第172回とまりぎインタビュー:黒沼玲亜さん【カナダで映画制作!】
2021.06.24
みなさん、こんにちは!トビタテ高校3期生の積千夏です。今回はバンクーバーに留学していた黒沼玲亜さんにお話を伺いました。
目次
トビタテ!留学JAPANでの留学
黒沼玲亜さん
高校3期
スポーツ・芸術
短編映画作成
積)留学したきっかけ、留学先の国を選んだ理由を教えてください。
黒沼)高校2年生の時に3週間、映画制作の勉強に行きました。今、漫画家と現代アーティストとして活動していて、当時「ストーリーを作る」という部分が自分の中の課題で、どうしたら勉強できるのか考えていた時に、エージェントに申し込んでトビタテに応募しました。
バンクーバーは映画の制作数が世界第2位で、バンクーバーを拠点に活動している映画監督もたくさんいるので、バンクーバーを選びました。
積)実は私も同じエージェントを使っていていました。私の場合は日本人ばかりでしたが…。現地では、どんな活動をしていましたか。
黒沼)わぁ!そうなんですね!一緒で嬉しいです!
7カ国計10名の生徒と3週間かけて、短編の映画を作りました。日本人が誰もいない環境での映画制作でした。午前中は語学学校に通って、午後から映画制作のスケジュールでした。午前中の語学学校は日本人ばかりで、なんだこの差は!と思っていました(笑)
積)専門用語とか難しそうなのに、映画制作の時は周りに日本人がいなかったんですね。映画制作では、どんなことをしていたのですか?
黒沼)基本的なカメラの使い方や、映像が作られる5段階の工程の内の1つであるお話を考えること、実際にお話を考えてどのシーンを取らなきゃいけないのか、それを本格的なマイクとカメラを使って撮影しました。その後の編集では音楽を入れたり、画面の色を変えて映像に向けた準備をしました。実際に映画監督として活躍されている先生に教わりながら、3週間で10分間くらいの友情ストーリーを作りました。
短編映画作成
積)それを3週間で仕上げるってハードスケジュール…。苦労したことはありますか?
黒沼)あはは!これが面白くてですね、申し込んだ留学プログラムに、英検2級以上の語学力が必要だと書かれていたので、留学前に英検準2級を受けましたが落ちて、その状態のまま留学したので英語がわかりませんでした。しかも話すスピードが早い。私はよくWhat’sとかWhyと言っていたみたいで、メキシコから来ていた友人に「あなたいつもWhat’sとかWhyが好きだよね」って皮肉にも言われました(笑)その友人とはいまでも連絡取り合うぐらい仲良くなりましたけどね!
積)話せないとそうなりますよね(笑)
黒沼)映画の選定の時に、自分の作ったストーリーをその映画にも活かしたいなと思っていたのですが、他の子のストーリが採用されてしまい、腹を括って「キャストやります。」と言ってキャストをやりました。英語が話せなかったのですが、身振り手振りでみんながサポートしてくれました。いやー、みんな優しかった(笑)
積)語学力があまりなくても、そこでキャストをやろうという決心と行動力がすごい。
黒沼)照れます。でもほんと必死でした(笑)
先生に「このカメラ使える人?」って聞れた時に、分かっていても、自分が「Yes」と言えなくて後ろでずっと見ているだけという状況が続いたんです。カメラはこうやって使うんだ、って他の学生が遊んでいる後ろで何もできず、突っ立っていたんです。事前研修で言われた「日本背負っているよ」っていうプレッシャーが頭に残り続けていて、このままでいいのかっていう自問自答ですよね。小さいものしか得られなかったら、トビタテに申し訳ないと思って、キャストをやりますって手を挙げました。
積)勇気と行動力がすごい!
黒沼)積さん褒めるのがうますぎます(笑)残り2日間の時に、みんな撮影し終えて、だらけていたので、先生が編集してくれていたんです。その時にカタコトで「その編集させてもらえませんか」と言って、編集を始めたらみんなも集まってきてくれて、2日間かかる編集を1日で終わらせることができました。小さいことだけど、アクションを起こし続けてきたことが報われた、周りを巻き込むことができた瞬間でした。この経験はすごく活かされていて、正解がわからなかったり先が見えないものに対しては足を突っ込んでいく度胸を学びましたね。
手前中央、黒沼さん
積)さらに積極的になれそう!留学での学びが今のお仕事にも繋がっていますね。
黒沼)今は集英社マーガレットにお世話になっていて、それと同時に個人事業主として独立して色々な企業のPR漫画やイラストレーションとか、ライブペインティングをさせていただいています。留学のおかげでストーリーをつくることや映画に関することの基礎の勉強もできましたが、それ以上に7カ国から学生が来ていたものですから、物事をスパッという子もいれば、あまり言わずに自分で黙々と考える子もいるし、仲間を巻き込んでやる子もいる。私は漫画家ですが、チームプレイが多くて、クライアントさんとのチームプレイ、アシスタントやマネージャーとのチームプレイだったり、まずは相手の内面を見ることが大事で、3週間ずっとバラエティに富んだ環境に浸っていた経験があるからこそ自分の事業も進んでいるんじゃないかなと思っていますね。
自分の作品を世界に
積)今後の目標はありますか。
黒沼)自分の作品を世界に届けていきたいです。物語を作ることを目的に留学しましたが、今後は絵画のアートな部分と漫画のエンターテイメントの部分を繋げる活動を実験していきたいなと思っています。個人事業主の場は実験場みたいな感じで、色々なことを試しつつ、最近流行っている鬼滅の刃のレベルに値するような100年という時が経っても残っていて人々に寄り添っていける作品を作っていきたいなと思います。
(世界4代美術館で個展できたらいいなとひそかに野望を燃やしてます)
トビタテ!のおかげで、2020年の11月の博報堂さんとトビタテ!のコラボイベントに、アーティストとしてライブペイントをさせてもらいました!
大手の会社さんとは本来なら色々なやりとりや壁を超えていく必要があるのですが、トビタテのおかげでアーティストとして素晴らしい機会を頂きました!
積)これからの活動も楽しみですね!
黒沼)もっと突っ込んでいかないと、と思いながらビビっている自分がいることも認識しつつ、あの時にキャストやりますと言ったことであったり、英検落ちても行くと決めたことだから留学した経験も活かしてもっと前に進んでいかないと、と思っています。大変なこともたくさんあるけれど、それを全部含めてストーリーになりますから(笑)
積)そこで満足せずに、どんどん進んでいく姿が素敵です!
黒沼)トビタテで色々な企業がお金を出して行かせてくれたのは、私、私たちに期待してくれているからだと思っていて、それを下の世代につないでいくことが次の世代を作っていくことだと実感しています。
もちろん個人事業主やマーガレットで自分の名を売っていくのも1つだけど、やがては業界的なアップデートをしていくことも必要だと思っています。自分が作り出したものを次の世代が真似をして、それがどんどん広がっていることによって、気がついたら業界が新しくなっているような、そういうものを作り出していきたいなと思っています。
届けていきますよ!
編集後記
漫画家と現代アーティストとして活躍されている黒沼さん。お話を聞いてとても感動しました。何事も諦めず、前に進む姿がとても素敵です。これからの活動も心の底から応援しています。
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