第137回:ユニークな国留学特集~あなたは何しに○○へ?~第11弾 茶園舞穂さん【絵本図書館をミャンマーに作る】
2021.04.05
みなさんこんにちは!
大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!
ユニークな国留学!という特集で
地図ではみたことあるけど。。。。
名前は聞いたことがあるけど。。。。
実は全然どんな国か知らない!!といったようなユニークな国に留学をしたトビタテ生にスポットライトを当てて、その国の魅力や、トビタテ生の活躍をご紹介しています!
そんな特集の第11弾!今回のユニークな国は。。。。。
「ミャンマー」です!!
ミャンマーは、2回目の紹介になります。
今回は、そんなミャンマーに留学した大学2期の茶園さんにインタビューしてみました!
目次
トビタテ!留学JAPANでの留学
茶園(ちゃぞの)(旧姓:日高ひだか)舞穂(まほ)さん
大学2期多様性人材コース
留学テーマ:絵本図書館をミャンマーに作る
日本と似ている国
鈴木)茶園さんはミャンマーに行かれたんですね!どのような国でしたか?
茶園)とても素敵な国です。ミャンマーの人達は優しくて、ちょっとしたことで朗らかに笑います。みんなお母さんみたいな感じです。タクシーでスマホを忘れても届けてくれますし、チップが多すぎると返されたこともあります。
日本と似ているところもありました。ご縁を大事にしたりとか、仏教の国ということもあっておだやかであるとか、寄付をしたりマナーを守ったり、あとは来世に備えて功徳を積むところとかですね。
それから、親日国だな、とも感じました。日本人と言うと歓迎してもらえることが多かったです。
鈴木)日本人としては、歓迎してくれる人が多いと嬉しいです!
ミャンマーの人達にも絵本の楽しさを
鈴木)茶園さんはミャンマーで図書館を作られたのですね!作ろうと思ったきっかけは何ですか?
茶園)大学1年生の時にNGO主催のワークキャンプ(合宿型のボランティア)に参加して、現地の子どもから教育事情について聞いて驚いたことがきっかけです。ミャンマーでは、日本以上に暗記中心の教育で、本を丸暗記してテストに臨まないといけないこともあるんです。
写真①僧院学校で日本語を面白おかしく教えたら、みんな「もっと教えて!」と笑顔でこたえてくれ、この国をもっと知りたいと思いました。国際協力って難しく考えてたけど、ただ「求められる喜び」で動くのもアリじゃない?と思いトビタテに応募しました。
初めてミャンマーに2週間訪れ、僧院学校で日本語を教えた時の様子です
鈴木)1冊丸暗記。。。そのような国があるんですね。
茶園)授業では個人の意見が求められません。本の内容を覚えられずに落第して、学習の楽しさを知らずに学校から離れてしまう子もいます。さらに、学校の教科書もわら半紙でできた白黒の本で、カラー写真や地図もなく、図書館にいたっては埃をかぶった学術書ばかり。。。子どもたちが”楽しく”学べる教材に触れる機会が少ないんです。
私は小学生のとき、自由時間に図書室に通っていました。
ミャンマーの子どもたちにも、教科書以外の学びを届けたい。自由な学びの場にもなる図書館を作りたいと思って、トビタテに応募しました。
学びの楽しさを知ってほしい
鈴木)現地ではどのようなことをされたのですか?
茶園)最初の半年は、大学1年生の時に参加したワークキャンプを運営していたNGOでスタッフとして半年インターンをしました。そのかたわら、子どもに本の楽しさを知ってもらおうとスーツケースに本をたくさん入れて移動図書館みたいな感じで読み聞かせをしました。
半年後のフィールドワークでは、図書館を建てるために協力者を募りました。でも、建物を造るだけでなく絵本や学びの楽しさを分かってもらえないと意味がないと思って、ミャンマー人の大学生の友達と学生団体を作りました。学生団体としては、孤児院や僧院学校に土日に訪問してお楽しみ会をしました。絵本をたくさん持って行って、小さいグループを作って本の読み聞かせをしました。
鈴木)楽しそうな光景が頭に浮かんできました!
茶園さん自身もミャンマー語を使って読み聞かせをされたのですか?
