とまりぎ とまりぎ ートビタテ生の拠り所、トビタテ生の和を作るー

第226回 留学リベンジャーズ特集vol.2 寺社下弥生さん 「”アイデンティティを確立したい” 自分の強みを見つける留学」

伊藤舞音【事務局インターン,高校4期】

伊藤舞音【事務局インターン,高校4期】

2022.04.07

2回以上留学に行ったことのあるトビタテ生を取り上げ、何度も渡航したいと思える留学の魅力や何度も留学を経験しているからこそのエピソードを紹介していく、題して「留学リベンジャーズ」特集。その留学のモチベーション、きっかけはなんだったのか……

第2回目はトビタテ高校生コース1期生、現在は台湾の大学に留学されている海外留学Now!なトビタテ生!寺社下弥生さんにお話を聞いてみました!

【インタビュアー:伊藤舞音(事務局インターン 高校生コース4期生)】

 

今回のトビタテ生(インタビュイー紹介)

・名前:寺社下弥生

・トビタテ高校生コース1期

・留学先:高校 / スリランカ 大学 / 台湾の大学に留学中

・留学テーマ:高校時代▷”幸せの定義”を探しに

          大学  ▷新たな武器作り。専攻は広告デザイン

  

”幸せ”の定義って人それぞれ違うんじゃない??

伊藤
伊藤
本日はよろしくお願いします!トビタテでは高校1期生としてスリランカに、現在大学では台湾の大学に海外進学という形で現在まさに留学中の寺社下さん。まずは”幸せの定義”を探す、という初めての留学テーマ決定のきっかけが知りたいです!
きっかけは高校での授業です。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
高校での授業、というと、世界史とか……ですか?
それがちょっと違って、実は私は国際系の高校に通っていて”ワールドスタディーズ”という世界の現状について知るみたいなテーマの授業があったんです。その授業で、スリランカではなかったのですが発展途上国の子どもたちが日本のメディアに取り上げられている映像を見ました。そこに映っている子どもたちはとても幸せそうに、楽しそうにしているように私には感じられました。でも、その映像内で”かわいそう”というフィルターのようなものをかけられて報道されていることに違和感を感じて。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
あぁ、私もいくつかそんな感じの映像、出会ったことあります……違和感感じたこと、あります……
ですよね!それで、それって私たちの中の”幸せ”と、彼女・彼らにとっての”幸せ”が違って、だとしたらその”幸せ”ってどんなものなんだろう、って気になって。それを実際に見つけにいきたいな、と思ったのがきっかけです。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
なるほど!何をもって”幸せ”と感じるか、の違い、確かにありそうです!!!深い……

 

初めての留学先、選んだ理由は”インパクト”!?

伊藤
伊藤
あの、ずっっと気になってたこと、聞いてもいいですか! なぜ初めての留学先をスリランカに……? 初めての留学先にしてはインパクトが強すぎて気になっちゃいました笑
おおお!まさに!狙った通りのその反応、待ってました!笑
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
狙っ……た!?
さっきチラッとお話ししましたが、私の高校はかなり国際的で。私は中学校時代、特に英語が得意で、英語が好きかも!もっと伸ばしたいかも!という本当にそれだけの理由で国際英語科のある高校に進学したんです。でもいざ入学して周りを見渡してみたら、少なからず海外で暮らしていた経験があるというような帰国子女ばかりで。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
ものすごい環境の変化!!!さながらインターナショナルスクールじゃないですか!!!
本当にそんな感じです笑 で、もちろんそんな環境なので、中学時代から得意だった英語の成績も普通にドベ……みたいなのが何回も続いて。”英語が得意”というのが中学までの自分の肩書きでありアイデンティティだったので、あれ?私の強みって、アイデンティティってなんなんだろう?ってわからなくなってしまって。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
辛い……
当初はそのコンプレックスになってしまった英語を克服するために、アメリカやイギリスなどに1年間留学に行こうかな、と考えました。でも、欧米圏に住んでいたクラスメートがほとんどの環境で、同じ欧米圏に留学しても同じ道を辿るだけなんじゃないかな?と思って。それならいっそこの教室の誰もが行ったことのない国に行けば自分を代表するハッシュタグみたいなものが見つかるかも!と思って、欧米圏ではない留学先に行くことを決意しました。その中でも、いろんな国がある中で「スリランカ」という国を見た時、当時の自分は聞いたことないな、今後もよっぽどのことがないと行く機会ないだろうな、よし行こう、みたいなノリでスリランカにしました!
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
とてもユニークな留学先決定の仕方ですね!でもそのアプローチの仕方も面白い!素敵です!!!

