とまりぎ とまりぎ ートビタテ生の拠り所、トビタテ生の和を作るー

~はじめての留学特集 ~総集編 No.2「海外初チャレンジトビタテ生の十人十色留学挑戦記」~

青山実央【事務局インターン,大学12期】

青山実央【事務局インターン,大学12期】

2022.03.29

 2014年にトビタテ!留学JAPAN~日本代表プログラム~がスタートし,8年が経ち,これまで,大学生コースでは約6000人が世界に羽ばたきました。
 この特集はそんな派遣学生の中から「海外初チャレンジ枠」で留学したトビタテ生に注目し,留学のきっかけ,はじめての留学の話,留学後の変化に迫ってきました。インタビューをした人は学生から社会人など広い年代に渡り,「はじめての留学」という切り口でインタビュイー自身の人柄を伝えてきました。
 今回は18回に渡ったこれまでの特集の総集編として,インタビュー記事を振り返っていきます。
 どのような思いが彼,彼女たちを留学へと突き動かしたのか,また,それぞれが感じた留学後の変化はどのようなものだったのか。世界へのトビラが開き始めた今。私たちが海外へ留学する意味とは何なのか,考えるきっかけとなる特集かもしれません。
 今回は,総集編の後編をお送りします。
【特集担当者:青山実央(事務局インターン,大学12期)】

vol.10
高田浩気
ニカラグア・コスタリカ
「現地のNGOから学び・行う実戦的な教育活動」

「『留学に行ったこと』が人生のキーポイント」

大学7期でニカラグアとコスタリカに留学した高田浩気さん。大学の先生の一言が留学を決意のきっかけでした。トビタテに応募した当時は,高田さんは大学3年生の秋。留学できる最後のチャンスに向かった先は中米のニカラグアでした。途上国の実戦的な教育を学んでいた最中に起きた反政府デモ。誰も予想しなかった出来事にも遭遇しながらも,今度はコスタリカへ。留学を経て,高田さんの将来の道にも変化が訪れました。

 ゼミの先生が「一度でいいから海外に行ってみた方がいい」ってよく話していたんです。自分はスポーツ教育学科に属していたので,子どもたちに勉強とか社会を教えるにあたって,海外に行って視野を広げたほうがいいという先生の思いがあったようでした。それで,スタディツアーでカンボジアにボランティアとして参加しました。それが留学を決意した最初のきっかけでした。
カンボジアに行ったときに,平日の昼間なのに子どもがお店の手伝いをしている様子を見て,「まだ,児童労働に似た現状が残っているんだ」と思ったんです。カンボジアの学校に訪問した時も,目を輝かせながら勉強する子どもたちを見て,日本で学んでいる子どもたちとのギャップにびっくりしたんです。こういう貧しい国でも学びたくて勉強している子どもたちがたくさんいるのに,学ぶ機会がきちんと与えられていないのはどうなんだろうと感じました。そんな貧困に苦しんでいる子どもたちを助けたい,そして,学びたいと思っている子どもたちにきちんと機会をつくってあげたいって思ったんです。
そこから,1年間くらい途上国の状況を見てみたいなと思って,留学を決めました。

vol.11
藤井優花
ベルギー・デンマーク・オーストラリア
「難民のエンパワーメントを学ぶ」

「あのときの回り道は無駄ではない」

大学9期でベルギー,デンマーク,オーストラリアに留学した藤井優花さん。18歳のときに,留学が決まっていた藤井さんですが,病気によって断念。そして,2年半後,トビタテで留学を叶えました。難民のエンパワーメントをテーマに留学するなかで体験していく「国籍,性別を超えて『人柄』や『スキル』で評価される世界」。藤井さんは2年半待ったからこそ,実現できた留学だと語っていました。回り道をしながら,苦しい思いをしながら達成した留学から得たものは何だったのでしょうか。

