とまりぎ とまりぎ ートビタテ生の拠り所、トビタテ生の和を作るー

第178回:~はじめての留学特集 vol.13 ~「活動の原点は留学で得た経験」吉永圭吾さん

青山実央【事務局インターン,大学12期】

青山実央【事務局インターン,大学12期】

2021.07.26

「海外初チャレンジ枠」で留学したトビタテ生を取り上げて,留学の動機や留学中の話,そして,留学が与えた影響に関して紹介する「はじめての留学特集」。
 第13回は岩手県地域人材コースで台湾に留学した吉永圭吾さん。名産品で岩手県の魅力を発信したいという思いで留学した吉永さん。台湾に留学したことをきっかけに台湾の魅力を伝えるために始めた活動の話も聞きました。
【インタビュアー:青山実央(事務局インターン,大学12期)】

今回のトビタテ生

名前:吉永圭吾
トビタテの期・コース:大学9期・岩手県地域人材コース
留学先:台湾
留学テーマ:「かもめの玉子」で岩手を発信!

大学時代には,学生団体を立ち上げ,留学先である台湾の魅力を岩手県で広める活動を行う。大学2年生からトビタテ生の同窓会組織である「とまりぎ」の東北支部のメンバーとして活動をしており,現在も活動を続けている。

「かもめの玉子」で岩手を発信!

― 留学に行こうと思ったきっかけはなんですか?

 大学1年生の時に,「武者修行プログラム」っていうプログラムでベトナムで2週間ビジネスインターンに行ったことがきっかけです。それまでは留学してみたいなと思ったことはありませんでした。でも,大学に入って「自分を変えたい」「新しい世界を知りたい」と思っていたときに,ネットでこのプログラムを見つけてすぐ応募しました。このプログラムで実際に海外に行って,日本ではできない経験をたくさんしたので,もっと海外でいろんなことを経験してみたいと思って,また留学することを決意しました。

 

― トビタテを知ったきっかけと応募した経緯は何ですか?

 「武者修行プログラム」に参加した時に,知り合った友達にトビタテを教えてもらいました。そのあとに,大学の授業でトビタテの留学計画書を作る授業があったんです。その授業を担当していた先生は,たくさんの学生に海外留学を経験してほしいという思いを持った方で,応募するかどうかは関係なしに授業でトビタテの留学計画書を書くというものを取り入れていました。私は,その先生が持っているクラスの中で留学計画書を作り,そこでできた計画書で応募しました。

 

― 「かもめの玉子」を使って岩手県を世界に発信しようと思ったきっかけは何ですか?

 「武者修行プログラム」でベトナム人の友達ができたことがきっかけです。その子は日本のことが好きで,東京とか大阪は知っていたんですか,岩手のことは知りませんでした。それで,「どうしたら海外の人に岩手県の魅力を伝えることができるのか」って考えるようになったんです。その時に,お菓子とかの特産品からその県のことを知ることがあるんじゃないかって思いました。それで,大学に入って初めて岩手に来た自分の頭に浮かんだ岩手県の特産品が「かもめの玉子」だったんです。なので,「かもめの玉子」で岩手県を発信しようと決めました。

 

― 台湾を選んだ理由は何ですか?

 親日家が多い国に行きたいなと思ったからです。今回の自分の留学計画は「かもめの玉子」を通じて世界に岩手を発信することが目的だったので,留学先が決まっていなかったんです。留学前に「かもめの玉子」を作っている,さいとう製菓にインターンに行った時に,さいとう製菓の方に自分の留学計画を話して,協力してもらえることになったんです。それで,話し合って,親日家が多い台湾にしました。なので,最初から台湾に行こうとは決めていなかったんです。

岩手県の発信に力を注いだ留学

― 留学中はどんな実戦活動をしていたんですか?

 台湾にある日本のアンテナショップの一角を借りて,「かもめの玉子」の試食イベントを開催しました。そこで,試食してもらった人にアンケートに協力してもらっていました。3日間開催して,200人の方にアンケートに答えてもらいました。
 台湾の方の反応もすごくよかったので,うれしかったです。台湾の文化的に甘いものが好きな人が多くて,95%以上の方が10段階評価で7以上の評価をつけてくれました。

― ほかにはどんなことを台湾で行っていたんですか?

 現地の語学学校で,中国語の勉強をしていました。2ヶ月間の滞在だったので,ペラペラになれたわけではないのですが,同世代の学生と交流が持てたことがとてもうれしかったです。
 語学学校でも岩手県のことを発信するセミナーを開催しました。「かもめの玉子」を食べてもらったり,盛岡冷麺の紹介や有名なスキー場の紹介をしたりしました。その時はまだ,中国語が話せなかったので,英語でプレゼンして,先生が中国語に訳すという形でした。「かもめの玉子」は期間限定でいろんな味が発売されていて,その時はリンゴ味の「かもめの玉子」を持っていきました。台湾はそれほどリンゴが採れる国ではないので,珍しいかなと思って。セミナーに参加してくれた学生からは「岩手県に行ってみたい!」という感想ももらえたので,うれしかったです。
 そのほかには,大きな日本の物産展を視察していました。本当は「かもめの玉子」のブースを出店したかったんです。でも,お金も結構かかるので,どんな企業が出店しているのか,どういう風にPRしているのかということを視察しました。実際に海外で販売したら,どんな感じになるのかということがイメージできました。

― 留学でしか経験できない印象的な出来事は何ですか?

