とまりぎ とまりぎ ートビタテ生の拠り所、トビタテ生の和を作るー

第188回:~はじめての留学特集 vol.18~「挑戦することの大切さを知った」久保木さやかさん

青山実央【事務局インターン,大学12期】

青山実央【事務局インターン,大学12期】

2021.10.06

 「海外初チャレンジ枠」で留学したトビタテ生を取り上げて,留学の動機や留学中の話,そして,留学が与えた影響に関して紹介する「はじめての留学特集」。
 第18回は大学9期で韓国に留学をした久保木さやかさんです。特別な記憶を作りたいとトビタテでの留学を決めた久保木さん。英語にコンプレックスを持っていた久保木さんが選んだのは韓国でした。韓国留学を通して感じたことや成長,そして,帰国後の久保木さんの生活をお聞きしました。
【インタビュアー:青山実央(事務局インターン,大学12期)】

今回のトビタテ生

名前:久保木さやか
トビタテの期・コース:大学9期・多様性人材コース
留学先:韓国
留学テーマ:誰も取り残さない。そして,誰もがトビタテる社会へ

1年間韓国に留学。帰国後は,留学前から関わっていたボランティア団体のイベント運営事務局で日韓交流のイベント運営に携わる。

目的を持った留学をしたい!

― 留学しようと思ったきっかけはなんですか?

 何か自分だけの特別な記憶を作りたいなと思ったことがきっかけです。留学を本気で考え始めたのは大学2年生の後期です。それまでの私は大学とバイト先を行ったり来たりの生活をしていました。そんな生活をしていたときに,ふと「私ってありきたりな学生生活しかしていないな」と思ったんです。それで,特別な記憶をつくりたいと思い,思いついたのが留学でした。

 

― その時までは留学を考えたことはなかったんですか?

 大学2年生の後期までは留学に対する意欲はあまりなかったです。大学に入学する前は,英語を頑張ろうと思って,ぼんやりと短期でも留学したいなと考えていました。でも,いざ入学して受講した英会話の授業で,自分の力不足さを知り,英語にコンプレックスを感じるようになってしまいました。そこから,留学に行こうという気持ちに蓋をしてしまっていました。

 

― 韓国を留学先に選んだ決め手はなんですか?

 韓国の文化が好きだったのと,実戦活動先が見つかったからです。韓国に興味を持ったきっかけはK-POPです。私が中学生くらいの時にK-POPがブームになって,私もハマっていたんです。そういうこともあって,私にとって身近な海外が韓国でした。英語にコンプレックスを持ちはじめていた私は、大学生活では英語以外の言語を頑張ってみようと思い、第二外国語として韓国語を選択しました。
 それと,大学時代に引きこもりやニートの若者を支援するボランティアをしていて,そのボランティア団体の支部が韓国にあったんです。私が韓国留学を考えているということを団体の方に話したら,韓国支部で働くことを提案してくれました。それで,「韓国で実戦活動するならここできる!」と思って韓国留学を決めました。

 

― トビタテを知ったきっかけと応募の決め手はなんですか?

 大学時代,部活が一緒だった友達から教えてもらいました。私が応募した時はトビタテの奨学金制度は2020年までということだったんです。それを聞いて,「もうすぐ終わっちゃうなら,今しかない!」と思って応募を決めました。
 それに,給付型の奨学金ということも魅力的でした。私の父親があまり韓国に留学することに乗り気ではなく,留学するなら,英語圏の方がいいと思っていたようでした。そんな考えを持っていた父親に私の留学を応援してもらうには,自分の留学目的をはっきりさせて,奨学金をもらったほうがいいんじゃないかと思ったんです。
 あとは,学校のプログラムに沿った留学だけではなく,自分が考え抜いた目的に沿った留学をした方が,自分の意思で留学したということがより明確になるんじゃないかなと思いました。そして,そんな留学ができるのはトビタテなんじゃないかなと思って応募しました。

誰も取り残さない。そして,誰もがトビタテる社会へ

― 韓国ではどんな留学生活をしていたんですか?

