とまりぎ とまりぎ ートビタテ生の拠り所、トビタテ生の和を作るー


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【SDGs特集 Vol.6】杉浦由佳さん:Z世代発のファッションムーブメント“Mend It Mine”を仕掛ける(第152回)

福永夏輝 【事務局インターン】

福永夏輝 【事務局インターン】

2021.05.12

トビタテ事務局の福永です!

SDGs特集第7弾のテーマは「サステナビリティー  × ファッション」日々身に纏う洋服の裏側のストーリー、知っていそうで意外と知らないですよね。

“手元にある服にちょっとした手を加えて、「自分だけ」の服にする”を合言葉に、Z世代発のファッションムーブメント“Mend It Mine”を仕掛けるトビタテ9期生の杉浦由佳さんにお話を伺いました。

Mend It Mine(インスタグラム)創設者。東京大学大学院農学生命科学研究科卒業。大学では生物多様性の保全を研究すると同時に、気候変動の国際会議に学生を派遣する団体の設立、国際的な若者組織でのライター活動、国際自然保護NGOでのインターンシップなどを通し、多方面からより良い社会の作り方を考えてきた。

[ 始まりは「環境にいい服を選ぶのをもっと楽にしよう!」という想いから]

福永:杉浦さん、本日はよろしくお願いします。杉浦さんが代表を務める“Mend It Mine”の活動について色々と聞きたいところですが、まずは簡単に自己紹介をお願いします。

杉浦:よろしくお願いします。東京大学農学生命科学研究科の修士2年生で、トビタテでは9期生として野生動物学や環境保全をテーマに2018年9月から2019年6月の期間アメリカのワシントン大学に留学していました。

イエローストーン国立公園でのフィールドワークにて

福永:杉浦さんが 環境問題に意識を持ち始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

杉浦:野生動物の保全活動をしたいという中学生の頃からの想いがあり、大学では生態学を学ぶことに決めました。

大学一年生の時は、主に生物多様性や野生動物の保全が興味の対象だったのですが、大学四年生の時に、気候変動の国際会議(COP)に行かせてもらった経験などを通じて、気候変動を含む環境問題により広い視野で関心を持つようになりました。

2017年にドイツ・ボンで開催された気候変動国際会議にて

福永:野生動物の保全活動への想いから始まり、サステナビリティ全般へと関心が広がっていったとのことですが、どのように杉浦さんが代表を務める“Mend It Mine”の活動につながっていったのでしょうか?

杉浦:アメリカ留学中に、大学主催の環境ビジネスコンテストにアメリカ人の友人と参加して「環境にいい服を選ぶのをもっと楽にしよう」というアイデアを考えたことがファッションについて考えるようになったきっかけです。

アメリカ留学後エシカルファッションの活動家の方にインタビューをする機会があり、そのインタビューがきっかけで自分でもファッション産業について調べたり勉強したりするうちファッション産業の課題の大きさに気がつきました。本当、衝撃的でした。

[ ファッション産業が生む環境負荷 ]

福永:衝撃的…例えば、どのようなことが衝撃的だったのでしょうか?

杉浦:いや、もう全ての事実が衝撃的だったんですよね。

毎秒トラック一台分の服が廃棄されていること。生産された服の半分が捨てられていること。航空産業よりもファッション産業の方がCO2排出量が多いこと。ファッション産業に関わる人々の人権問題。低賃金や児童労働、洋服を染める時の染料が人にも環境にも悪いなど、どの側面を取っても“ヤバい”ですよね。

<写真を差し込む>

自分の身近なものなのに自分も全然知らなかったし、世の中のみんなもこの問題についてあまり知らない。

福永:ファッション産業の闇はなんとなく認識していますが、他の社会問題と比べると、そこまで情報が入ってこないイメージがあります。消費者の中でファッションに関するサスティナビリティー意識が低い理由はどのようなところにあるのでしょうか?

杉浦: そもそも日本では環境問題全般への意識や認識が低いということもあると思いますが、「ファッションは楽しいもの、だからたくさん買って楽しむものでしょ」という考え方が根付いてしまっていますよね。今は服の値段が安くなり手軽に買える時代ですし、多くの人が「自分がおしゃれになれるか、楽しめるか」ということを優先したいと考えています。

[ 選んだ服を長く着続けるために、mendingという提案 ]

福永:そのように考えると、他の分野での環境アクションと比べると少しハードルが高いのかもしれないですね。

杉浦:ファッション界における問題は色々とありますが、1つは消費者の中でエシカルブランドを買うことだけが「サスティナブルファッション」の選択肢になってしまっていることが問題であると感じています。

エシカルブランドの服を選ぶことも大事ですが、「無駄な服を買うことを減らす」こともすごく大事だと感じています。新しい洋服を買って「結局この服着なかったな」と判断を見誤ること、ありますよね。

<canva :イメージ写真を差し込む>

長く着る服をきちんと選ぶことに加えて、選んだ服をさらに長く着続けられるように”mending”(メンディングー服の修繕)という選択肢があることをもっと多くの人に伝えていきたいです。

福永:服を選ぶときのアクション、加えて服を買った後のアクションの選択肢を持つことができたらより多くの可能性が生まれますね。ちなみに杉浦さんはいつメンディングを始めたのでしょうか?

