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第200回:とまりぎインタビュー記事 河原麻子さん【日本のヘレンケラーに光を】

鈴木花穂 事務局インターン大学4期

鈴木花穂 事務局インターン大学4期

2021.11.17

みなさんこんにちは!

大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!

私が独断と偏見で選んだトビタテ生にスポットライトを当てて、留学中に学んだことや、その後の活躍をご紹介しております!

今回は、特別支援教育を学びに イギリスに留学した大学6期の河原さんにインタビューしてみました!

トビタテ!留学JAPANでの留学

河原麻子(かわはらあさこ)さん

大学6期 多様性人材コース

留学テーマ:日本のヘレンケラーに光を

盲ろうについて、広い視野で学びたい

鈴木)河原さんは、「盲ろう」について研究されているんですよね。

その分野に興味を持ったきっかけを教えてください。

*盲ろうとは…?目と耳が両方不自由なヘレンケラーのような人。完全に見えず聞こえない人だけでなく、見えにくく聞こえにくい人なども含まれる。また、子どもは盲ろう児、大人は盲ろう者と呼ばれることが多い。(河原さん談)

河原)はい。私は、学部生の時に、特別支援教育を専攻し、特に聴覚障害教育の勉強をしていました。

卒業論文のテーマを決める時に、指導教員からの紹介で、当時20歳の盲ろうの方と知り合い、大学進学や、就職のためのお手伝いをしました。その当時から彼は一般就労を目指していましたが、10年経った今でもなかなか叶わずにいます。盲ろうの人が社会で生きていくにはたくさんの困難があるということを知るにつれて、もっと盲ろう者が暮らしやすい社会にしていくために貢献したいと思うようになりました。

鈴木)近年では障がい者雇用に取り組む企業も増えていますが、それでも就職するのが難しい現状があるんですね…

留学に行こうと思ったきっかけを教えてください。

河原)卒業論文に取り組んでいたときに、盲ろう者の就労や社会参加に焦点を当てた研究は比較的少ないと感じました。何が正解かわからないけど、確かに必要とされていることがたくさんあると感じたときに、もっと視野を広げて学びたいと思いました。そんな時海外の事情を知って、盲ろう教育界での仲間同士で支えあうことの大切さを知り、「欧米諸国では盲ろう支援が進んでいるんだな。仲間に入りたいな。」と思いました。

例えば、ルーマニアで行われた盲ろうの国際学会に参加した時に、ヨーロッパの研究者たちが大勢集まっていて、国を超えてみんなで解決していこうという雰囲気を感じました。その時に、日本にもこういうネットワークがあるといいな、と思いました。

各国の盲ろう支援の実情を垣間見る

鈴木)留学内容について教えてください。

河原)バーミンガム大学の修士課程に入学し、特別支援教育を勉強しました。そこでは、色々な国からきた留学生と一緒に、イギリスの特別支援教育と、様々な国の特別支援教育について学びました。印象的だったのは、宗教による障害者に対する考え方の違いでした。

写真①バーミンガム大学の修士課程で一緒に特別支援教育を勉強した仲間。頻繁に、持ち寄りパーティを開いたり、一緒に出かけたりと、彼らのおかげでとても楽しい時間を過ごすことができました。

一緒に特別支援教育を勉強した仲間と(河原さん:真ん中)

それから、私がお世話になった指導教員は、イギリスの中でも有数の盲ろうの専門家だったのですが、基本的には修士の学生を担当していない方でした。でも、私がこれまでずっと盲ろうについて勉強していることを知って、特別に指導教員になっていただけました。

鈴木)河原さんの熱意が伝わったのでしょうね!

河原)その先生は、イギリスの幅広い地域の学校を訪問して盲ろう教育の指導をしているとても有名な先生でした。なので、帰国後に参加した学会でも、その先生の知り合いの人に出会って、人脈が増えたこともあります。

鈴木)すごい!奇跡的な出会いですね!

