第198回:理系のトビタテ生特集 第13弾小林裕征さん【最先端金属加工を学ぶ】
2021.11.08
みなさんこんにちは!
大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!
「理系のトビタテ生特集」という特集で、
理系分野を専門に学びに行っていたトビタテ生にスポットライトを当てて、留学中に学んだことや、その後の活躍をご紹介しております!
そんな特集の第13弾!今回の専門分野は。。。。。
「金属加工」です!!
今回は、金属加工を学びにドイツへ留学した大学4期の小林さんにインタビューしてみました!
目次
トビタテ!留学JAPANでの留学
小林裕征(こばやしひろゆき)
大学4期 理系、複合・融合系人材コース
留学テーマ:最先端金属加工を学ぶ
工学の中でも医療と関係があることを
鈴木)小林さんは元々金属加工を専門に勉強されていたのですか?
小林)はい、金属加工の中でも、特に小さいものを加工することを専門にする研究室に所属していました。
学部時代は工学部で勉強して、工学の中でも医療と関係があることを学びたいと思っていました。
鈴木)医療系について興味を持った理由を教えてください。
小林)私はずっとサッカーを続けていました。スポーツは物理を知るとより理解が深まります。その中で、体の動きなどの物理現象と医療が結びつくことに気づいて、興味を持ちました。ただ、手術の写真は結構苦手で(笑)
一方で、内視鏡などの処置具については抵抗があまりなかったので、研究してみようと思いました。
留学を決意した時も、内視鏡などに使われるものなど、医療と関係があることを勉強をしたいと思っていました。
鈴木)留学に行こうと思ったきっかけを教えてください。
小林)元々留学に興味がありました。教授たちも、君たちは日本だけで働くことはないだろうから、理系だけど英語を使えるようにしておきなさいと言っていました。研究室を選ぶ時も、留学できるところを選びました。
所属していた研究室には留学生や、休学に抵抗がない人が多くて、先輩も留学をしてレベルアップして帰ってきた人が多かったです。
鈴木)周囲に留学のモチベーションを上げてくれるような人が沢山いたんですね。
米粒より小さい金属のカップ
小林)こうして、大学院修士の2年生の時に留学をすることにしました。
鈴木)留学内容について教えてください。
小林)留学先では、米粒より小さい金属のカップを作っていたのですが、小さすぎて直接目で見てもなかなか分からないので、シュミレーションによる可視化に取り組みました。内視鏡を作るときも小さいものを使うので、そういったものに応用されている技術です。
鈴木)シュミレーション技術について教えてください。
小林)有限要素法(FEM)と呼ばれるものを使っていました。
鈴木)有限要素法とは何ですか?
小林)例えば、イスという物体が、とても細かいブロックが組み合わさってできたかたまりであると考えます。次に、この細かいブロック一つ一つにどう力が加わってどう変形したかを知ることで、イス全体の変形の仕方を知ることができるというものです。金属の加工をするときによく使われています。
留学中には、有限要素法を利用して、微細な金属加工において、金型(工具)幾何形状の誤差(ばらつき)が成形品に及ぼす影響を調査していました。
例えば、1m(1000mm)のものに対する誤差1mmと10mmのものに対する誤差1mmは誤差の影響度合いが異なるので、その誤差の影響を研究したり、誤差による形状変化を考慮したりしました
鈴木)本当に細かい世界ですね…!
①研究所の同僚と飲みに行った時の写真。色々な場所で飲みました。
研究所の同僚と(小林さん:左から2番目)
②オクトーバーフェストのチェキ。トビタテ生と現地で合流。
オクトーバーフェストで
③ウェルダーブレーメンのホームの試合。僕が留学してるときは大迫選手はまだいなかった(泣)
ウェルダーブレーメンのホームの試合
日本のものづくりをよくしたい
鈴木)帰国後の活動について教えてください。
小林)卒業後に、日立製作所の研究開発グループに就職しました。
鈴木)どのようなお仕事をされているのですか?
小林)就職して3年目までは、自分の専門分野が活かせるシュミレーション周りの仕事や、
金属加工に携わる仕事をしていました。車の部品などの大きいものを作ったり、ステアリングやモーター用の部品の金属加工や、エレベーターのドアの加工法の研究をしたりしていました。
現在は部署が変わり、製造系のサプライチェーンの研究をしています。コンサルに近い仕事です。現在の仕事では、留学中にドイツの展示会に調査に行った時の経験が、仕事で海外の技術調査をするときに活かすことができました。
*ステアリングとは? 「自動車の方向変換機構。ハンドルのこと。」
参考:ステアリングとは コトバンクより
鈴木)専門分野を活かしたお仕事はもちろん、それ以外の分野においても留学先での経験が活かせているんですね。
将来の夢を教えてください。
小林)日本のもの作りをよくしたいと思っています。日本でもIT化が進んでいますが、プロダクトでのITの橋掛けになるようにしたいと思っています。
それから、日本の製造業に貢献したいと考えています。現場で、熟練作業者がやめてしまったり、日本で物を作らなくてもいいよね、という雰囲気になったりすることを目にしてきました。そういう雰囲気をどうにかして改善していきたいと思っています。
編集後記
周りに影響を与えてくれる人が沢山いるのは素敵だと思いました。
日本の経済を支えてきたものづくりの技術の進歩や継承が、これからも順調に行われていってほしいと私も思います。
今後も小林さんのご活躍を応援しております!
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