 

リピート留学の決め手も”みんなと違う”だった

伊藤
伊藤
ここまで、トビタテでの初めての留学経験についてお聞きしてきましたが、今現在留学中の台湾の大学へのリピート留学を志すきっかけはなんだったんですか?
トビタテでのスリランカへの留学後、やっぱりクラスメイトからの反響がすごくて。『弥生、スリランカ行ったの?てかスリランカってどこ?どんな国?』みたいに食いつかれることが増えて、やっぱりみんなって知らないものや初めてのものに興味を持ってくれるんだなということに気づくきっかけになったんです。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
確かに!自分の経験したことのないことだったり、初めてみたり聞いたりするものって自然に体が前のめりになっちゃうというか、もっとお話聞いてみたいな、知りたいなって思っちゃいます!!!
それで、また”みんなと違う”自分だけのフィールドで戦ってみよう!と思い、大きく振り切って日本の大学進学ではなく、海外の大学進学を志しました。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
海外の大学、といっても本当にいろんな選択肢があると思うのですが、台湾の大学を志したのにはどんな理由があったのですか?

スリランカに行ったことが大きく影響しています。当時の感覚では欧米圏じゃなくてあえてアジアに留学へ行く、みたいな人と違う経験を選択したことで道が開けた感覚があって、「必ずしもみんなと同じフィールドで生きていく必要はないんだ」という気づきがありました。その時に、私は英語科にいるし、周りも英語が強いけど、必ずしも英語で彼女たちと同等レベルになる必要があるんだっけ?私は私が戦いやすいフィールドで生きていけばいいんじゃない?と思って、興味があった中国語に手を出してみたらめちゃくちゃ面白くて、これは日本の大学で中国語を専攻する、とかではなくて海外に飛んでしまおう!と思い日本と近くて学費も日本の私立の半分くらいで行けてしまう台湾の大学にいくことを決めました。
寺社下さん
寺社下さん

伊藤
伊藤
これも反響凄そう!!!他にも理由はありますか?

実は、台湾の大学進学を意識し始めたのはスリランカ留学前でした。留学前は台湾の大学に行きたいな、くらいの気持ちで、あと一歩、絶対にここに行く、という気持ちにはなれなくて。というのも、留学経験のない私にとってまさに台湾は未知の国だったので笑 でも、スリランカに留学したことで、あれ、私案外なんとかなるって自信がついたんです。
寺社下さん
寺社下さん

伊藤
伊藤
すごい!留学に行ったからこそ身についた自信!
私の場合、語学力が十分に身についたから、っていう自信のつき方じゃなくて。スリランカへ行く飛行機の遅延で長時間空港に1人孤独に待機、拙い英語で乗り継ぎ便の問い合わせ……っていうどん底スタートで始まった色々しんどい留学だったんです。今考えても高校生が初の海外渡航で、しかも一人でそんな経験をするなんて結構震えちゃうんですけど、それでも最後は一人で日本に戻って来れて。これが大丈夫だったんだから台湾の大学進学だって大丈夫、っていう自信が湧いてきたんです。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
なるほど〜!なんとかできちゃうぞ、自分!って気づくことができた最高の留学経験!そして海外の大学への進学が選択肢の一つに入ってからの行動の速さと実行力、見習いたいです。かっこいい!

運命の席順。トビタテとの出会い、そして留学。

伊藤
伊藤
ところで、高校1期での留学ということでまだトビタテの知名度が低かったと思うのですが、なぜトビタテでの留学をされたんですか?
国際的な高校だった、というのもあって、高校1年生の時にトビタテのチラシが配られたんです。いつもの私ならあまり興味も抱かずサラッと見てそれで終わりだったと思うんですけど笑 でもその時たまたま後ろの席(今となっては親友)の子が何これ??って食いついてて、学内の説明会あるみたいだから行ってみようよ!というその子に連れられる形で説明会を聞きに行きました。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
うわぁ!よく聞く”友達の付き添いで”パターン!友達ナイスプレー!!!笑

