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第166回:ユニークな国留学特集~あなたは何しに○○へ?~第17弾岩瀬翔さん【ポジティヴヘルスを学ぶ】

4期かほ

4期かほ

2021.06.16

みなさんこんにちは!

大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!

ユニークな国留学!という特集で

地図ではみたことあるけど。。。。

名前は聞いたことがあるけど。。。。

実は全然どんな国か知らない!!といったようなユニークな国に留学をしたトビタテ生にスポットライトを当てて、その国の魅力や、トビタテ生の活躍をご紹介していきたいと思います!

そんな特集の第17弾!今回のユニークな国は。。。。。

「オランダ」です!!

 

今回は、オランダとイギリスに留学した大学11期の岩瀬翔(いわせかける)さんついて、主にオランダでの経験に焦点を当ててインタビューしてみました!

トビタテ!留学JAPANでの留学

岩瀬翔(いわせかける)さん

大学11期 理系コース

留学テーマ:医療者のまちづくり

「ケアとまちづくり」に関心があって。。。

鈴木)オランダ で医療者のまちづくりをテーマにした留学をしようと思ったきっかけを教えてください!

岩瀬)私は医学部に所属していて、奨学金の関係で日本の離島で勤務することを前提にしていました。離島という小さなコミュニティで働くにあたり、人と人との距離も近いので、医療以外にもできることがあるんじゃないかと思っていました。

鈴木)田舎の病院だと特に、患者さんと病院の人との関係が密接なイメージがあります。

岩瀬)「ケアとまちづくり」に興味を持ったのは、教育、貧富の差、生まれた環境など、生活の中のあらゆることが健康に影響を与えているという研究があると知ったからです。例えば、孤独なお年寄りは、たばこを吸うのと同じくらいの死亡率であるという研究があります。

鈴木)そんなに孤独が健康に影響を与えているんですね。。。

岩瀬)それで、いかに孤独をなくすか、取り組みが行われている国もあります。イギリスは、町を楽しくする事で健康になるという取り組みがなされていたので、それを学びに行きました。

オランダでは、「ポジティヴヘルス」という考えを学びに行きました。

鈴木)「ポジティヴヘルス」について、詳しく教えてください!

岩瀬)例えば、健康に対する個人の「レジリエンス」能力を高めるという考えがあります。自分自身で幸せになるために、自分の周りの環境をどう整えたいかを考えて、そこに向かう力、ということです。

私は、患者さんに対して、薬を出しつつも、その人らしい幸せな生き方を一緒に考えることができる医療者になりたいと思っています。自分もオランダを参考にして個人個人のレジリエンスを高める医療をしたいと思い、留学することにしました。

自分で自分の環境を変えようとする人が多い国で

鈴木)留学をして、個人のレジリエンスを高めるには何が大切ということが分かりましたか?

岩瀬)その人の家族、心身の健康、友達の数などを客観的に見ながら、バランスが取れてる居心地の良い状態を一緒に考えることが大切だと分かりました。

例えば、心身の調子がすぐれない人でも、友達がいたりお金があったりすれば、幸せと言えるかもしれません。

①発達障害のある女の子が文字を覚えられるようにOT(作業療法士)が様々な工夫を重ねて行きついたその子独自のリハビリプログラムに参加しました。

動物好きな女の子のために、アニマルセラピーからヒントを得て、郊外の馬を借りて女の子が遊びながら勉強できるプログラムを考案しました。

 “This is positive health!!” と気づいた瞬間の1枚

オランダで暮らしてみて、ポジティヴヘルスという考えが生まれるような国だと感じました。居心地が悪い場所なら変えようというように、周りの環境を変えようとする意識の人が少なくありません。歴史的にも、自分達の環境は自分達で変えようとする意志が感じられます。「世界は神が作ったけど、オランダは自分達で作った」という言葉もあります。

