第183回:理系のトビタテ生特集 第4弾松永遼さん【人の歩き方の研究】
2021.09.13
みなさんこんにちは!
大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!
「理系のトビタテ生特集」という特集で、
理系分野を専門に学びに行っていたトビタテ生にスポットライトを当てて、留学中に学んだことや、その後の活躍をご紹介していきたいと思います!
そんな特集の第4弾!今回の専門分野は。。。。。
「歩行の研究」です!!
今回は歩行について研究をするために留学した大学4期の松永さんにインタビューしてみました!
目次
トビタテ!留学JAPANでの留学
松永遼(まつながりょう)さん
大学4期 理系コース
留学テーマ:歩行の研究
絶対にあの靴を作る会社に入りたい!
鈴木)松永さんの専門分野について教えてください!
松永)私は、大学や大学院で、歩くことで足にかかる負荷や疲れ方など、人の歩行の仕方について学んでいました。
鈴木)歩行について研究しようと思ったのはなぜですか?
松永)私は高校生の時に陸上競技をやっていましたが、その時によくけがをしていました。けがの原因は、私自身の調整不足もあるのですが、靴、特にスパイクの性能を変えることによって自分のようにけがで悩む人を減らしたり、逆に今度はパフォーマンスを変えることができたらいいな、と思うようになりました。
鈴木)陸上が好きでこの分野に関心を持たれたのですね!
松永)走るのは今でも好きで、陸上の社会人チームに所属しています。大学で、研究室に入った当初は、走ることよりも歩行についての方が研究しやすいと、歩行について研究することにしました。
鈴木)留学に行こうと思ったきっかけを教えてください。
松永)高校生の時に、靴を作るある会社に就職したいと思い、どういう人を採用しているのか質問したら、理系で英語が堪能な人が欲しいと言われたんです。
松永)その後大学に進学し、外国で自分と同じ専門分野の人以外とも交流して知見を広げたいという思いもあり、留学を決めました。そして、海外の先生がいる研究室のつてで留学へ行くことになりました。
鈴木)高校生の頃から志望する就職先を決めていて、とにかくその会社に行きたかったんですね。熱意が伝わってきます。
他分野との交流で視野を広げる
写真①大学の門の1つです。近くにピクサー社があって、モンスターズインクの舞台にもなっています。
研究室生活は家と研究室の行き来のみで、地味で、いつもこんな格好で大学行ってました。笑
大学の門の前で
鈴木)留学中に専門的に勉強していたことを教えてください。
松永)歩行の動作解析の方法を学びました。留学先の研究室では、日本と違う方法で行われていたので、それを学びました。
写真②大学の研究室の実験風景です。赤い点が身体についていて、それぞれの空間的な位置座標から、身体の動き方を計算し、その計算手法を学んでいました。実験の被験者も自分で行っていました。
大学の研究室での実験(松永さん)
鈴木)動作解析はどのように行われるのですか?
松永)基本的には、人の身体にマーカーをつけて(写真②参照)動きを計算します。しかし、世界には様々な計算方法があります。
鈴木)日本と留学先ではどのような違いがありましたか?
松永)日本で当時所属していた研究室では、「最適化計算」(Global Optimization)といって、動作解析では、主流の解析方法を用いていました。一方、現地ではGPSで用いられる計算アルゴリズムを導入した解析手法を用いていました。数式を見るなど、数学的な勉強をしながら研究することが多かったです。
それから、研究室の雰囲気も日本とは異なっていました。日本では、研究室にずっとこもって研究室の中の人とだけ関わって、と閉鎖的に思うこともあったのですが、現地では異分野の人との交流が多く、他の研究室と協力して何か一つの目的を達成するということも多かったです。
鈴木)松永さんの研究室は、どのような分野の人との交流があったのですか?
松永)留学先の私の研究室はパワーアシストスーツの研究をしていたのですが、筋肉の活動について研究している人と協力して研究することもありました。
鈴木)実際の筋肉の動きを知ることで、より良いものが作れそうです。
松永)そうですね。それに、他分野の人と交流することで自分にはない視点を得ることができましたのは良かったです。
写真③冬に1週間お休みを頂いて、ラスベガスとグランドキャニオンに行きました。アメリカの大自然に圧倒されて、世界の色んなところをもっと回りたいなとおもいました。アメリカに来て、海外にもっと行きたいなと思ったきっかけにもなりました。(次の年は、インドにも研究留学に行っていました)
グランドキャニオンで
「この靴をはいて良かったです」と言ってもらえるように
鈴木)帰国後は何をされていますか?
松永)まずは、研究を卒業まで続けました。それと並行して、トビタテを広めたりトビタテに応募する人を手伝ったりするエバンジェリストの活動をしていました。
鈴木)ご協力ありがとうございます!
松永)エヴァンジェリスト活動に取り組んだのは、留学を通じて、海外へ行くハードルが意外と低いということが分かったからです。構内の選考会の面接に出たり、応募用紙をチェックするなど、海外に行きたい人の後押しをすることをしていました。
そして留学後には、高校生の頃からずっと行きたかった靴の会社に就職することができました。
鈴木)高校生の頃からの夢を叶えたのですね!凄いです!
松永)就職してからは靴づくりの研究に携わっていて、ランニングや陸上、ウォーキングといった様々なシューズのの研究に携わっています。
鈴木)留学経験が活きていると思うことはありますか?
松永)留学先で学んだのと同じような特殊な計算手法を社内に導入しようという話になったときに、自分から率先してその話をすることができました。学生の時に留学して研究しておいてよかったと思いましたね。
鈴木)それは良かったです!仕事をしていて大変なことや、逆にやりがいを感じることはありますか?
松永)大変なことは、実験をしてうまくいかなかった時に、その理由を考えることです。すごく地道な作業ですし、最後まで考えるのが大変ですが、だからこそ答えを導き出したときにまた頑張ろうと思うことができます。
それから、自分たちが作っている靴をはいている人を見ると、やはり頑張ろうと思えます。商品として目に見える成果が残っていくのが、大学の研究とは違うところだと思います。
鈴木)自分が開発に携わったものが実際に使われる場面を見ると、嬉しい気持ちになりそうです。
将来の夢を教えてください。
松永)自分が研究している靴を、実際に選手や子供にはいてもらって、「この靴をはいて良かったです」と言っている姿を見たいです。
それから、自分が作った靴をはいて、自身のパフォーマンスも上げたいとも考えています。
靴を作ることは、地道で難しいことですが、夢だったことなので実現したいです。
編集後記
若い時からずっと一つのことを夢に見て実現したり、大人になっても好きなことを続けたりするのは素敵だと思いました。
今後も松永さんのご活躍を応援しております!
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