本当に感謝してます。その説明会に行ったことで、もし合格できたら奨学金で留学が出来ちゃうんだな、って今までの自分にはなかった”留学”の選択肢がブワァァァァァって増えた感覚があって。でも、これだけだったら応募はしてなかったと思います。その時、ここまで連れてきてくれたその友達に「どうする〜?」って聞いたら普段のフワッとしたその子の姿からは想像もできないような眼差しで『私はやる。』って言われて。それを見た時になんか震えちゃって。私もやろう。って思ったんです。本当にその子が後ろの席に座っていなかったら留学なんて自分の選択肢にはなかったので、運命の席順でしたね。笑
寺社下さん
寺社下さん

伊藤
伊藤
チラシを受け取った時には無関心、というか、ものすごく受け身な感じだったのに、説明会が終わった頃には自分から動き出していて、とってもエネルギッシュだなって思いました。何がどうつながるかわからない、いろんなところにきっかけは落ちてるんですね!

留学してみて感じた2つの国の共通点

伊藤
伊藤
スリランカと台湾、二つの異なる国に留学されてみて、何か似ているな、と感じたことはありますか?
滞在期間が大きく異なるので、正直スリランカのことは表面的にしか知らないんですが、どちらの国の人も優しい、あとはそうですね……あっ!時間にルーズ、っていうのは共通しているのかもしれません。笑
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
でた!時間にルーズ!!!
本当にどっちも時間にルーズだなって思います。スリランカに留学中、活動に行くための迎えの車が平気で3時間遅れてきたりとか、台湾でも授業に遅れてくることはざらにありますし……本当に耐えられないです笑
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
私も留学先で公共のバスがいつまで経っても来なかったときはあれ?時刻表読み間違えた?!って焦った記憶があるので、ものすごくわかります笑

 

気になる!リピート留学のモチベーション

伊藤
伊藤
今までお話を伺ってきて、悔しさ、みたいなものが寺社下さんのことをいろいろな場面で奮い立たせているな、と感じたのですが、ズバリ寺社下さんにとってのリピート留学を決めるモチベーションはなんですか?

武器を身につけることだと思います。
寺社下さん
寺社下さん

伊藤
伊藤
詳しく聞かせてください!
当時の高校のクラスメートと比べると、私自身英語を頑張りたくて入学したけれど、どんだけ頑張っても彼女たちには勝てないという、悲しいけれど間違いない感覚があって。でももし彼女たちがまだ身につけていない武器を自分が身につけることができたとしたら、って考えたんです。結果として英語は挫折、という形にはなってしまったけれど、1個挫折したって他に2・3個新しい武器を磨けばいいわけで。私自身、新しい武器を身につけるその過程をすごく楽しむことができたんです。そんな考えが台湾の大学に進学する時のきっかけでもあり、大きなモチベーションだったと思います。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
なんだかものすごくキラキラしていて、お話を聞いているだけなのに私までやる気に満ち溢れてきました!笑

 

自分から動くことで得られるものがある

伊藤
伊藤
スリランカでの留学経験の反省を踏まえて、今現在の台湾での留学に活かしたことや挑戦したことはありますか?

ありますね。スリランカへの留学中、英語が喋れないというコンプレックスがあって。一緒に活動してくれた各国から来た同年代の人たちが気にかけて話してくれても自分から積極的にコミュニケーションを取れてはいなかったんです。自己開示ができていなかった、自分から関わることができていなかったなと。その経験から偶然享受できるものはあってもそれ以上は得られないんだな、と反省しました。なので、台湾に留学してからは自分がやりたいと思ったことは国関係なくどこにいてもできるぞ、と考えて、何事にも積極性を持って、自分から動く、を意識して取り組んでいます。
寺社下さん
寺社下さん

伊藤
伊藤
なるほど。自分から動くことでより効率的に経験値を得られるというか……なんだかゲームみたいですね。

 

継続的なコミュニティーから生まれるさまざまな関係

伊藤
伊藤
寺社下さんの感じるトビタテの魅力はなんですか?
そうですね……私、トビタテに合格して衝撃的だったことがあって。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
なんだろう……気になる!!!

日本国内の広さ”ですね。私、初めて全国区に友達のネットワークができたのがトビタテだったんです。色んな思いで留学に行くトビタテの仲間と出会って、可能性に溢れたコミュニティだな〜と思いました。また、トビタテは渡航後のフォローアップも手厚いな、と感じてます。たくさんイベントを開催してくださっていて、ずっと誰かと関わり続ける環境が用意されているんです。実際、トビタテのイベント繋がりでお仕事をご一緒させていただいたこともありますし、本当に人との繋がりやその多様性はトビタテならではの魅力だし、好きだな、と思うところです!
寺社下さん
寺社下さん

伊藤
伊藤
確かに、トビタテって留学後もずっとコミュニティーが生き続けていて、学校も県も年齢も違うトビタテ生同士で連絡を取り合ってる、って話をよく聞きますね。私も何人かいまだに連絡を取り合っている友達がいるので、ものすごくわかります!

