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第171回:ユニークな国留学特集~あなたは何しに○○へ?~第19弾松本啓さん【田舎での暮らしを学ぶ】

4期かほ

4期かほ

2021.06.23

みなさんこんにちは!

大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!

ユニークな国留学!という特集で

地図ではみたことあるけど。。。。

名前は聞いたことがあるけど。。。。

実は全然どんな国か知らない!!といったようなユニークな国に留学をしたトビタテ生にスポットライトを当てて、その国の魅力や、トビタテ生の活躍をご紹介していきたいと思います!

そんな特集の第19弾!今回のユニークな国は。。。。。

「オランダ」と「パラオ」です!!

今回はそんなオランダとパラオに留学した大学7期のさんに松本啓(まつもとさとし)さんにインタビューしてみました!

トビタテ!留学JAPANでの留学

松本啓(まつもとさとし)さん

大学7期理系コース

テーマ:田舎での暮らしを考える

 田舎での暮らしに憧れて

鈴木)松本さんは、なぜ留学テーマを「田舎での暮らし」に設定したのですか?

松本)小学校の時に祖父母の家に遊びに行って、「緑が綺麗だ」と思い、田舎に住むことを決めました。そこで父母を説得して、引っ越すことに。中高校6年間祖母と2人暮らしをしたことをきっかけに田舎暮らしについて考えるよつになりました。緑が綺麗で人の暖かさがあって大好きな反面、人がどんどんいなくなって活気がなくなっていく様子を自分の目で見てきたからです。

鈴木)田舎はのどかでいいですよね!

松本)はい。それで、留学先も田舎がいいと思っていました。

オランダを選んだのは、現地で行われている最先端の農業を見たいと思ったからです。

また、パラオを選んだのは、現地には農業という文化がないことを知って、農業しない人達の価値観を知りたいと思ったからです。きっかけは、「サピエンス全史」を読んで、狩猟採集と農耕民族とで価値観が違うと知ったことです。

鈴木)パラオに行くきっかけは本だったんですね!こちらの本は話題ですよね!

松本)はい、実は私は、年間100冊くらい読むほど読書が好きです(笑)

一人一人の環境意識が高い

鈴木)オランダではどのような活動をされましたか?

松本)現地企業でインターンをしました。

その企業はナスの栽培をしていたのですが、ナス一つ収穫するのに何秒かかるのか、収穫する人が一秒当たり何グラムを収穫しているのか、時間帯によってその人の収穫する効率がどれだけ変わっているかなど、あらゆる角度からデータでの管理が行われていて、ハードの面で進んでいると感じました。

鈴木)そんな細かい事まで分かるんですね!

松本)他にも、日本企業のライターに応募して、オランダの農業関係の記事を書きました。

鈴木)色々なことに挑戦されていたんですね!オランダはどのような国だと思いましたか?

松本)一人一人の環境意識が高いと思いました。日本だとおいしい、安全という理由で食品が選択されることが多いですが、取材を通じ、向こうでは単に環境のためという理由で選択されることも多いです。若い人は、60キロの麦から1キロしか生産されない牛肉は環境負荷が高く、カロリー効率が悪い、といってあまり食べません。 

鈴木)オランダでは肉食が多いと思っていたので意外です。

小さい世界でも満足できるなら。。。

鈴木)パラオではどのような活動をされましたか? 

松本)現地の人と一緒に暮らしながら、南国のフルーツをお弁当にしたり、機械を導入してドライフルーツなどのお土産を作ったりして売るというインターンを行いました。

写真①パラオの市場の様子。タロイモ、バナナなど南国のフルーツが並ぶ。野菜はほとんどない。農業はほとんど行われておらず、スーパーに並ぶのも形が悪いものばかり。

パラオの市場

鈴木)南の国ならではの体験ですね!暮らしてみてどんな印象を持ちましたか??

松本)太平洋の小さな島で、物が少ないにも関わらず楽しそうでした。その結果、物質的なものだけが豊かなのかな、小さい世界でも満足できるなら無理してやっていく必要ないんじゃないかな、と思いました。新卒で東京に行かずに田舎で農業を続ける事ができる理由です。

鈴木)南国らしい、のんびりした感じなんですね。

田舎の良さを守りたい!

松本)帰国後は、将来の事を考えて就活も研究もしたんですが、農業をしたいという気持ちとの間で葛藤があって、大学卒業直前までなかなか決心がつきませんでした。でも、子供の頃から眼にしてきた田舎の良さがなくなりつつあったり、好きな緑が荒れ果てていったりするのを見て悲しくなって、田舎で農業をしたいと思ったんです。

鈴木)過疎化が問題だと分かっていても、自分が田舎に残って農業をしようと思う人は少ないので、尊敬します。

オランダの循環型農業に影響を受けて

松本)現在は農業をしているのですが、オランダで学んだ循環型農業を取り入れています。

 例えば、養鶏をするにあたり、平飼(ひらがい)を取り入れています。日本の養鶏の98%は、狭い小屋での飼育です。平飼は、アニマルウェルフェア、つまり動物も豊かになるべきという考えによって行われています。養鶏について取材したこともあるのですが、オランダの鶏はのびのびしていいな、と思いました。

鈴木)自由に育った鶏が生んだ卵はおいしそうですね!

松本)餌も、輸入量がかからないように、なるだけ地元の物、それもできるだけ地元の農家が出荷しにくく、地元で使われないようなものを使うことに気をつけています。例えば、イリコのくずや米ぬかなどを発酵させて餌にしています。鶏のフンも肥料として使っています。パッケージも紙のパックを使っています。頑丈で再利用可能なので、取引先に卵を渡して消費していただいた後、お客さんが自分からパックを返して下さるんですけど、その人専門のパックにして引き続き使ってもらっています。

 将来的には、福祉と農業を組み合わせたこともやってみたいです。オランダでは、ケアファームというんですけど、福祉施設を併設した農業施設に行きました。そこでは障がい者や不登校の子も一緒になって農業をしていました。卵を拭くのは作業的に楽ですし、動物を見ることで心も癒されるます。

写真②オランダのオーガニック農家の現場。オランダを始め、ヨーロッパでは環境負荷を考えて、オーガニックの消費が伸びている。養鶏の糞を利用して、野菜を作るやり方など、僕自身、かなりインスピレーションを受けた。

オランダのオーガニック農家

鈴木)農業と福祉を組み合わせるという発想は新鮮でした。

現在、他に何か作られていますか?

松本)きんかんと野菜、鶏用の餌用のコメも生産していますが、今後生産量を拡大しようと思っています。

農業の他に、今後したいことを挙げるとすると、教育みたいなこともやっていきたいと思っています。環境意識や社会に対して、日本人ももっと気をつけるべきではないか、など、自分の立ち位置を考えて行動するかは大事だということを伝えていきたいです。パラオで感じた「豊かさとは何か?」というテーマも外せませんね。言葉でなく、本を通じて伝えていくことになるかもしれません。いずれにせよ、今やっている事を続けていくことで明らかになっていくんじゃないかと思います。

写真③帰国後は、迷った挙句、就職せずに、おばあちゃんと一緒に暮らすことを選び農家になった。オランダで学んだサステナビリティを考えた農業を実践しようと平飼い養鶏をスタート。

おばあちゃんと

編集後記

私は鳥が好きなので、養鶏には憧れがありますが、日本の過疎化が問題であると分かっていても大変なことも多く、自分で農業をしようという気持ちには至らないので、松本さんは素晴らしいと思います。

今後も松本さんの活躍を応援いたします!

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