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第120回:ユニークな国留学特集~あなたは何しに○○へ?~第2弾松元一織さん【海外に将棋を広める活動】

4期かほ

4期かほ

2021.01.12

大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木です!

ユニークな国留学!という特集

地図ではみたことあるけど。。。。

名前は聞いたことがあるけど。。。。

実は全然どんな国か知らない!!といったようなユニークな国に留学をしたトビタテ生にスポットライトを当てて、その国の魅力や、トビタテ生の活躍をご紹介しています!

そんな特集の第二弾!今回のユニークな国は。。。。。

「チェコ」です!!

中央ヨーロッパに位置するこの国がどんな国かは皆さんご存知ですか?

チェコは、私が留学していたロシアと同じく、スラヴ系言語を話す人が多い国です。

今回は大学8期でチェコに留学していた松元一織さんにインタビューしてみました!

 

トビタテ!留学JAPANでの留学

松元一織さん

大学8期 多様性人材コース

 世界に将棋を伝える活動

海外に将棋を伝えたい!

鈴木)チェコで将棋を広めようと思ったきっかけを教えてください!

松元)私は高校生の頃から、将棋普及活動を行ってきました。宮崎の地元で一番大きな学生将棋大会を開いた時に、メディアから取材を受けたこともあります。世界大会を開くなど、将棋の魅力を海外にも発信したいと思っていたのはその頃からです。

将棋の駒には漢字が書かれています。漢字など、日本独特なものを海外向けに発信する際には「どうやって教えるのか」「どうアプローチするべきか」という壁があります。相手が日本人でも、考え方や宗教観の違いがあれば、教え方やアプローチの方法が異なります。海外の人に伝えるのであれば尚更です。

幼稚園生など、漢字が読めない人でも将棋の駒の動き方が理解できるように書かれた「公文くもんNEWスタディ将棋」という種類の将棋があるのですが、チェコでそのような駒を作っている人がいるということを耳にしました。滞在先としてチェコを選択したのは、動き方が書いてある将棋駒を作る人がいるチェコでは、将棋に対する需要があると予想したからです。将棋はヨーロッパ全体で少しづつ広まっていて、チェコの隣国ポーランドからは、史上初の外国人女流棋士も誕生しています。 

鈴木)チェコや周辺諸国は意外にも将棋と縁があるんですね!

 

写真①

チェコ共和国で開催した、チェコで1番大きな将棋大会「SESHIN Shogi tournament」です。参加者の中に日本旅行をプレゼントする企画も行っています。多くの方に、本場の将棋に触れてもらいたいため、賞品として、最高峰の木材である榧の木でできた将棋盤や天童の将棋駒などを準備しています。

チェコで1番大きな将棋大会「SESHIN Shogi tournament」

写真②

チェコ共和国で開発し、商品化されている将棋駒です。漢字が分からないお子さんや海外の方でも将棋が楽しめるよう、駒の動きと漢字が同時にリンクするようデザインされています。駒の形も実際の将棋駒と同じサイズなため、通常の将棋駒にスムーズに移行することも可能です。

チェコ共和国で開発し、商品化されている将棋駒

初めて海外に行く人にもおすすめの国

鈴木)松元さんから見たチェコはどのような国でしたか?

松元)意外と日本と似ているところがあると思いました。私にとってチェコは初めての海外でした。実は私、英語が話せないんです。トビタテの事前研修中に同じグループの人から心配されて単語帳を貰ったほどです。活動中は、ジェスチャーを交えながら英語で意思疎通を図っていました。

そもそも、チェコ渡航を志すまでは、外国に行くことを念頭に置いていませんでした。海外といえばアメリカ、ご飯も多くてフレンドリーというイメージしかありませんでした。ところが、チェコに来てみるとシャイな方も少なくない上に、食事もジャンクでなくおしゃれで、口に合う物が多かったです。初めて海外に行く人にもおすすめできると思いました。ちなみに、チェコの隣のドイツにも行ったことがあるのですが、そちらは「ザ・海外!」というイメージに当てはまりました()

鈴木)奇遇ですね!私にとってもチェコは初海外の国です() 私はチェコと同じくスラヴ系の人が多いロシアで留学していましたが、意外と空気を読んでくれますよね。私もチェコ人の声が小さくて驚きました。

将棋を広めるための人脈づくり

 鈴木)チェコではどのような活動をされていましたか?

