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第132回:ユニークな国留学特集~あなたは何しに○○へ?~第7弾藤井萌さん【チェコの出版文化を学ぶ】

4期かほ

4期かほ

2021.03.03

みなさんこんにちは!

大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木です!

ユニークな国留学!という特集で

 

地図ではみたことあるけど。。。。

 

名前は聞いたことがあるけど。。。。

 

実は全然どんな国か知らない!!といったようなユニークな国に留学をしたトビタテ生にスポットライトを当てて、その国の魅力や、トビタテ生の活躍をご紹介しています!

 

そんな特集の第七弾!今回のユニークな国は。。。。。

 

「チェコ」です!!チェコは2回目の紹介になります!

 

この国がどんな国かは皆さんご存知ですか?

 

チェコは中央ヨーロッパにある国で、ドヴォルザークやスメタナといった有名な作曲家や、小説『変身』でおなじみの作家フランツ・カフカの出身地として知られています。

 

今回はそんなに留学した大学6期の藤井さんにインタビューしてみました!

トビタテ!留学JAPANでの留学

藤井萌(ふじいめばえ)さん

大学6期新興国コース

留学テーマ:チェコの出版文化を学ぶ留学

 読書文化が根付いた国

鈴木)藤井さんがチェコで出版文化について学ぶために留学をしようと思ったきっかけを教えてください!

藤井)もともとチェコの絵本やアニメの文化に惹かれていて、2016年に一度現地で短期留学をしたのですが、町中で古本屋やブックカフェを見かけることも多く、チェコでは読書文化が根付いていると感じました。友人からプレゼントとして装丁の綺麗な古本をもらったこともあります!紙媒体での読書不足が叫ばれている日本から来た私にとってはチェコの様子がとても新鮮で。それ以来、チェコ語の学習と並行して現地の出版文化をもっと学びたいと思うようになり、自然と長期留学が視野に入ってきました。

鈴木)そういえば、私も留学中ロシア人の先生から本をもらったことがあります。あの辺りには人に本を贈るような文化があるんですかね?

藤井)特に古本を渡すのは日本では珍しいですよね。本に対する価値の捉え方が違うんじゃないかと思います。チェコでは若い人に本に対する興味を持たせるようなプロモーションも盛んに行われていますし、新しい本を出版するのはもちろん、古い本を次の世代に引き継いでいくのもとても素敵な文化だなと思いました。

 

日本との共通点もあり似ていて暮らしやすい

鈴木)私は大学でチェコ語とよく似たロシア語を専攻し、チェコ語の授業も受けた事があるのでチェコには思い入れがあります。藤井さんから見たチェコはどのような国でしたか?

藤井)私の出身は北海道なんですが、チェコは北海道と気候が似ていて暮らしやすいと思いました!また、国民性に関しても、チェコ人と日本人は似ているところがあるように感じるので、そうした理由からも住んでて居心地が良かったです。ちょっと遠慮がちなところとか…。

鈴木)実は私もチェコに行ったことがあるのですが、チェコ語よりも観光客のロシア人の声の方がよく聞こえてきました。

藤井)確かにプラハ中心部などは同じヨーロッパから訪れる観光客も多く、チェコ語よりも英語やスペイン語などがよく聞こえますね。

写真①

チェコといえば!の赤屋根、そしてプラハ中心を流れるヴルタヴァ(モルダウ)川の風景です。写真左手に見えるのは、ヴルタヴァ川にかかる大きな「カレル橋」。天気の良い日は、観光客でいっぱいになります。

プラハの写真

本と人との関わり方が自由

鈴木)留学ではどのようなことを学んだのですか?

藤井)最初の半年は語学学校に所属し、残りの半年は大学の学部で勉強しました。

同時にフィールドワークとして図書館や書店、ブックフェスティバルを訪問したり、出版社の方にお話を伺ったり、また帰国直前には小型のZINEを自費出版しました。日本の本が均一なデザインの物が多いのに対して、チェコには様々な本があります。

ZINEとは…自費出版した雑誌のこと

写真②

留学中に作成したZINE「kakehaši (カケハシ)」はチェコ国内の大使館、大学、書店、カフェなどなど合わせて11カ所に配布しました。写真は配布先のひとつ、 オロモウツの「Crosscafe」にて。

留学中に作成したZINE「kakehaši (カケハシ)」の写真

鈴木)どんな本がありましたか?