杉浦:2019年の冬、 ファッション問題って深刻なんだと知った後、試しに自分の服を使ってメンディングを始めました。メンディングを始める前、サイズが合わなくなった服を直してもらおうと服の直し屋さんに持って行ったらウエストを直すだけでも6000円ほどすると言われて、それだったら自分でできる範囲で良いからやってみようと思いやってみたことが始まりです。

自身でメンディングした服。左から、ウエストを詰めたスカート、フェルトを使い装飾を直したコート、刺繍でアクセントを加えたTシャツ、アップリケでシミを隠したTシャツ

よく自分の部屋を見ると「服がたくさんあるな」とか、「一部分だけダメになってしまったから捨てようかな」と思っていた服などがあったので装飾の部分だけでも自分で直してみたり…。

福永:私のクローゼットにも眠っている服がたくさんあります。トライしてみたいと思いつつ、メンディングって高度な裁縫スキルが要されるイメージがあって少し躊躇してしまいます。

杉浦:家庭科レベルの裁縫スキルでもメンディングが出来たので、「自分で簡単に服を直せるやり方を紹介したら他にもやってくれる人がいるのでは?」と思い、メンディングという考え方を広めようと2020年7月に“Mend It Mine”を立ち上げました。

[ Mend It Mine から生まれる輪 ]

福永:杉浦さんの裁縫スキルが家庭科レベルだったと聞いて自分にも出来るような気がしてきました(笑)現在Mend It Mineはどのような活動をしているのでしょうか。

杉浦:現在は約10人のメンバーと活動していて、Mend It Mineのインスタグラム上での情報発信、トビタテや他の団体と共同でイベントを開催、キャンペーンを開催してMend It Mine のフォロワーさんに無料でメンディングサービスをプレゼントするなどの活動をしています。

全国にいるメンバーのうち、東京在住のメンバーで初めて顔合わせをしたときの写真

実はパタゴニアから助成金をいただけることになったので、ファッションブランドやデザイナーの方を巻き込んで、もっと活動を楽しく広げられたらいいなと思っています。

福永:Mend It Mineの活動を通して得た気づきなどはありましたか?

杉浦:Mend It Mineのインスタグラムで海外の方の作品も含む様々なメンディング作品を紹介しているのですが、クリエイティブなものやおしゃれなものもたくさんありますし、色々なメンディングのやり方があって楽しいですね。

あとは、「メンディングという選択肢をそもそも知らなかった」と友達に言われて「メンディングをやりたい、やりたくない」という以前に、メンディングという発想自体がそもそもなかったのだなと気づきました。

メンディングという選択肢があるということに気が付いて、アクションしてくれる人が増えたらいいなと思っています。Mend It Mineの活動は、全国紙や多くのオンラインメディアに取り上げていただいており、「メンディング」という言葉が少しずつ多くの方々に届いていることに、大きな手ごたえを感じています。

東京・隅田公園で行った展示イベントにて

福永:杉浦さんの想いが本当に素敵です…! これからどんな挑戦を仕掛けていくのでしょうか?

杉浦:これから挑戦したいことが2つあって、1つは服を直して欲しい人と服を直せる人を繋ぐプラットフォームを作ることです。

メンディングは高い裁縫技術を持っていなくても出来るのですが、「裁縫苦手すぎて拒否反応が起きる…でも服を大事にしたい…!」という人にもメンディングを利用してもらえるといいなと思っています。

2つ目は、これから活躍していくファッションデザイナーの方やファッションメーカーの人などファッション産業の中の人達と繋がって何らかのアプローチもしていけたらと思っています。ファッション産業の課題は産業の構造上生まれるものも多く、どうしても一人一人の行動だけでは変えられないこともあるので、構造的なところにも少しずつアプローチしていけたらいいなと。

キャンペーンでのプロによるメンディング作品。左から、お直しして大変身したジーンズ、腕のパーツを取り換えて雰囲気を変えたワンピース、アップリケで穴を覆ったパンツ

福永:ファッション産業の中の人と繋がっていくの、熱いですね…!杉浦さんの挑戦、応援しています!最後に、トビタテ生へのメッセージをお願いします。

杉浦:私が偉そうに言えることではないですが、もっと多くの人が“ありとあらゆる分野でアクティブに活動している人が集まるトビタテコミュニティー”を活かせるようになったらいいのではと感じています。

同世代の人が集まり、多方面で活躍している人も、それを見守ってくれている事務局をはじめとする大人の方もいる、これだけのコミュニティーって他に探してもないですよね。

トビタテコミュニティー内ではイベントや勉強会などが盛んに開催されているので、そこに少しでも足を運んでみると新しい出会いがあったり、学びがあったりするので、これまで関わることが出来ていなかった人も、現在関わっている人も、このコミュニティーをもっと盛り上げていけたら良いのではと思います。

福永:1事務局の人間として、まさに欲しいメッセージを最後に頂き嬉しく思います(笑)杉浦さん、本日はありがとうございました。


■編集後記:

私自身エコな暮らしを心がけている方ですが、ファッションにおけるエコ意識はまだまだ低いなと、改めて考えさせられました。

「エシカルファッションやオーガニックコットンの洋服ってめちゃくちゃ高いし手が出せない…」と思い買う洋服を厳選する、出来るだけ長く着るということはやっていたのですが、杉浦さんのおかげで私の中にメンディングという新たな選択肢が生まれました。

エコやエシカル、環境に優しいアクションって何だかハードルが高いように感じますが、完璧でなくて良い、自分に心地よいペースで取り組めばいいんだと、そう思うことのできたインタビューでした。

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