 台湾の観光地を巡ったり,家庭料理を堪能したことです。アンテナショップの店員さんで日本語が流暢な台湾の方がいたんです。その方と仲良くなって,休日に観光地に連れて行ってもらっていました。現地の方と一緒に行動すると,観光客が行かないような穴場スポットに連れて行ってもらえるんです。ナイトマーケットに行った時も,現地の人がよく行くお店とかで食事をして,ニッチなナイトマーケットを堪能できました。お弁当を作ってくれたこともあって,台湾の家庭料理を食べることもできました。台湾の料理は思っていたよりも,薄味で日本食に近い印象を受けました。とても食べやすかったです。
 観光として滞在するのではなく,留学として滞在したことによって,現地の方とも深い関係を築けましたし,より現地の方の生活に近い環境で生活できました。

次は岩手県で台湾のことを発信したい

― 帰国後に自分の中で変わったことはありますか?

 すごく活動的になりました。留学に行く前は留学に行くことが目的になっていたんです。留学に行きたいから行って,留学後にどんな自分になりたいのかっていうことをきちんと考えたことがなかったんです。でも,実際に留学から帰ってきたら,自分が経験したことを次に活かしていきたいって思うようになりました。そこから,いろんな活動に参加するようになったり,自分でも企画を立てて,1から作るようになったりしました。

 

― 帰国後の活動を教えてください。

 岩手県で台湾のことを発信するプロジェクトを立ち上げました。学生団体を作って,台湾のことを発信する冊子を大学の支援金を使って作りました。その冊子を作るにあたって,台湾のことを知らないといけないんですけど,団体のメンバーのほとんどは台湾に行ったことがなかったんです。なので,自分がプランを計画して,ツアーを組んで,みんなで台湾に行きました。その時に団体のメンバーが見たことや感じたことをそれぞれ写真や文字に起こしてもらって冊子にしました。冊子の中には岩手県に住んでいる台湾のアマチュア漫画家に協力してもらって,「岩手と台湾」っていうテーマで漫画を書いてもらいました。
 この冊子が出版社の方の目に留まって,一緒に協力して台湾のことを発信することになりました。
 自分が活動していたときは,花巻空港ができたころで,台湾と花巻を結ぶ定期便が運航していたんです。その定期便の利用者を促進させたいという県の思いと自分の団体の理念と一致していたんです。なので,岩手県職員の方も協力してくれることになりました。それで,第2弾の冊子として「岩手と台湾」を作りました。台湾と岩手の似ているところを紹介したり,メンバーひとりひとりの伝え方で書かれたページがあったり,プロの編集の方にも協力してもらったりしたので,かなりクオリティの高いものが出来上がりました。この冊子はイベントや花巻空港で配ってもらいました。

2回目に作成した冊子「岩手と台湾」

― 学生団体を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

 大学の起業家育成プログラムに参加したことがきっかけです。そのプログラムは自分でやりたいテーマをプロジェクトとして運営していくもので,自分はそのテーマを「岩手で台湾を発信する」ということにしたんです。そのプログラムの中で自分のテーマやプランを発表して,やりたい人集めて,手をあげてくれたメンバーと始めました。学校公認のサークルとかではなくて,独立した1つの団体運営ができたことはいい経験でした。

 

― トビタテで留学してよかったことは何ですか?

 人脈が広がったことです。大学2年生から同窓会組織「とまりぎ」の東北支部のメンバーとして活動していて,3年くらい経ちました。メンバーと話すのもすごく楽しいし,刺激にもなるし,勉強にもなっています。トビタテ生になって,とまりぎのコアメンバーとして活動していなかったら,出会わなかったので,トビタテで留学してよかったなと思います。

 

― 吉永さんの将来のVisionや今後の展望を教えてください。

 0から何かを作るっていうことが好きなので,起業をしてみたいなと思います。今はまだ,ざっくりとしていて,ビジネスプランがあるわけではないんです。でも,1つの目標としていることがあって,それは「自分が社長の会社で働いてみたい」思ってもらうことです。大学時代から,起業家や経営者になりたいと学生団体のメンバーに話していて,その時に,「圭吾が社長の会社で働いてみたい」って言ってもらえたんです。その場のノリでメンバーは言ったのかもしれないですけど,自分はそれがすごくうれしかったんです。本当にそんな会社を自分が作れたらいいなと思います。これまでの時間を一緒に過ごしてきた仲間と一緒に働ける場所を作るということが1つの夢です。

 

― 留学を夢見る学生へのメッセージをお願いします。

 トビタテのポスターで「留学をして後悔している人を見たことがない」っていうメッセージが書かれているものがあるんです。本当にその通りだなと思っています。自分の周りでも,留学して後悔している人見たことがないですし,そんな人がいないってことは誰が行っても,何か得られるものがあるのが留学なんじゃないかなと思います。何か得られたり,自分が成長できる可能性が1ミリでもあるのであれば,留学しない理由はないと思います。とにかくやってみるっていう気持ちで留学してほしいなと思います!

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