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第197回:理系のトビタテ生特集 第12弾塚本雄也さん【古代の微生物由来のDNAを抽出する技術を学ぶ】

鈴木花穂 事務局インターン大学4期

鈴木花穂 事務局インターン大学4期

2021.11.03

みなさんこんにちは!

大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!

「理系のトビタテ生特集」という特集で、

理系分野を専門に学びに行っていたトビタテ生にスポットライトを当てて、留学中に学んだことや、その後の活躍をご紹介しております!

そんな特集の第12弾!今回の専門分野は。。。。。

古代生物のDNAの抽出方法」です!!

今回は、古代生物のDNAの抽出方法を学びにアメリカへ留学した大学4期の塚本さんにインタビューしてみました!

トビタテ!留学JAPANでの留学

塚本雄也(つかもとゆうや)

大学4期 理系コース

 留学テーマ:古代の微生物由来のDNAを抽出する技術を学ぶ

自分の専門性を身に着けるために、留学に行きたい!

鈴木)塚本さんは、元々古代の微生物について研究されていたのですか?

塚本)実は、博士号を取るまでは、地学について勉強していました。

留学では、受け入れてくれた教授との相性もあって、過去の生物、特に古代生物のDNAの抽出方法について学ぶことにしました。古代生物に元々興味があったから研究していたというよりかは、まずは留学したい、という思いがあり、テーマは後からついてきました。

鈴木)留学したいという思いが強かったのですね。

留学をしようと思ったきっかけを教えてください!

塚本)私は、大学の学部4年生までは、部活など、自分がやりたいことを思い切りやっていました。しかし、就活で上手くいかなかった時に、自分の長所や専門性がなかったことに向き合わざるを得ず、愕然としました。大学院に入る時に、修士号を取得する前に自分の強みを身につけるために留学をしようと思いました。

地球科学の研究が進んでいる大学で

鈴木)留学中に専門的に勉強していたことについて教えてください。

塚本)アメリカのペンシルベニア州立大学の地球科学科の研究室に所属して、DNA抽出法の開発を行いました。

鈴木)DNA抽出はどのように行うのですか?

塚本)日本から持ってきた古い時代のDNAが含まれているサンプル(ここでは岩石)から、DNAを抽出します。岩石からの抽出は難しかったです。

鈴木)それはなぜですか?

塚本)そもそも岩石にほとんどDNAが残っていないこと、そして岩石中の様々な物質がDNA抽出の効率を落とすからです。また、解析を通して現在生きている微生物由来のDNAを排除しなければならない点も難しいところでした。

留学では、DNAを抽出するために様々な方法を試して、効率良くDNAの長い断片を抽出できる方法を探していきました。

鈴木)どんな方法を試したのか教えてください!

塚本)例えば、ビーズショッカーで岩石を粉末化した後にアルカリ溶液と界面活性剤を使って、細胞膜を溶解しDNAを抽出していました。解析は帰国後に行いました。

ビーズショッカーとは…?様々な物質を粉末化するための道具のこと。(塚本さん談)

鈴木)色々な方法があるのですね。

他にも研究を行いましたか?

塚本)ペンシルベニア州立大学は、世界的に地球科学の分野でトップの大学なので、DNA抽出にこだわらず、有名な先生たちの研究を手伝わせてもらったり、共同研究したりしました。

鈴木)その分野の研究で特に優れた大学で色々な研究ができるのは、素敵ですね!

写真①ラボメンバーと先生との写真。この研究室での経験が、現在の生命科学と地球科学の分野横断的研究に従事する原点となりました。先生も初め、ラボメンバーも世界各地の研究所に勤務しており、その活躍を見て励まされています。国際学会でもよく会うので一緒にご飯を食べたり、ルームシェアをしたりしています。

ラボメンバーと先生(右から三番目の男性)と。(塚本さんは、左から3番目)

 

写真②当時は英語や研究内容でいろいろと悩むこともありましたが、住んでいたアパートから5分も歩けば、写真のようなアメリカの農村風景が広がっていたので、ここをよく散歩しながら考えをまとめたり、心を落ち着けていました。

近所の農村風景

 

写真③現地で知り合った人とはトビタテ生含めて、よく観光に行っていました。アメリカ・カナダの様々な場所を訪れることができたとともに、様々な背景を持つ友人ができました。そのうちの一人とは共同研究に発展し、最近論文も出しました。

ナイアガラの滝

火星と比較して、地球で生命が発展した謎を知りたい

鈴木)帰国後の活動について教えてください!

塚本)元々、博士課程に進学するつもりはなかったのですが、留学中の研究や先生や友人に感化されて、ドクターを目指すことを決意しました。修士に年の1月に帰国したのですが、教授と交渉して駆け足で何度か審査を受けて、留年せずに博士課程に進学することができました。

そして、去年3月に博士号を取得し、現在は東大の大気海洋研究所で「ポスドク」(博士研究員)

として1年くらい働いています。

鈴木)専門分野を極められているんですね!

塚本)現在は、初期地球環境でどのように生命が誕生し、進化したのかなどについて微生物学の見地から研究しています。

まず、メタゲノム解析を主軸とした研究を行っています。サンプル中のDNAを網羅的に解析する手法のことです。例えば、スプーン1杯の海水には数百万の微生物が含まれていますが、メタゲノム解析によってそれぞれの微生物の生き様を知ることができます。現在では、安価で早く、サンプル中の大量のDNA配列を読み取る装置が開発されています。一方で、様々な環境から収集された膨大なデータが共有されているのですが、そのほとんどが、どういった機能を持つ遺伝子なのかわかっていません。そこで、このような機能未知遺伝子の機能を明らかにするという研究を行なっています。

二つ目のテーマとして、初期の地球に生息していた微生物の特徴を明らかにする研究をしています。

これまでの研究により、初期生命は無酸素で熱いところを好む微生物(好熱菌)であったとされています。しかし、初期生命がどのようにエネルギーを獲得していたかなど、その生き様はわかっていません。一方で、我々人間が両親から様々な遺伝子を受け継ぐように、微生物も祖先から脈々と受け継いだ遺伝子がゲノムに保存されていることがあります。温泉のような無酸素かつ熱い環境にはしばしば、初期生命から受け継がれた遺伝子を持つ微生物が見つかっています。そこでそれらの微生物の生き様を知ることで、初期生命の理解に繋げようとしています。

鈴木)一口に「微生物」の研究と言っても、知りたいものによって様々なアプローチの方法があるのですね。

将来の夢について教えてください。

塚本)大学教員として働きたいです。また、将来的には外国で研究者として働くことも考えています。

微生物の研究としては、初期地球の特に最初のころに、地球がどのような状態で、どのような微生物が住んでいたかを知りたいです。初期の地球の状況を火星の状況とを比較することで、地球のように生命が発展した星と、火星のように生命が発展しなかった星にはどのような違いがあるのかを知ることができるからです。最終的には、「なぜ地球は生命溢れる星になれたのか、そして他の星に生命はいたのか、そして、今でも存在するのか?」という問いを少しでも明らかにしたいです。

編集後記

古代生物のDNAを調べることが地球の謎を解明する鍵になるというのは面白いと思いました。

留学をきっかけに得意分野を身に着けることも素敵ですね。

今後も塚本さんのご活躍を応援しております!

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