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第189回:理系のトビタテ生特集 第6弾足達さん【人間の動きに近いロボットの開発】

鈴木花穂 事務局インターン大学4期

鈴木花穂 事務局インターン大学4期

2021.10.08

みなさんこんにちは!

大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!

「理系のトビタテ生特集」という特集で、

理系分野を専門に学びに行っていたトビタテ生にスポットライトを当てて、留学中に学んだことや、その後の活躍をご紹介していきたいと思います!

 そんな特集の第6弾!今回の専門分野は。。。。。

「ロボット」です!!

今回は、人間と同じような動きができるロボットを研究するために留学した大学4期の足達さんにインタビューしてみました!

 

トビタテ!留学JAPANでの留学

足達哲也(あだちてつや)さん

大学4期 理系、複合・融合系人材コース

 留学テーマ:人間の動きに近いロボットの開発

 

生き物の特性をロボットに応用したい

鈴木)足達さんはどのようなことを専門に勉強されていたのですか?

足達)私は、生き物の特性をロボットに応用することを研究していました。

鈴木)そのような研究があるんですね!興味を持ったきっかけを教えてください!

足達)私はもともとロボットが好きで、大学進学時もロボットについて勉強したいと思っていました。そんな中、カイコガの化学物質を追いかける性能を活かして、ガスや放射線などの化学物質が漏れていないかどうかを知ることができるロボットを開発している研究室を知り、そういうロボットの研究をしているところがあるんだ、と思ったのがきっかけです。

鈴木)カイコガには、糸を出してまゆを作ること以外にもそのような能力があるんですね。

留学に行こうと思ったきっかけを教えてください。

足達)私は、小学生のころから英会話を勉強していました。中学生の時にアメリカでホームステイをしたこともあります。

鈴木)若い頃から海外経験があったんですね!

足達)その時のわくわく感や日本を離れる時の緊張感が忘れられなかったことが大きいです。また、当時は文化交流が中心でしたが、その後目的を持って将来にもつながる専門分野を学びに行きたいと思い、再び留学しようと思いました。

大学の先生のつてで受け入れてくれる研究室を調べ、その中で良かったところがドイツの研究室です。理系の学生の私からすると、産業や学問的な意味でドイツはレベルが高いと思ったのもあります。

鈴木)ドイツでも専門分野について勉強されていたのですか?

足達)実は、日本で勉強していたことから少し遠ざかるのですが、人間の筋肉の構造を模した人工筋肉を使った研究をしていました。人工筋肉は、ナイロンの釣り糸をばね状に巻いて作ります。温めるとちぢみ、冷やすと伸びて、筋肉のように動きます。私は、人工筋肉を小さいドローンの足の先につけることで物を運べるようにするという研究をしていました。

写真①

私が手に持ってるのは研究で使っていたドローン。研究活動では初めは専門的なことだけでなくコミュニケーションもままならず、精神的にキツい日もありましたが、お別れの日にポスドクの方にお褒めの言葉をもらったのはとてもうれしかったです。

留学先の研究室でお世話になったポスドクの方(左)と一緒に

鈴木)これからはドローンがよく使われるようになるので、研究が進めば技術を活かせそうですね。

足達)他にも、研究内容に関係がある授業を受けました。ロボットを人間と同じ環境で動かせるようにはどうしたらいいのかということを学ぶ、ロボットの制御理論の授業を受け、人間に近い動きをするロボットを作るために、人間の筋肉の構造や動きを勉強できるスポーツ科学のような授業も受講しました。

鈴木)実際の筋肉の動きを学ぶことで、より人間の動きに近いロボットを開発することができそうですね!

留学したことで、日本にいた時とは違う、特殊な経験をすることはありましたか?

足達)留学前は、日本の大学で勉強したことがどれだけ通用するだろうか、ということについて考えていました。当時、大学院の修士課程の2年生だったので、上手くいけば現地で博士課程に進学することができたらいいな、と期待することもありましたが、いざ行ってみると「まだまだ」だと思いました。でも、自分の力を客観的に見ることができたからこそ頑張ろうという気になれましたし、歯を食いしばって最後まで頑張ってやり遂げることへの自信がつきました。

写真②

友人とオクトーバーフェストにて。彼との初めての出会いは入学手続きの日。列で待っている私の後ろに並ぶと声をかけてくれて、どこから来たのと聞くと、なんと日本の大学に進学してそこの大学の交換留学制度を使ってドイツに来たとのこと。すぐに意気投合して、ドイツに着いてすぐの心細い気持ちの支えになってくれました。

友人(右)とオクトーバーフェスにて

写真③

留学先の大学主催のInternational Dayで折り紙を教えたり、ポップカルチャーを紹介したり、ちょっとした料理をふるまったりしました。大学にいながら異国情緒を感じられるのは、欧州留学の醍醐味だったなと思います。

International Dayにて、他のトビタテ生や現地で知り合った留学生たちと(足達さんは、右)

 

人間と同じようなことができるロボットを作りたい

鈴木)帰国後は何をされていますか?

足達)所属していた大学院の研究に戻り、その後就職しました。

現在は、工場で働く半身の人型ロボットを作っています。

鈴木)人間のような形をしたロボットに関わる仕事をしているのですね!

足達さんが作っているロボットはどんなことができるのですか?

足達)パーツとパーツを組み合わせる作業や、カメラを使った検品など、2本の腕を器用に使って人間と同じような単純作業をすることができます。

鈴木)色々なことができるんですね!

足達)色々なことができる分、使い方をどうしようか困ることもありますし、課題は多いです。たとえば、今はロボットが動きやすいよう周りの環境は整備されていることが多いです。これからは、そのような制限を取り払った様々な環境でも働けるロボットにしていきたいと思っています。 

鈴木)日々研究を続けられているのですね。

留学中に学んだことが活かされている場面はありますか?

足達)ロボットのプログラミングをする時に、ロボットの不調など、何かが上手くいかなかったときに、不調の原因を調査してそれをどのように改善するかといったサイクルを回すことの経験が今につながっていると思います。

鈴木)留学で学んだことを活かした将来の夢はありますか?

足達)人間と同じような動きで人間と一緒に働いたり生活できるロボットを作りたいです。私が学んだ研究が直接活かせるかわからないですが、人間と同じところで人間と同じように動くロボットを作ることができると、大学時代からの夢が活きてくると思います。

 

編集後記

 足達さんの話し方からは、謙虚に研究を続けられている姿勢を感じました。一口に「動物の特性を応用したロボット」といっても、本当に様々な方法があるということが分かり、興味深かったです。

今後も足達さんの活躍を応援しております!

 

 

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