタテ7期地域人材コース・ドイツ留学を経験した中本邦子さん。鯖江をこよなく愛する中本さんは高校生の時から地元での活動を開始したとのこと。そんな中本さんがいかにして留学を決意し、福井で働く決意をしたのか…インタビューにてお話を聞いていきたいと思います!

1996年生まれ、生まれも育ちも福井県。福井が大好きな24歳です。トビタテ7期地域人材コースでドイツに1ヶ月間雨樋留学。学生の挑戦できる機会を提供するため、現在株式会社akeruに所属しインターンシップコーディネーターとして、県内の中小企業を対象に実践型インターンシップを企画運営。
建築基準が世界一厳しいドイツで市場調査
福永:本日はよろしくお願いします。邦子さんは高校生の時に鯖江市JK課でご活躍していたとお伺いし、個人的に色々と聞いてみたいことがたくさんあるのですが…まずは留学のきっかけについてお聞きしたいと思います。
中本:鯖江市JK課懐かしいです(笑)留学に至る経緯として、まず所属していた福井工業高等専門学校では必ずインターンシップに行かなければいけないという制度があり、どこかしら企業を選ばなければいけなかったんですね。
インターン先は海外でもいいということだったので、元々海外に興味があったこともあり早速先生に相談したところ「トビタテの福井県地域人材コース」について教えてもらい、15社くらいインターン先の候補がある中過去1dayインターンシップでお世話になったことのある企業で、『雨樋』の製造から販売まで行う井上商事株式会社井上商事を選びました。

語学学校で出会ったドイツ人と日本人の友達
福永:あまどいとは…???
中本:雨樋は雨水を集めて排水させる筒状の建材で、軒先や建物のはじっこに取り付けられています。
インターン先として選んだ井上商事株式会社では「雨樋を今後海外に展開していきたい」というビジョンがあり、そのために建築基準が世界一厳しいドイツで市場調査をするということで、留学前半の2週間はフランクフルトに滞在し、後半2週間はインターン先の企業と共に調査先を転々として活動しました。
福永:日本の技術が世界でどれほど通用するのか、評価されるのかすごく気になります!
中本:普通雨樋といえばプラスチック製のものがほとんどなのですが、井上商事の雨樋はアルミ製で、建物に取り付けた際に留め具が見えないようになっていて、正面から見るとシンプルかつデザイン性に優れているのが特徴です。

井上商事の社長と現地の設計士
福永:ドイツで井上商事の雨樋の評価は高かったのでしょうか?
中本:評価は高いと思いきや、そもそも日本と海外では価値観が全然違うように、日本ではデザイン性が優れているから雨樋を表に出してもおしゃれに見えるよねと考えられていても、ドイツではできるだけ排水溝は汚いものだから見えないようにするか、建築の中に隠してしまうべきだと考えられているんです。
あとは、「レンガ造りのお家が多い中アルミ製の雨樋を設置したらデザインが崩れるじゃん!」との声もあれば「樋(とい)を見せるという方法もあるんだね!」という驚きの声もありました。
福永:現地で調査してリアルな声を聞くことで初めてわかることってたくさんありますよね。
中本:そうなんですよね、元々展示会では雨樋の紹介をしていたけど、現地でリアルな声を聞いたのは初めてのことだったそうです。
1ヶ月の市場調査で出た結論として、日本の雨樋を良いと言ってくれる人もいる一方、ドイツをはじめとしたヨーロッパの国々では昔ながらの建物を再利用して暮らしているので、井上商事のアルミ製の雨樋のように新しいものを海外で展開していく時にはモノの魅せ方を考えなければいけないということを学びました。

改築中のベルリン宮殿を見学している様子
人との繋がりが将来を大きく変える
中本:留学中の経験ももちろん大きな学びだったのですが、トビタテに参加したことでいろんな人と繋がることができたのもすごく刺激になりました。
「福井は住みやすいけど、県外の方が面白いよね」と思っていたけどトビタテの中で福井を発信することで、改めて鯖江が大好きだと感じることもできました。
トビタテとの出会いから「人との繋がりが将来を大きく変えるな」と考えるようになりましたね。そこからきっかけづくりに携わっていきたいという想いが芽生え、株式会社akeruでのインターンシップコーディネートの仕事につながりました。

株式会社akeruのメンバー
福永:留学の経験とトビタテとの出会いが中本さんのキャリア選択に影響を与えたんですね!インターンシップコーディネートについて詳しくお聞きしたいです。
中本:インターンシップを通して高専生の進路選択のきっかけを作っていきたいと考えています。
高専ってレールが決まっていて、建築を勉強していたら土木系建築家に進むみたいに、先輩が歩んだ道をゆくという風潮があるんですね。私はその進路選択の仕方に違和感を感じて…akeruのインターンシップでは、高専で学んだものづくりの知識やノウハウを実践できるような内容になっています。基本的には地元の企業が持っている課題を学生視点で発掘して提案、実践するというのがインターンシップの内容です。
例えばメガネのメッキ・塗装をしている工場の中でIoTを用いて作業効率を良くするためのシステムを提案するなど、学生が企業の中に入り込むことでより深く企業を理解することができます。
福永:IoT…!!めちゃくちゃ高度な内容ですね!(笑)高校生のうちに社会を知ることができる、しかも自分たちが学んでいることを実際にアウトプットすることができる場があるのはいいですね。大学生向けのインターンシップもありますか?
中本:一般の大学生向けだと、工学系もしくは、建築系の学生を対象に、コストを抑えつつ日本語学校の事務所を新しく作り直すという半年間のDIYプロジェクトに取り組んでもらうような内容のものがあります。
福永:学生のうちって実際に現場を実際に見る機会が中々ないので、学生のうちに現場に出て手を動かしてやってみるというのは大きな学びになりますね! 中本さん自身、これからどのようなことにチャレンジしていく予定なのでしょうか?
中本:私は、福井の人たち(主に学生)に外の世界には様々な考え方や生き方をしている人がいることを伝えることにチャレンジしたいです。
これは、トビタテ生と関わってきて気付いたことです。
私は、様々な人と出会う中で、自分の選択肢を増やして欲しい。そして、自分らしくいれる場所を見つけていってほしいと思っています。
そのために、私は福井の人が世界で活躍するトビタテ生と出会うきっかけをつくっていきます。
その中で福井を好きになる人が増えたり、福井から世界に飛び立つ人がでてきたらいいなと思っています。
福永:福井から世界に飛び立つ人、ぜひ増やしましょう!最後に中本さんが愛してやまない鯖江の魅力を教えてください!
中本:鯖江市の魅力はいろいろあるのですが、やっぱり一番は人が寛容ということですね。鯖江で一番上に立っている市長がすごく寛容な方で、市民のあげた声を応援しますという体制があってその一環で鯖江市JK課が生まれました。
「誰でもウェルカム」「新しいことでも受け入れます」と、新しいことを常に取り入れていく姿勢は鯖江ならではなのでは、と思っています。
福永:中本さんの鯖江愛、しかと受け取りました…!これからの中本さんの活動が楽しみです。本日はありがとうございました。
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