松元)中心となった活動は、海外での将棋大会の開催交渉でした。交渉開催準備を通じて、日本人と外国の人との話し方の切り口の違い、人の接し方の違いを学びました。

地元の学校に行って将棋を教えたり、毎週火曜日に定例会議で将棋が好きな人を集めて将棋クラブを行ったりすることもありました。

また、フランスやドイツからベラルーシまで、ヨーロッパ全土の様々な国の人と会って、将棋に関して現状把握したり問題を話し合ったり、将棋の魅力を発見したり、普及の切り口を見つけたりしました。各国の「軸」となる人を見つけて仲良くなることで、将棋について発信しやすくなりました。

 鈴木)帰国後はどのような活動をされているのですか?

松元)帰国後も継続して将棋大会を開催するために、留学後も自費でヨーロッパに渡航しました。大会は徐々に大規模になりつつあります。最近ではオンライン大会も開催して、日本人も参加できるようにしました。日本でも二つ大会を開催しています。

新型コロナウイルスの影響でイベントが開催できなくなったので、現在ではSNSyoutubeで発信し、将棋の魅力を普及する人を増やす取り組みを行っています。

例えば、現在日本一周をしているのですが、全国47都道府県の将棋道場を回って将棋の魅力を写真や動画を通して発信しています。写真や動画は言葉が分からなくても関心を抱いてもらいやすいですしね。また、全国の将棋関係者の方と会って話すことで、将棋への捉え方やどのように普及するべきか、ヒントをもらうことができます。

新型コロナウイルスが収まったら、大会をまた開きたいです。実は、次のヨーロッパ大会の景品賞品をすでに現地へ送っています。今は、次のステップに進むための準備期間として考えています。

鈴木)コロナで活動が制限されても、できるところから動いているんですね。

写真③

チェコにあるブルノという都市で将棋を楽しんでいるメンバーです。ブルノで将棋を楽しんでいる方がいるという情報をチェコに着いてすぐに聞き、会いに行きました。彼らとは今でも親交があり、留学後も会っています。

チェコ、ブルノ、将棋を楽しんでいるメンバー

 将棋の魅力を伝え続けたい

鈴木)留学の経験が活きているのはどんなことですか?

松元)将棋の魅力を発信する上で「こうしたら絶対に広まる」という答えのようなものは存在しないと学んだことです。一人ひとりにしっかりと伝わる魅力の発信方法を探っていく事が重要です。見知らぬ国に行くことでそれが分かりました。

また、とりあえず行動する事も大切ですね。今も、考えるだけでなく、ちょっと考えたらすぐに行動することを実践しています。

鈴木)活動の経験を活かした将来の目標はありますか?

松元)大学卒業後は、就職せずに海外で普及活動を続けたいと思っています。

チェコにいる間は、チェコで一番大きな大会を開くのがやっとでした。卒業後は、他の活動も充実させていきたいです。海外では、チェスのプレイヤー数を越える将棋人口の創出を目標に、将棋を知らない人に将棋を知る場を提供したいと考えています。

私は、言葉が分からない国で、右も左も分からない状態から活動を開始し、人脈を作り、将棋大会を開催することに成功しました。チェコで学んだことは、今後確実に活きてくると思います。

編集後記

言葉が分からなくても、特技を活かしながら積極的に現地でコミュニケーションを取ろうとする松元さんのたくましさを感じました。

チェコでの経験を活かしながら頑張る松元さんを応援しています!!

今後もトビタテ生のユニークな国への留学を特集としてまとめていくので皆さん楽しみにしていていください!

 

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