藤井)本当に小さい手のひらサイズの豆本や巻物みたいな本など、いろんなサイズ、綴じ方の本があるんです。

鈴木)巻物みたいな本!見てみたいです!

藤井)留学中に参加したブックフェスティバルでは様々な本の展示・販売が行われていたほか、出版者・作家・イラストレーターといった本に関わるさまざまな立場の人がお客さん(読者)と直接交流していてとても新鮮でした。読書の形、本と人との関わり方が自由だということが、チェコで出版文化が発展している理由の一つだと思います。

鈴木)私もチェコに行って、芸術の国というのを感じました。

藤井)文化の交差点ですし、独自の切り口からそうした物が生まれたのかもしれません。街中でも芸術が身近です。いくつかの電車の駅には本棚があって、その本を電車の中で読んで他の駅で返却することもできます。

鈴木)とても自由ですね!

 帰国後もチェコに関わり続ける

鈴木)帰国後はどのような活動をされているのですか?

藤井)帰国後、大学4年生の1年間は日本で過ごし、卒業論文の執筆と同時にチェコ大使館内の文化センター「チェコセンター東京」で勤務していました。チェコセンターはチェコ外務省の外郭団体で、日本でチェコ文化を広めるための様々なイベントを主催しています。チェコの老舗出版社の70周年記念イベントをお手伝いしたりととても貴重な経験をさせて頂きました。

今年の秋からはチェコに戻り、カレル大学の大学院でチェコ語やチェコ文学を中心に学んでいます。出版文化に関連して書物史の勉強も始めました。また、渡航前に立ち上げたウェブサイトではチェコ留学の関連情報を更新しています。

鈴木)チェコ留学は珍しいですしね。

藤井)自力で一からチェコ留学を計画しようとすると情報がなく、大変なんです…私がチェコセンターで働いていた時も質問してきた人に対応しきれず、心苦しくて、何とかしたいと思って始めました。将来的にはウェブサイトを通じて翻訳やエージェント業務も行いたいです。

 語学力だけでなく、忍耐力や人脈が助けてくれている

鈴木)留学の経験が活きていると感じるのはどのような場面ですか?

藤井)まずはやっぱりチェコ語の能力が伸びたと思った時です。「郷に入れば郷に従え」とよく言われるように、現地に根付いている文化を知るためにはその国の言葉で学び、考えることが必須だと思います。本にまつわる文化は特に言語の歴史とも深く関わっているので、英語だけでは分からないことも多く、チェコ語がわかるようになってきて初めてたどり着ける事柄が多いです。また、チェコ語力が上がったことで行動範囲が広がり、出版社の方とも円滑にコミュニケーションが取れるようになりました。

あとは自分で一から計画を立てて留学したことで様々な人脈もできましたし、地道に問題解決していく忍耐力がついて、それがこのコロナ禍を乗り切るのを助けてくれているように感じます。世界的な感染拡大が収まらないなか海外に進学するのは不安が大きく、気持ちが折れかけたこともありましたが、そんななかでトビタテ!での留学経験や当時からの友人・先輩方の存在はとても心強く、励みになりました。

写真③

留学中はとにかく自分を自由にしてあげる気持ちで、ボランティア、ワークショップなど、気になることには何でも積極的にチャレンジしていました。鳥好きが高じて野生動物の保護施設でインターンしていた時期も。

 

野生動物の保護施設でインターンしていた時の写真

 何かをつくり出す仕事がしたい

鈴木)留学の経験を活かした上での将来の目標は何ですか?

藤井)まだはっきりとは決まっていませんが、まずはチェコの出版文化について大学院でさらに研究を深めて、無事に卒業することが今の目標です。あとは留学中のZINE作りや製本のワークショップがとても楽しく、今でも心に残っているので、どんな形であれ何かをつくり出す・発信する仕事ができたらいいなと思っています。

藤井さん

ウェブサイト: https://kaprvevane.com

Instagram: @_kaprvevane_

 

編集後記

巻物のような本は気になりました。

紙の本を重宝しているところは、文化、歴史、言語的なつながりのあるロシアと通じる物があると感じて興味深かったです。

今後も藤井さんの活動を応援いたします!

 

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