とまりぎ とまりぎ ートビタテ生の拠り所、トビタテ生の和を作るー

第170回:~はじめての留学特集 vol.9 ~「1人の時はとことん楽観的であれ!」佐久間寛樹さん

青山実央【事務局インターン,大学12期】

青山実央【事務局インターン,大学12期】

2021.06.22

 「海外初チャレンジ枠」で留学したトビタテ生を取り上げて,留学の動機や留学中の話,そして,留学が与えた影響に関して紹介する「はじめての留学特集」。
 第9回は大学11期でベトナムに留学した佐久間寛樹さん。「成長したい!」と海外に渡ることを決意した佐久間さん。本当は海外留学を選ぶ予定ではなかった佐久間さんがトビタテで留学することになったきっかけ,留学中の少し変わったお話,そして,留学後の活動,活動に関わろうと思った原点をお聞きしました。
【インタビュアー:青山実央(事務局インターン,大学12期)】

今回のトビタテ生

名前:佐久間寛樹
トビタテの期・コース:大学11期・理系,複合・融合系人材コース
留学先:ベトナム
留学テーマ:海外で活躍できる土木技術者を目指して

トビタテで留学後,トビタテ生の起業家のもとで自身でプロジェクトを立ち上げる。また,トビタテ生が運営する教育系の団体ではスピーカーとして小学生にベトナムのことを伝え,海外への興味を持ってもらう活動にも携わる。2020年度トビタテ同窓会組織「とまりぎ」北海道支部の代表。

 

海外に行って成長したい!

― 留学しようとおもったきっかけは何ですか?

 7年間片思いして,やっと付き合えた彼女と半年で別れたときに,「自分ってかっこ悪いな」って思ったんです。振られた悔しさもあって「でかい男になろう」と思って海外に行くことを決意しました。
 その時,国家公務員を目指して就活もしていました。なので,自分の中で考えていた海外に行く方法は留学に行くか,国家公務員になって海外赴任で海外に行くかの2択だったんです。それに,試験はかなりいいところまで進んでいて,最初は留学に行く予定は全くなかったんです。でも,最終面接には通らなくて,結局,国家公務員にはなれませんでした。なので,海外に行くためには留学に行くっていう選択肢しか自分の中には残りませんでした。

 

― トビタテを知ったきっかけとトビタテに応募しようと思った理由は何ですか?

 大学の教授に教えてもらったことで知りました。自分の家は経済的に余裕があるわけではなかったので,海外に行こうと思ったときに,奨学金をもらって留学に行くか,海外赴任で行くかっていう選択肢しかなかったんです。そうなったときに,トビタテだったら,支給型の奨学金だったし,家に負担をかけずに海外にいけるんじゃないかなと思って応募しました。

 

― ベトナムを選んだ理由は何ですか?

 将来,自分が仕事する可能性のある地域が東南アジアかなと思っていました。でも,自力では、ベトナムの学校が自分にあっているのかどうかっていうことを調べるのが難しかったんです。HPに英語仕様がなかったりして。その当時,研究室に博士課程で来ていた人が,ベトナムの大学で先生をしていた経験があって,いろんなことが聞きやすかったんですよ。それに,友人にベトナム人がいて,自分の中では,身近な海外とのつながりがベトナムでした。

 

ベトナム人だと思われ続けた留学生活

― ベトナムではどんなことをしていたんですか?

 大学に5ヶ月くらい通っていました。通っていた大学は日本人学生が留学するのは初めての大学でした。当初の計画だと,都市計画の分野を学ぶ予定だったんですけど,なぜか現地では都市デザイン科に配属されていました。自分が勉強していた分野とは違ったのですが、必死に模型をつくったり、自分が持っていた技術的な知見を活かして構造的な助言をしたりしていました。 あとは,ベトナムの学生団の1人として,タイへ渡って,駅の新デザインを一緒に考えるワークショップに参加しました。ベトナム人の学生になじみすぎて,最初,日本人だとは気づかれませんでした(笑)それに,タイとのサッカーの試合にベトナム代表の外国人助っ人として出場しました。得点王になるくらい大活躍しました(笑)

 

― 実戦活動は何をしていたんですか?

 実戦活動は結構大変だったんですよね。今まで日本人を受け入れたことのない企業にインターンさせてもらえることになっていたのに,急にダメになってしまったんですよ。なので,日本の先生のコネとかを使って,別の日本の会社の現地支社に受け入れてもらいました。もともとの自分の計画も,日本の企業がどういう風にベトナムを支援しているのかということを見に行きたかったので,そういうところを必死に探しました。
 でも,新しい機関でのインターンの準備とかそんなにできなかったので,ひたすら工事現場を見回っていたんです。働くというより,視察がメインになっていました。それでも,建設資材の管理とかはまかせてもらえていました。
 あとは,ベトナムの工事現場って結構過酷な環境なんですよね。自分が見て,危ないなって思うところを選んで,レポートにして提出していました。急遽決まった実戦活動先だったので,できることが少なくて,必死にできることを探していました。

 

― 留学中に印象的な経験はありましたか?

