第134回:ユニークな国留学特集~あなたは何しに○○へ?~第8弾 野崎涼さん【教育分野から貧困改善】
2021.03.23
みなさんこんにちは!
大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木です!
ユニークな国留学!という特集で
地図ではみたことあるけど。。。。
名前は聞いたことがあるけど。。。。
実は全然どんな国か知らない!!といったようなユニークな国に留学をしたトビタテ生にスポットライトを当てて、その国の魅力や、トビタテ生の活躍をご紹介していきたいと思います!
そんな特集の第 八弾!今回のユニークな国は。。。。。
「スウェーデン」です!!
今回はそんなに留学した大学5期の野崎さんにインタビューしてみました!
目次
トビタテ!留学JAPANでの留学
野崎涼(のざきすず)さん
大学5期多様性人材コース
留学テーマ:教育分野から貧困改善にアプローチする留学
国際機関の職員を目指して
鈴木)野崎さんがスウェーデンで教育や貧困について学ぶために留学をしようと思ったきっかけを教えてください!
野崎)教員である父の影響から「貧困」や「格差問題」、それらへの改善策の一つとして「教育分野」にも興味を持っており、「教育分野から社会的弱者に寄り添った支援を行いたい」と小学生の頃から考えていました。
また、それを実現できる環境として国際機関を知り、そこで働くことを小学生の頃から夢見ていました。そのため国連職員として教育分野から貧困改善にアプローチするという将来のゴールを見据え、福祉国家であり教育が進んでいるというイメージの強かったスウェーデンで、教育・福祉・人権について学ぼうと思ったのがきっかけです。
ちなみに、教育と福祉の両観点を学びたいと思ったきっかけは、「日本の教育は、教育と福祉の両方をになっている」という父の口癖があったからです。
スウェーデンも完璧ではない
鈴木)実際にスウェーデンに行かれて、どのような国だと思いましたか?
野崎)意外と教育に課題があるということも分かりました。地方自治体ごとの政策の違いによって、地域間での教育格差が生まれていました。福祉の面でいうと、国の制度が充実していても、市民権がないと保護の対象になりません。国の制度の隙間からこぼれ落ちた人たちは、今でも教会(プロテスタント)の力に助けてもらっています。
鈴木)国ではカバーしきれない部分もあるんですね。
①ところで、スウェーデンには、自然はみんなのものという考え方があり、森の中でブルーベリー狩りやバーベキューをするなど楽しみました。
大学のキャンパスには豊かな自然とお城がありました。
スウェーデンにいながら日本の教育問題も学ぶ
鈴木)留学ではどのようなことを学んだのですか?
野崎)大学では、スウェーデンの福祉や教育を学びました。他の学生と教育や福祉に関する議論を通じて、日本の問題について尋ねられることも多くスウェーデンに居ながら日本の課題について考える機会が多くありました。議論をしているうちに、日本国内の教育問題が深刻であることを実感し、日本の問題についても目を向けようと思うようになりました。
鈴木)野崎さんが考える日本の教育問題とは何ですか?
野崎)日本における子どもの貧困や移民に対する教育施策の乏しさについては、考えさせられました。ただ、障害がある生徒への支援については、日本、特に大阪は進んでいるんだと見直した点もありました。
②とあるスウェーデンの教室では、コミュニティに馴染めない、コミュニケーションが出来ないイライラから問題を起こしてしまうなど、教室は社会の縮図でした。
小中学校の移民・難民クラスでインターンをしていた時の写真
国連でのポストをゲット
鈴木)帰国後はどのような活動をされているのですか?
野崎)文部科学省で働くことを視野に国家公務員試験の勉強をしていました。その矢先、ゼミの先生から国際機関のポストに応募しないかとお声がけいただき、幼い頃からの夢でもあったので挑戦したところ、ポストをゲットすることができました。
鈴木)国連!それはすごいですね!
野崎)私は西アフリカのセネガル共和国という国にある国際機関で半年間働きました。国際機関で働くことは夢だったのですが、実際に働いてみるとモヤモヤすることもありました。
現在は、国連勤務中に物足りないと感じていた部分をカバーできるような、官民連携やパブリックへの支援を多く行っている今の会社で、経営コンサルタントの卵をしているわけなんです。
鈴木)公務員や国連職員からコンサルタント!面白い経歴ですね!
北欧には北欧の事情があるのでは?
鈴木)留学の経験が活きていると感じるのはどのような場面ですか?
野崎)仕事で課題に対する対策を提案する場面です。提案した後、実際に人に動いてもらうには納得のいく合理的な理由が必要です。スウェーデンでは、そのことについて考え学ぶきっかけが沢山ありました。例えば、スウェーデンで男女平等(ここでは女性が働いている割合の高さ)が進んだのは、度重なる世界大戦で労働力が不足し女性が働く必要があったという背景があります。
鈴木)私もロシアに行って、男女平等の実現って本当は大変なのでは?と思いました。ソ連時代以降に男女平等政策が行われているのですが、女性が働くようになった結果、男性が女性をあてにするようになって、女性が無理やり働かざるを得ず、負担になっているようにも感じました。
野崎)現地の日本人移住者にお話を伺ったとき、「スウェーデンでは専業主婦の立場がないから、日本の女性にとっては厳しい社会ですよ」とおっしゃっていました。スウェーデンでは「社会で働く」「社会で働かない」という選択、そこに良い意味でも悪い意味でも男女間格差がない。そういう意味では、専業主婦という選択肢が比較的女性の間で主流である日本は男女平等じゃないですよね。おそらく、女性の社会進出にしても男性の家庭進出にしても、進めていくうえで良い部分と苦い部分があるんでしょうね。
色々な視点を身に着けて現地人の立場になって考える
鈴木)留学の経験を活かした上での将来の目標は何ですか?
野崎)マスタリーフォーサービス(Mastery For Service)という言葉はご存知ですか?
大学の方針なのですが、社会に貢献するために自分を鍛えるというのが意訳になります。
高校や大学で留学できる環境に生まれたこと、そういった恵まれた環境で学んだことをしっかり社会に還元できる人になりたいと思っています。
ただ、まだまだスキルや学びは足りないので、幼い頃からの思い「教育分野から社会的弱者に寄り添った支援を行いたい」を実現するためにも、自己研鑽を続けていきたいと思っています。
後は、ボランティアやインターンなど様々な経験から得た様々な視点により、完璧ではありませんが、当事者の立場にたって考えることができるようになったことが私の強みだと思います。今後はその強みを活かした仕事ができたらと考えています。
③20歳の誕生日パーティの様子です。全く異なる文化の人を招いてパーティを行い、一気に言語・対話能力も向上したと思います。お寿司は受けるので、スウェーデンでは計13回作りました。
20歳の誕生日パーティ
編集後記
私が留学していたロシアでも、ソ連時代に男女平等政策が推し進められていたのですが、弊害もあり、それが現代ロシアの社会問題にも繋がっているということを思い出しました。現地にいたからこそ北欧の問題点についても学んだ野崎さんの視点は、今後日本が北欧を参考にするにあたって大切になると思います。
今後も野崎さんの活動を応援いたします!
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