河原)それから、盲ろう者支援施設でボランティアもしました。大学の隣にできたばかりの施設で、ちょうどプレ・オープンの時期から関わることができました。オープン・デーという施設が開放される日が頻繁にあり、そこで盲ろう子どもやその他の障害の子ども、健常の子ども遊ぶのをサポートしました。

他にも、自閉症のある子どものいるお家にいって一緒に遊んだり、発達障害で不登校の子どもに日本語指導をしたり、盲ろうに限らず様々なニーズのある子どもと関わりました。

写真②留学中、何度も通った盲ろう支援施設です。「盲ろう」や「特別支援教育」に関わることができる活動には片っ端から参加しました。施設でのボランティアや、学校訪問、日本語を勉強している発達障害のお子さんへの日本語指導、自閉症のお子さんの療育ボランティア等、現地でしかできない経験をたくさん積むようにしました。

盲ろう支援施設

鈴木)日本との違いを感じることはありましたか?

河原)行く前は、盲ろう教育や盲ろう研究はイギリスの方が日本よりも進んでいると思っていたのですが、行ってみたら、どっちが進んでるということはなくて、日本もイギリスにも良さがあり、両国とも大事にされていることは同じだと感じました。

イギリスは人同士が助け合っている感じがあって、盲ろうの人たちにとっても社会参加の機会が多く、居場所がたくさんあると思いました。一方、日本では、建築物などのバリアフリーがすごく進んでいます。それぞれの良さを活かしつつ、お互いの良いところから学ぶことが大事だと改めて思いました。

写真③コベントリーの教会で行われたHiroshima Dayの日。広島と同じく、第二次世界大戦の影響を受けたコベントリーでは、原爆投下の日に広島に祈りを捧げる礼拝が行われています。偶然この礼拝のことを知り、広島出身者として何かしたい!と主催者に連絡をとった結果、佐々木禎子さんのお話を朗読させていただくことができました。

コベントリーの教会で(河原さん:右から3番目)

盲ろうの人を通じて海外の人と繋がることができるのが強み

鈴木)帰国後の活動について教えてください。

河原)博士課程後期に留学していたのですが、帰国後は博士論文で盲ろうについて研究しました。並行して、イギリスで学んだことを活かしながら、日本の盲学校で非常勤として働きました。

国際学会に参加したときには、イギリスで書いた修士論文を発表しました。

現在は、独立行政法人の研究所で研究員をしています。重複障害の研究をするチームに所属していて、大学の学部や留学、大学院のうちに学んだことも活かせています。

鈴木)留学中に学んできたことで、活かせていることはありますか?

河原)特に、イギリスで盲ろうを専門に活躍されている指導教員に直接教えていただいたことや、様々な学校現場を訪問し、お話を聞いたことは、机上では知ることができなかったことばかりです。これらは、研究をする上でも、指導に関わる上でも大きな自信につながりました。だから、盲ろう教育に携わる学校の先生にお話をするときに、実際に見てきたからこそ、「これが大事なんだ」とか、「こんな方法もあるよ」と自信をもって伝えられるようになりました。

鈴木)将来の夢を教えてください。

河原)まずは、盲ろう者の就労に協力したいです。学校段階から、学校卒業後を見据えてしっかり力をつけられるようにできたらいいな、と考えています。

野望としては、アジアやヨーロッパとの盲ろう児・者支援のネットワークを構築したいです。欧米のネットワークの議論にももっとたくさん参加し、彼らと協力して、盲ろう教育や盲ろう福祉を盛り上げて、関心を高めていきたいです。盲ろう研究に対する熱意こそが、私の強味であり、そして私自身を作っていると思うので、これまで作ってきた海外とのつながりをさらに広げていき、様々な人と協力して日本の盲ろう教育に貢献していきたいと思っています。

編集後記

障がい者福祉に携わる人は多いですが、その中でも海外で活躍されている人は珍しいので、素晴らしいと思いました。文字数の関係で割愛しましたが、私が留学していたロシアについて、意外な一面を見ることができたのは、興味深かったです。

今後も河原さんのご活躍を応援しております!

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