オランダの国土はほとんどが干拓地で、田舎町も平らで牧草地が多いです。全体的に山がなくて平らな土地で、日本人としては違和感を感じるくらい、人工的な感じがしました。日本では自然災害が多く、日本人はその度にみんなで乗り越えようとしてきましたが、反面自分の手で環境を変えようとすることはあまりなく、大変なことが起こってもしょうがないと受け入れてしまうところもあります。

鈴木)オランダはキリスト教圏でもプロテスタントが多数派なので、改革といったものと親和性があるのかもしれませんね。

岩瀬)実は、プロテスタントでも色々な考え方があるみたいです。同じ町の中でも上手くいっていない、ということもありました。

②食事をご馳走になりながら、地域が健康で幸せであるための秘訣を聞きました。

カトリックとプロテスタントの入り混じる宗教事情。地域の暮らしを豊かにする目的で1つになると、今までに無かった気づきを得られたそうです。教会だけでなく、医療機関やスーパーを巻き込んだ活動を展開しています。

オランダのプロテスタント教会の牧師さん家族を訪ねて。

 

今は技術を磨く時

鈴木)今はお医者さんをされているんですか?

岩瀬)はい。医学部を卒業して、現在は都内の病院で研修医をしています。いろんな科を回って勉強しているのですが、今は救急救命科が担当です。

実は、現在職場がコロナ専門病院になり、重症患者の方を見ています。無力感を感じることもあります。。。

鈴木)そうだったのですね。。。多くの人の健康のために、本当にお疲れ様です。

岩瀬)レジリエンスについては、今は学んできたことを活かすのが難しい状態です。個人に対するマインド設定を活かすには、一人一人と向き合う必要があります。今はコロナもあって、足しげく患者さんの元へ通えず、なかなか関わることができません。。。そうでない時は雑談を交えながら診察して患者さんを励まして、ポジティヴヘルスの考えを活かすことも出来たんですけどね。。。 

鈴木)今はどうしてもソーシャルディスタンスが必要ですよね。。。

岩瀬)いずれにせよ、学んできたことを本格的に活かせるのは、奨学金の関係で一人立ちして田舎に行くタイミングじゃないかと思います。今はその時に向けて学んできたことを少しずつ実践しながら技術を磨く時期ですね。

一方で、イギリスで学んだコミュニティ形成の仕方は、トビタテでイベントを開催する上でも役に立っています。

鈴木)トビタテコミュニティ内でも精力的に活動されているんですね!

岩瀬)学習プラットフォームでは、まちづくり交流や読書会をテーマにしてイベントを開催しています。clubhouseでも、定期的にフランクに話せる場所を作れたらいいですね。

コロナの対応が大変で無力感を感じてばかりですが、トビタテの友達は受け入れてくれる、他のコミュニティで自分の良さを見つけることもできるんだ、と自分を見つめることが出来るという意味では、レジリエンスやポジティヴヘルスが役に立っているといえるのかもしれません。

鈴木)将来離島で働くにあたり、思うことはありますか?

岩瀬)2、3年後に島で働きたくなった時に何ができるだろうか、ということについて考えています。医師としての期待に応えつつも、1人の若い移住者として島の方々に受け入れてもらって、一緒に楽しみながら幸せな暮らしとケアの交わるまちづくりについて考えたいですね。

自分が離島の人達と関われるようになった時に何が起きるのか楽しみです。

③オランダの「ケアファーム」にて。精神や発達の障害のある方達が自律して生活するための農場です。1人1人の個性が大切にされ、みんな幸せそうに暮らしています。

それと同時に、牛も幸せそうなのがすごい!こんなに広い牛舎でふかふかの干草に寝れる牛は、日本ではまず考えられない育て方だそうです。

「ケアファーム」にて

編集後記

岩瀬さんの話し方からは、優しさや誠実さを感じました。

改革に抵抗のないオランダは、私が留学していた保守的なロシアと対照的な国で興味深かったです。

新型コロナウイルスの対応で大変な中、取材に応じて下さり本当にありがとうございました。

今後も岩瀬さんのご活躍を応援いたします!

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