 

留学は信頼できる自己分析ツールだった?!

伊藤
伊藤
ズバリ留学の魅力ってなんですか?

新しい自分を知ることができることだと思います。意外と自分こんなことできちゃうんだな、とか、意外とこんなことに抵抗感があるんだ、踏み出せない時があるんだ、とか。どんな自己分析をするよりも、留学に行けばいやでもそういう部分が炙り出されると思うんです。
寺社下さん
寺社下さん

伊藤
伊藤
なるほど。普段と全く異なるアウェイな環境だからこそ、真の自分が炙り出される……深いです!

 

挑戦は怖くない。留学で得られたものとは

伊藤
伊藤
そんな寺社下さんが考える留学で得られるものってなんですか?
タフさかなと思います。本当にいろんなことが”なんとでもなる”って思えるようになるんです。例えば今、中国語で授業を受けて、課題を提出して、プレゼンして、みたいなことをやっていると、日本のインターン先で行っているプレゼンがどんなに辛くても第2言語を使ったプレゼンに比べれば楽勝、って考えられるようになるんです。例えるのなら、一度留学に行くと、怖いな、不安だな、しんどいな、っていう自分の中のハードルがどんどん下がっていく感覚ですかね。
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
すごくわかりやすい!!!
私自身、ハードルが下がっていくその感覚を得られたことで新しいことに挑戦する一歩をどんどん踏み出せるようになっているな、と感じているので、本当に留学してよかったです。失敗もどんどん受け入れられるようになりますし!
寺社下さん
寺社下さん
伊藤
伊藤
なるほど。だからこそ今でもいろいろなことにどんどん挑戦し続けているんですね。スタートのハードルが下がる、確かにどんなことでもなんだかできちゃう気がします。

 

結局いつがベストなの??留学時期のすゝめ

伊藤
伊藤
どの世代での留学がおすすめですか?

高校生の時に行けるのならば、行って欲しいな、と思います。1週間でもいいし、3日でもいいので、”旅行”ではない”自分で何かをしてみる”経験をして欲しいです。その過程で出会える人も、全然普段とは違うと思うし、そこで感じることも何かを考えるきっかけになるかもしれないし、何か1つそんな経験が自分の中にあるだけでこれからの選択肢もどんどん広がっていくと思うんです。私自身、高校生の時に3週間スリランカに行けたことが今の自分に至るまでのさまざまな決断や考え方にいい影響を与えてくれたので、期間は関係なく、高校生のうちに留学してみて欲しいな、と思います。説得は大変だと思うけれど笑
寺社下さん
寺社下さん

伊藤
伊藤
そうですね。私もいろいろストップをかけられました笑 高校生での留学は何かと障壁が多いかもしれませんが、伝え方を工夫して、ぜひその障壁を乗り越えて留学して欲しいですね。

”ふらっと”留学に行ってみよう

伊藤
伊藤
最後に、これから留学を考えている人に向けてメッセージをお願いします。
留学に行って後悔している人をみたことがないし、私も後悔をしたことがないです。また、先述したように留学に行くことで旅行とはまた違った経験値を得られると思うので、自分の中に留学という選択肢があるのなら迷わずに行って欲しいな、と思います。留学に行くって、一大イベント感あるし、もちろんそうなんだけど、部活に行く、何か新しい趣味を始める、みたいなことと並列で選択肢に入れてみて欲しくて。だからこそ、行くぞ!っていうものすごく気合を込めた覚悟を持っていくのではなく、”まぁ行ってみるか〜”くらいの軽い気持ちでトビタってみてほしいです。
寺社下さん
寺社下さん

 

あとがき

”自分のアイデンティティ”ってなんだろう”自分だけの強み”ってなんだろう、という漠然とした不安を留学経験を通して昇華させた寺社下さん、どんな時も、未来の”こうありたい”自分の姿を見据えてとにかく行動する姿が印象的でした。どのお話もエネルギッシュでとても元気をもらいました。この記事を読んで下さった方の何かを始めるきっかけの一つになったら嬉しいです。ありがとうございました!

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