 衝撃的だったのは,家がなかったことですね。大学が用意してくれているはずだったんです。空港に着いて大学の先生に会ったら,「ごめん,家なかった」って言われたんですよ。それで,大学に連れて行ってもらったときに女の子を紹介してもらいました。「今日から君はこの子と2人暮らしだ」って言われて,「え?」って耳を疑いましたね。その子と2週間くらいルームシェアしてました。その子はとても英語が堪能な子だったんです。その子のおかげで,英語力がすごく上がりました。人生で初めて英語の夢を見ました。
 あと,自分が面白かったなと思ったことは,留学中に何度もベトナム人だと思われたことです。タイ人とのワークショップの時もベトナム人だと思われていたし,日本人レストランで何回もベトナム語で接客を受けていました。最終的にはベトナム語の発音が下手で日本人だってバレるんですけど。(笑)間違われすぎて,留学中とかは日本人だって気づかれると「よく,日本人って気づいたな」って思っていました。(笑)

 

「楽しみたい!」という気持ちだけでコミュニティに所属したくなかった

― 帰国後に感じた考え方の変化とかはありますか?

 英語を話せないことを恥ずかしがって,積極的に話さないのってくだらないことなんじゃないかなって思うようになりました。ベトナムって英語が話せる人が少ないんです。一部の高等教育を受けた人がペラペラっていう感じの国です。でも,英語話せないのに,訳の分からない英語でたくさん話しかけて来るんですよ。そこがあんまり日本人にはないところだなと思いました。「英語なのかな?」って思うくらい拙いのに,話しかけてくれる人がいっぱいいて,すごいなって思っていました。

 

― 帰国後に始めたことはありますか?

 トビタテのコミュニティで結構いろんなことを経験しました。トビタテ生起業家の方の会社でインターンをして,そこでビジネスモデルを作って,実際に事業として動かしていました。今もまだ,その事業はちゃんと稼働しているらしいです。他には,トビタテ生が運営している教育系の団体のお手伝いをさせてもらっています。オンラインイベントにスピーカーとして参加して,ベトナムのことを小学生に伝えたり,Zoomマスターとして裏方で活動したりしていました。自分は母子生活支援施設で育ったので,その施設の子どもたちとこの団体をつなげて,イベントに参加してもらったりしています。
 トビタテであんなに貴重な経験をさせてもらったので,ただ,「トビタテコミュニティで楽しみたい!」っていう気持ちだけで,所属するのはいやだなと思って,学べる事はなんでも学ぼうと思っていますし,自分がやってみたいと思ったことはやってみることにしています。

*母子生活支援施設:18歳未満の子どもを養育している母子家庭などの母親と子どもが一緒に入所して生活できる施設のこと

オンラインイベントにゲストスピーカーとして登壇

 

― いろんな活動に積極的に関わろうと思ったのはどうしてですか?

 特に,教育系の団体に関わってみようと思ったのは,自分みたいに施設で育った子どもたちにも海外を体験できるような場を作りたいなと思っていたからなんです。自分がベトナムにいたときに,日本の施設の子どもたちをベトナムに連れて行こうっていう計画を立てたことがあったんです。現地にいる日本人学生にアテンドしてもらって,ベトナムを周るスタディツアーみたいなものを計画していました。参加してくれる子どもたちの募集までしていたんですけど,結局達成することはできなかったんです。子どもが集まらなかったんです。怪しいって思われちゃったみたいで。
 でも,何らかの形で自分みたいな子どもたちに海外を体験させてあげたいなとはずっと思っていたんです。やっぱり海外に実際に行くっていうことはハードルも高いことだと思うし,オンラインだったら手軽に参加してくれるんじゃないかなと思って関わるようになりました。
 自分も施設で育ったけど,大学院に進学して,留学もしているっていうところで,幼少期の境遇が似ている人達に,何か伝えられるものがあるんじゃないかなと思っています。

 

― 佐久間さんの今後の展望・Visionは何ですか?

 人ってリスクに対して,向き合っていないって思うことがあるんです。それこそ,「海外ってなんか怖い」とか自分の分野である防災に関しても「災害ってなんか怖い」っていうこの「なんか怖い」っていうものをはっきりさせていないよなって思うんです。そういうリスクに対して,ちゃんと向き合うべきだと思うんです。自分が子どもたちをベトナムに連れて行こうとしていたプロジェクトもなんか怖いっていう理由で出来なくなりましたし。「なんか怖い」にきちんと向き合える人を増やしたいなとは思っています。
 ほんとに夢みたいなことを話すと,「世界で活躍する人材を育てる児童福祉施設」を作りたいなという思いがあります。お金を使ってエリート教師をたくさん呼んで,頭のいい子を育てるっていうものではない施設がいいなと思います。「環境や遺伝的要素とか関係なしに,ちゃんと活躍できる人は育つっていうことを世の中に突きつけたい!」って思っています。そういう子どもたちが育つような児童福祉施設を設立してみたいです。同じ思いを持っている人がいたら,一緒にやってみたいなと思っています。
 でも,働きながら,作るっていることは難しいかなと思っているので,せっかく技術系の道に進めたので,今はこの環境で頑張っていきたいなと思っています。

 

― 最後に留学を夢見る学生へメッセージをお願いします。

 1人の時はとことん楽観的であってほしいなと思います。留学って自分だけのプロジェクトなので,その時はとことん楽観的になって,なんでもチャレンジしたらいいんじゃないかなと思います。それと,自分はよく「きっとうまくいく」って思うようにしています。その考えは留学に限らず,挑戦するときに大切だなと思っています。何か失敗したとしても,この後はうまくいくような気がするって思うようになったときに,不思議といろんなことがいいように作用してくるんです。本当にうまくいくかどうか分からないけど,そういう風に思っているだけで自分自身の行動がいい方向に向かっていくと思うんです。自分の考えや決断が最善であるって思っていたら,勝手に最善になっていく気がします。なので,時には楽観的になって,「きっとうまくいく」と思っていれば,いつか自分の夢が叶うときが来ると思うので,諦めずにできることをしてほしいなと思います。

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