第158回とまりぎインタビュー:伊藤百花さん【南アフリカの子どもたちと繋がる紙飛行機】
2021.05.27
みなさん、こんにちは。高校3期で事務局インターンの積千夏です。高校4期生で南アフリカに留学していた伊藤百花さんの記事です。
目次
トビタテ!留学JAPANでの留学
伊藤百花さん
高校4期
国際ボランティア
いっそのこと行くなら
積)留学のきっかけはなんでしたか?
伊藤)小学生の時から国際協力に興味があって、ずっと海外には行きたかったけど、行くなら大学生かなと思っていました。そんな時に母から「トビタテという制度があるよ」って聞いて申し込みこみました。
積)お母さんからの勧めだったんですね!初めて聞いたパターンです!
伊藤)国際ボランティアコースに申し込もうと思っていて、母が「いっそのこと行くなら、遠いところまで行ってみたら?」って言ってくれたので、遠いアフリカの中から国を探しました。その中で興味を持ったのが南アフリカだったんです。
積)すごくいいお母さん!優しい…。
伊藤)母親が「行ってき〜」みたいな感じだったので、むしろ私が本当に行けるのかなという感じでした。トビタテに申し込んだ時に、書類の締め切り直前まで申し込むか迷っていましたが担任の先生に「結局、受けるのか、受けへんのか?」と言われて「やっぱり受けてみよう!」と決めて申し込みました。
積)そうだったんですね!現地ではどんな活動をしていましたか?
伊藤)教育ボランティアで、28日間滞在していました。THE都会という感じの東京や大阪のように高いビルが立ち並んでいるところにポツンと、貧困地域やスラムが点在しているタウンシップ(旧黒人移住区)があり、その中にある幼稚園と孤児院でボランティアしていました。
一番初めの活動先のケアセンター 子どもたちに折り紙を教えている様子
紙飛行機
積)どんな活動がメインだったのですか?
伊藤)幼稚園では、お昼ご飯の配膳、手洗いの指導をしました。孤児院では、マネージャーから与えられたテーマに沿って学習型ゲームの企画をして実施していました。アンバサダー活動では折り紙を紹介しました。
積)折り紙は結構喜ばれましたか?
伊藤)みんな喜んでくれました!孤児院では、小さい子が多かったので、みんなで輪になって紙飛行機を作って飛ばして、誰が一番飛ばせたかというゲームをしました。
積)盛り上がりそうなゲームですね!折るだけじゃなくて遊べるのがすごく良い!何か大変だったことはありましたか?
伊藤)留学行く前、実際は英語が話せなくてもジェスチャーとかでなんとか大丈夫だろうっていう気持ちで行ったんですけど、実際に行ったら英語が聞き取れない。スーパーバイザーの方が今日はどんなことをするのか、どういう場所なのか説明してくれた時も、まず理解できませんでした。話すスピードが速かったり、訛りもあって日本で聞いている英語とは違って聞き取れないから行動できない。どうしていいのかわからないことが多かったです。
積)確かに訛りのある英語は日本では聞かないですし、慣れていないと聞き取るのは難しいですよね。
伊藤)参加したプログラムには海外の方もいて、休日の観光の時は、仲のいいグループ同士で固まって行動していたんですけど、仲のいい友達ができなくて一人ぼっちになってしまうことも多かったので、それは辛かったです。
積)最後には、仲良くなることはできましたか?
伊藤)すごく仲良くなった、とは言えませんが、2週目くらいから、とにかく頑張って言い換えの表現を探したり、コミュニケーションを取ろうとしました。そういうこともあって、みんなが協力してくれて、折り紙を教えるのも成功したんだと思います。
積)大変だったけど、そこで諦めずに方法を探して成功したんですね!
伊藤)言葉ですごく苦戦していたのですが、子ども達と遊ぶ時って、そんなに言葉はいらないんですよ。だから、子ども達と一緒にいる時はすごく楽しかったですし、子ども達とも仲良く慣れたので、折り紙の活動は一番印象に残っています。日本から1000枚は折り紙を持っていきました。簡単なものから難しい折り方まで載せた本も3冊くらい作って持って行ったので、寄付しました。
積)折り紙たくさん持って行ったんですね!やっぱり小さい子どもだとずっと座っているよりは動いた方が楽しいのかなと思いました。手作りの本を持っていくのは良いアイデアですね!
伊藤)スキルも何もないけど、何かできたら良いなと思って、自分なりにできる方法をひねり出しました!
子どもたちに、紙飛行機の折り方を教えた後に、みんなで飛距離を競う遊びをしている様子
ボランティア先が放火されて
積)留学を通して今に繋がっているなと思うことや活かされているなと思うことはありますか?
伊藤)二週目の時に、ボランティアしていた幼稚園の一部が放火されてしまったんです。赤ちゃんたちが使う部屋が、別棟にあったのですが、そこが放火されてしまいました。それからはタウンシップの中を歩く時は警護の人が付いたり、状況が変わりました。その幼稚園は私が活動していた7月から3月まで閉園になって、担当する幼稚園が変わりました。自分たちが、当たり前のように学校に通って、安心して学べることがすごく尊いことで当たり前じゃないということを感じました。
積)そんなことがあったんですね。怪我人はありませんでしたか?
伊藤)土曜日の深夜で、先生や子ども達が誰もいない状況だったので、直接的に人には被害はありませんでしたが、放火されてしまったのでショックでした。
積)それは、とてもショック…。そこの幼稚園の子ども達とはお別れになってしまったのですか?
伊藤)そうです。会えなくなったので悲しかったです。
積)これからの目標はありますか?
伊藤)貧困とか教育格差の問題に興味があります。高校生の時は海外でそういう問題を解決したいなと思っていましたが、日本の中でも子どもの貧困はすごく大きな問題になっているので、今はどこで何をしたいということは、はっきり決まっていませんが、海外だけではなく日本の中の問題にも目を向けていきたいなと思いました。留学を通して、社会の問題は、色々な要素が絡み合って起きていることにも気付いたので、幅広い視野と専門知識を身に付けたいなと思い、今は大学で勉強をしています。
トビタテを受ける時とか、高校でも辛い時があったのですが、その時に支えてくれた高校の先生がいて、辛い時に手を差し伸べてくれる人、自分を信じて応援してくれる人って本当に尊い大切な存在だなと身をもって感じたので、海外とか日本にこだわらす、誰かが困っていたり辛い時に手を差し伸べることができるようになりたいなと思っています。
編集後記
折り紙をおるだけで終わりではなく、折って遊べる紙飛行機のアイデアがとても素敵です!私もいつか日本文化を紹介する時にできたらいいなと思いました。これからの活動も応援しています!
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