 韓国の大学に交換留学をしながら,引きこもりやニートの若者の社会復帰の支援活動である若者支援活動のボランティアをしていました。あと,これはもともとの計画にはなかったんですけど,日韓交流事業をしていました。私が留学していたときはちょうど日韓関係が悪化していたときで,日本人留学生として何かできないかなと思って始めました。空いた時間には,交換留学先の国際課の紹介で,高校生に日本語を教える家庭教師のアルバイトをしていました。韓国語もあまり話せない状態だったので,失礼な態度を取っていないか,きちんと伝わっているのかと不安になりながら教えていたことを覚えています。

交換留学先の大学

― 韓国での若者支援活動というのはどんなことをしていたんですか?

 大学の長期休暇の合計4ヶ月間,ソウル市内にある若者支援団体が運営しているシェアハウスで引きこもりやニートの若者と一緒に暮らしながら,支援活動をしていました。生活リズムを整えていくために,毎朝同じ時間に起こしたり,一緒に買い物に出かけたり,ご飯を作ったり,ちょっとした相談に乗ったりしていました。あとは,若者の就職支援をしているソウル市の団体と一緒に引きこもりやニートの子どもを持つ親の会を開催していました。
 韓国でも若者の引きこもりが潜在的に多いといわれていました。韓国人の性格上,なかなか引きこもりの子どもがいるということを周りに知られたくないみたいで,隠すことが多いんです。そういうこともあって,行政的な支援があまり進んでいませんでした。
 私の帰国後に,韓国でも引きこもりの若者を支援する条例の策定が進んでいるらしく,徐々にそういう支援が広がってくれたらいいなと思います。


シェアハウスの様子と親の会の様子

― 若者支援活動をしている時に大変だったことはありますか?

 結構メンタル的にやられる場面が多かったです。支援者側は外に出てもらおうといろんな方法を試すんですけど,相手は出たくないっていう気持ちが強い場合も多いんです。自分が話しかけても,ずっと無視されつづけられることもありました。無視されることもあるとは頭では理解していたんですけど,「人って無視されると,こんなに心にグサグサ刺さるんだ」と感じながら,活動していました。

 

― 日韓交流事業はどんなことをしたんですか?

 「日韓未来フォーラム」という日本人学生と韓国人学生との討論会を開催しました。私が韓国にいた2019年の夏ごろに日韓関係の悪化が報道されていました。その時に,せっかく韓国に留学しているんだから,日本人と韓国人でお互いのことを理解しあえる場を作ろうと思って企画しました。
 私は8月下旬に帰国する予定だったのに,その企画を動かし始めたのが2019年の8月初旬だったんです。なので,何がなんでも8月中に開催しないといけませんでした。2週間くらいで準備したんですけど,日本人と韓国人ともに10名ずつ以上参加してくれて,30人規模のイベントになりました。メインの参加者は20代や30代の若者で,その当時の日韓関係を一言で表すとどんな言葉になるか,日韓関係を現状からプラスに変えていくにはどうしたらいいのかなどを議論していました。

「日韓未来フォーラム」でのディスカッションの様子

― フォーラムを通して感じたことはありますか?

 韓国で起きていた反日運動は,別に日本人が嫌いという訳ではなく,日本の政治のあり方に対しての運動だったんだなと思いました。日本人は嫌いではないし,むしろ好きだと言ってくれた韓国の方もいらっしゃいました。

「日韓未来フォーラム」の参加者との集合写真

― 留学中に印象的な出来事はありましたか?

