第161回とまりぎインタビュー記事:佐藤天音さん【ゴスペルとピクルス留学】
2021.06.07
みなさん、こんにちは!トビタテ高校3期で事務局インターンの積千夏です。今回は高校3年生でニューヨークに留学していた佐藤天音さんの記事です。
目次
トビタテ!留学JAPANでの留学
佐藤天音さん
高校5期
アカデミックショート
受験期に留学
積)高校3年生の受験期に、なぜ留学を決めたのですか?
佐藤)1、2年生の時は部活が忙しくて留学を考えられませんでした。いつか留学したいなと思っていた時に、学校でトビタテのポスターを見つけて、今しかない!って直感で応募しました。まさか本当に受かるとは思ってませんでした。
積)そうだったんですね。どうしてニューヨークを選んだのですか?
佐藤)私は小学生の時から合唱部に所属していて、歌うことが大好きです。でも、日本の合唱のスタイルはあまり好きじゃないんですよね。規律を大事にするというか、みんなで同じ方向を向いてバシッと歌う…みたいな。私は歌う時に体全体を使って楽しみたいし、縛られたくないなって思ったんです。そんな時にニューヨーク、ゴスペル発祥でアフリカ黒人奴隷のソウルミュージックと呼ばれているゴスペルが自分の中にピタッとハマりました。体全身で自由に歌っている姿を見て「ゴスペルしてみたい!」ってずっと思ってましたね。
積)自分にぴったりだと感じたんですね。
佐藤)私の出身は宮崎県なんですが、すごく田舎なんです。ゴスペルやりたいと思い続けていたけど教室はないし、チャレンジする機会がなくて憧れで止まっていました。だからトビタテで留学して、ゴスペルがしたいと思ってニューヨークに決めました。
積)ゴスペルに参加するためにニューヨークを選んだんですね。
佐藤)そうですね。私は食べることも好きで、ずっと食関係の仕事に就きたいと思っていました。当時は栄養士を目指していたので、栄養のことも学びたいとも思っていたんです。日本の漬物が好きだったので、アメリカの漬物って何だろうと考えた時に、ピクルスが思いつきました。そのピクルスについて調査してアメリカ人の健康にどのくらい関わっているのか調査してみようと思い、ゴスペルとピクルスというテーマで留学しました。
「ARC(addict rehabilitation center 薬物中毒更生施設)の方々の魂の叫び、ゴスペルにはとても感動しました」
積)ゴスペルとピクルス、面白いテーマですね。初めて聞きました。現地ではどんな活動をしていましたか?
佐藤)ゴスペルに参加するため、教会にアポを取って行こうと思っていましたが、滞在中に発砲事件が起きてしまったので、ツアーに参加しました。また、ニューヨークのブロードウェイのキャストの方からボイストレーニングを受けました。
積)すごく本格的ですね!
佐藤)ただ歌が好きなだけなんです〜!ピクルスの調査では、ピクルスは好きか、週にどのくらいピクルスを食べるか、ピクルスと健康を結びつけたアンケートを作成して、100人の方に聞く予定でしたが、英語力が足りなくて30人しか聞くことができませんでした。
積)いやいや30人ってすごい、たくさんに方にインタビューしていると思います!
佐藤)なんとかお願いして聞きました。アメリカのスーパーに行って色々な種類のピクルスの食べ比べもしましたね。
積)色々な活動をされていたんですね!
佐藤)1ヶ月で詰め込みましたね。全部中途半端に終わってしまったかなという後悔はあります。
積)全然そんなことないと思います!ピクルスのアンケートはどのように調査していたんですか?
佐藤)語学学校に通っていたので、その語学学校の中で聞いて回ったり、セントラルパークなどの公園でアンケートを実施していました。
積)語学学校外でもアンケート調査をしていたんですね。すごい。ゴスペルやボイストレーニングではどんな活動をしていたんですか?
佐藤)ボイストレーニングでは1週間に2、3回で合計10回のレッスンを受けました。レッスン中に飛び交うのはもちろん英語、課題曲も英語と頭がパンクしそうでした。初対面で、しかもプロの方の前でいきなり1人で歌わされるというのは高校3年生だった私にとってすごく大変でした。講師の先生方のパッションに圧倒されましたね。特に芸術や音楽を勉強されている方はすごく熱かったです。
積)1人でいきなり歌わされるのはきついかもしれない。
佐藤)素人がここに来てよかったのかな、という雰囲気でした(笑)
スーパーで色んな大きさ・味・種類のピクルスを吟味している時の一枚
タイムズスクエアでフリーハグ
積)心に残っていることはありますか?
佐藤)タイムズスクエアでフリーハグをしたことです。英語がとても苦手でボディランゲージで生きていた感じだったので、フリーハグで意思疎通が図れた瞬間は泣きそうになりましたね。
積)どうしてフリーハグをしようと思ったのですか?
佐藤)日本にいた時からずっとフリーハグをしてみたいなと思っていました。小さい頃から私の親が、悲しいことがあった時や落ち込んでいる時にハグをしてくれて、親からハグには特別な力があると教わってきました。私もそれを信じていて、アメリカでの生活で少しでも現地の人と交流できたらなと思ってやってみました。言葉を交わさなくても、自然とお互いが笑顔になるんです!
積)確かに言葉が要らないコミュニケーションですね。すごくいい案で私もやって見たいと思いました。留学を通して今に繋がっているなと思うことはありますか?
佐藤)私は現在北海道の大学に通っているのですが、初めてのところでも物怖じしなくなったと思います。留学後に北海道の大学に進学を決めました。北海道を訪れたことも無く知り合いもいないし、私にとって外国のような存在だったので、よく来ちゃったなと自分でも思うんですけど(笑)初対面の人と意見を交わしたり、自分の考えを述べることがすごく楽になりましたね。
積)アメリカに比べたらそうですよね!
食で人を笑顔にする
佐藤)留学していなかったら、親も北海道の大学に進学することを反対していたと思います。もう日本ならどこでも行っていいよって言われました(笑)留学したことで進路も変わりました。栄養士を目指していたのですが、今は農学部で勉強をしています。留学中にボランティアでホームレスの方に炊き出しをするボランティアに参加しました。その時に「食べ物で困っている人達を幸せにしたい」って思ったんです。そのためには、世界の飢餓に目を向けて、農業で世界の食全体を学ぶことで協力できないかな、と思うようになりました。
積)ボランティアをしたことで、変わったんですね!
佐藤)初めての留学だったのでホームシックとか語学の壁に当たって、食べることが大好きな自分でも、食べられなかったんです。お腹が空かなくて、食べても味がしませんでした。追い詰められていたんだと思います。留学前に「天音は食べることが好きだから、アメリカのジャンクフードを食べて太って帰ってくるんだろう」って家族や友人に言われていたんですけど、全然食べられなくて、いかに日本食が美味しかったのかも感じました。でも、ボランティアに参加した時にホームレスの方が美味しく食べているのを見た時に、私も食べられるようになったんです。「食で人を笑顔にする」が自分のキーワードだなって思いました。
積)食で人を笑顔にするということ、身を以て体験されたんですね。これからの目標はありますか?
佐藤)在学中に、JICAで南米やアフリカに行って農村地域のボランティアに参加したいなと思っています。留学もしたいですね。もっと自分が英語を話せたら、もっと色々な経験ができたなと思うので、ニューヨークにリベンジするつもりです。
編集後記
ゴスペルとピクルス留学!お話を聞く前からどんな留学なんだろうとワクワクしていました。天音さんのキーワード「食で人を笑顔にする」これからの活動を応援しています。インタビューありがとうございました。
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