茶園)そうしていたこともあったのですが、私が頑張って話すミャンマー語は、外国人のミャンマー語ということもあり、子どもにとっては聞き取ることが難しかった様子だったのでことが難しかったので、ミャンマー人の大学生の友達に読み聞かせのコツを教えて、実際の読み聞かせはお願いしました。
他にも、寸劇をして、なんであの物語の主人公はこういうことをしたの?と聞いてディスカッションすることもありました。
ミャンマーには図工や音楽、体育の授業がありません。色紙を触ったことがない子もいました。そこで、絵の具や紙を渡して工作のレクリエーションをするなど、ミャンマーの教育にないクリエイティブなこともしました。この時、ミャンマー人の友達が色々案を出してくれました。友達も現地の教育への不満があり、せめて子ども達には勉強の楽しさを知ってほしいと思っていたんです。
鈴木)皆さんで工夫して、楽しくなるような企画を考えていたのですね!
写真②元々のテーマの図書館は、1か所だけ作って帰国しました。地方NGOを構える人が、オフィスの1階部分を図書室にして子どもに開放したいと相談してくれたのです。私は本の選定と一部の本を寄贈しました。
図書館の本の選定の様子
無力感を感じたからこそまた戻りたい
鈴木)帰国後はどのような活動をされているのですか?
茶園)一度帰国した後に追加で休学をし、もう一度ミャンマーに渡りました。もう一度休学しようと思ったのは、トビタテの期間の最後のほうで訪れた村での出来事がきっかけです。自分の故郷は貧しいけれど、素敵な村だから見てほしいとミャンマー人の友人が実家に招いてくれました。
友達の故郷は、土地がやせていて野菜も育たず、ご飯をご馳走してくれましたが、正直うまみはあまり感じられませんでした。貧しいってこういうことか、って思いました。加えてショックだったのは、子どもがいるところへ絵本を持って行っても「いらない」と言われたことです。いままでは本を持って行くと必ず喜んでもらえていたのに。。。その家の子たちは、貧しくて学校にいけなかったんです。最低限の生活が維持できないと教育どころじゃないと思いました。少数民族の土地ということもあり、ビルマ語もあまり通じませんでした。無力感を感じたわけなんです。
その後、ミャンマーで起業をしたばかりの日本人の社長に出会って、トビタテの期間が終わったら一度日本に帰国するけども、再び休学をしてミャンマーでインターンをすることに決めました。「マイクロファイナンス」という言葉はご存知ですか?
鈴木)初めて聞きました。詳しく教えてください!
茶園)低所得の人に少額の融資をしてビジネスをしてもらい、少しずつ返してもらうというシステムです。インターン先は、マイクロファイナンスの会社にシステムを売る会社でした。トビタテ中に、社会問題に対して自分の無力さを感じたので、貧困問題の現状をもっと知りたいと思ってチャレンジしました。しかし、インターンを終えたときも、あまり役に立つことができなかったと感じながら帰国しました。
鈴木)現在も社会問題の解決に携われているのですか?
茶園)現在では広告代理店で働いています。トビタテでのボランティア、再渡航後のインターン共に無力感を抱えて帰ったので、いつか仕事で身に着けたマーケティングスキルをミャンマーに持ち帰りたいと思って働いています。
そしてミャンマーへ戻ったら、地方創生や友人のスモールビジネスの発展のお手伝いをしたいです。
先日クーデターが起き、今後の渡航が不透明になりました。現地の友達が心配で仕方ありませんが、メッセージを送るなどして励ましています。
どんな形であれ、これからもミャンマーに寄り添い続ける人間でいたいと思っています。インタビューいただき、ありがとうございました。
写真③見本を作ってみせただけで、子どもたちは私を「先生」と呼んでくれました。主役は子ども達なので、私は後ろから子どもたちの無我夢中で取り組む姿を見ているのが好きでした。今でも彼らの顔を覚えています。
工作ワークショップで子どもたちに手順を説明
茶園さんのnote↓
【自己紹介】英語の先生を目指した私が、ミャンマー語が話せるようになり、東京で広告代理店に入社するまで。
編集後記
茶園さんからはミャンマーへの強い思いが伝わってきました。
現地では先日クーデターが起き、しばらく情勢が混乱することが予測されますが、日本としても今後良い形で関われると良いですね。
今後も茶園さんのご活躍を応援いたします!
*アイキャッチ画像における茶園さんのコース名を「新興国」と表示していましたが、正しくは「多様性人材」でした。
お詫びして訂正いたします。
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