 留学中にケガをしたことです。転んでしまって,前歯が抜けてしまいました。周りの友人もびっくりして焦ったのか,「救急車呼んだから!」って言われたんです。私は日本でも救急車乗ったことないのに,韓国で救急車に乗りました。いざ,病院に行ってみると,「止血はできても,ここでは治療できません」と言われ,次の日の早朝の便で日本に戻って治療しました。
 これから留学する皆さんには,留学保険にちゃんと入ったり,自分の大学や住んでいる場所の近くの病院をあらかじめ把握したり,ケガや病気に対してはきちんと備えてほしいなと思います。
 あとは,日韓関係が悪化していた時に留学していたので,日本での報道と実際の韓国かけ離れているなと思う部分はありました。留学中に日本にいる友達から,「韓国旅行に行くか迷っているんだよね」っていう連絡が来ると,そんなに韓国は渡航してはいけない国であるような報道をされているんだと感じていたんです。実際に留学中に反日デモや反日運動を見かけることが何回もありました。でも,現地の人は日本人だと分かっても,普通に接してくれていました。それに,日本人だからという理由で,危害を与えられるということは経験しませんでした。そんな出来事があったので,メディアでの報道はイメージを植え付けるということもあるということを学びました。私のなかで,報道されていることを鵜呑みにして信じてはいけないんだなと思うきっかけにもなりました。

「諦めるか」が「やってみるか」に変わった

― 留学後に何か変化はありましたか?

 なんでも挑戦してみるかっていう考えに変わったと思います。留学前の私は物事に対して,ちょっとハードルが高いな,無理そうだな,できないかもなと思ったら,スパっと諦めるタイプだったんです。それが留学後には「諦めるか」が「やってみるか」に変わったんです。日本以外の場所で生活したり,積極的にいろんなことに挑戦できたりしたという経験をしたからじゃないかなと思っています。

 

― 帰国後に行った活動はありましたか?

 「日韓若者フォーラム」というイベントを運営する事務局で活動をしました。もともと,留学前から活動していた若者支援の団体が主催するイベントで,韓国から若者支援の問題を扱っている教授や引きこもりやニートの子を持つ親を招いて開催しました。それと,留学中に開催した「日韓未来フォーラム」に参加してくれたソウルの行政団体の方を日本の若者支援の拠点になっている施設や団体へ案内して,通訳をしていました。
 あとは,フリーハグ活動をしました。「日韓未来フォーラム」で知り合った日本人の子が韓国で,フォーラム後に日韓友好を目指したフリーハグ活動を始めたんです。その子から「日本と韓国でフリーハグ活動を同時開催しよう」と誘ってもらいました。それで,私は東京の新大久保で友達とフリーハグ活動をしました。日本人はあまりハグしに来てくれないかなと思ったんですけど,新大久保は若めの女の子が多かったので,結構ハグしに来てくれる子がいました。それに,在日韓国人の方がハグしに来てくれて,「こんな活動してくれてうれしいよ!ありがとうね!」と声をかけてくれました。

 

― トビタテで留学してよかったことはなんですか?

 目的を持って留学できたのはよかったなと思っています。学校のプログラムだけだと,語学を勉強して,現地の人と普通に仲良くなって終わるんじゃないかなと思っていました。
 でも,トビタテでの留学はちゃんと目的を持って,テーマを決めてから留学できるので,得るものが大きかったんじゃないかなと思います。自分の軸を持って留学できたのは本当によかったです。
 あとは,トビタテのコミュニティに入れたのは大きかったなと思います。普通の大学生活では出会えなかった面白い人たちと知り合うことができるのはトビタテならではですね。

 

― 久保木さんの将来の夢やVisionはなんですか?

 自分が介在することによって,少しでも周囲の人たちにプラスの影響が与えられたらいいなと思っています。これをこれから生きていく上の目標にしていきたいです。今勤めている会社はまちづくりをする会社なんです。そんな会社にいるので,自分が関わることによって,街やその街に住む人たちにプラスの影響があったらいいなと思っています。

 

― 留学を夢見る学生へメッセージをお願いします。

 留学って自分の殻にヒビを入れることができる絶好の機会だと思います。私自身留学する前は,帰ってきて自分に何も変化がなかったらどうしようという不安の方が大きかったです。でも,帰国後に振り返ると,留学なしでは今の自分はなかったなと思っています。留学に行って後悔していることは一切ないので,ぜひ,留学に踏み出してほしいなと思います!

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