 特に印象的な話は,ベルギーの難民センターにいたときに,私と同世代くらいのパレスチナのガザ地区から来た難民の青年から聞いた話です。彼の住んでいた地域が爆撃にあって,その青年も頭にケガをしていました。彼が「これを見てくれ」って傷口を見せながら,話が始まったことが衝撃的でした。その爆撃で,親戚を亡くして,自分の国で生活ができないから,逃げてきたようでした。中東からいろんな国を超えて,北アフリカのリビアにたどり着いて,リビアから海を渡り,ベルギーまでやってきたんです。やっと思いで着いたベルギーで待っていた現実は,後遺症との戦い,難民申請中で不安定な生活でした。家族はまだパレスチナにも残っていて不安な状況が続いていることもあって,私では想像も出来ないような人生を歩んでいました。
そんな彼が最後に「君が日本で難民のことを学んでいる。そして,日本にも難民がいるっていうことを僕は初めて知った。これを君に話した理由は,君がこれを知ったら,日本にいる難民に何かしてくれると思ったからだ」って言ってくれたんです。その時に,こんな会って間もない人を信頼して,彼なりに同じ境遇の日本にいる難民の方の未来を託してくれたんだと思いました。背中を押される気持ちでもあり,覚悟を見られた気持ちでもありました。

vol.12
小沼あみ
イギリス
「高齢者社会を映画で豊かにする」

「いまの自分があるのは留学に挑戦したから」

大学11期でイギリスに留学した小沼あみさん。「高齢化社会を映画で豊かにする」ことをテーマに留学しました。しかし,留学開始1ヶ月で新型コロナウイルスの影響で緊急帰国となってしまいます。本当にやりたかったことは留学で達成できなかったと語っていた小沼さん。それでも諦めずに,日本でできることはないかと映画の魅力を発信するインターンを始めました。「自分が本当にやりたいことは何なのか」そんな思いと自問自答し続けた小沼さんが語る留学への思いとは。

 (留学を中断して)落ち込んだ時期はありました。大学1年生の時から準備していて,留学できたのは大学3年生の終わりでした。大学生活の半分以上を留学に捧げてきた生活だったんです。なので,「留学準備に費やしてきたこの2年間は何だったんだろう?」と思ったこともありました。でも,留学やトビタテにチャレンジしていなかったら,出会わなかった人たちがたくさんいましたし,自分の殻を破るきっかけにもなりました。なので,トビタテを選んで留学したことに後悔はありません。
それに,途中帰国になったときも,1人だけだったらすごくモヤモヤしていたと思うんです。でも,一緒に事前研修を受けた11期の人たちも帰国することになっていたので,その時に連絡を取り合っていました。同じ境遇の人たちがいるっていうことは心の支えになりました。それに,みんなが帰国してからも日本で頑張っている姿を見て,「私も頑張ろう」と思えていました。

vol.13
吉永圭吾
台湾
「『かもめの玉子』で岩手を発信!」

「活動の原点は留学で得た経験」

大学9期で台湾に留学した吉永圭吾さん。ご自身が通っている大学がある岩手県の魅力を沢山の海外の人に知ってもらいたいと留学を決意しました。注目したのは岩手県の銘菓「かもめ玉子」。台湾で岩手県のことを発信していくうちに芽生えた「台湾の魅力もたくさんの日本人に知ってほしい」という思い。帰国後には,学生団体を立ち上げ,「岩手と台湾」という冊子を通じて台湾の魅力を発信しました。そんな吉永さんが描く将来の夢とはどのようなものなのでしょうか。

 0から何かを作るっていうことが好きなので,起業をしてみたいなと思います。今はまだ,ざっくりとしていて,ビジネスプランがあるわけではないんです。でも,1つの目標としていることがあって,それは「自分が社長の会社で働いてみたい」思ってもらうことです。大学時代から,起業家や経営者になりたいと学生団体のメンバーに話していて,その時に,「圭吾が社長の会社で働いてみたい」って言ってもらえたんです。その場のノリでメンバーは言ったのかもしれないですけど,自分はそれがすごくうれしかったんです。本当にそんな会社を自分が作れたらいいなと思います。これまでの時間を一緒に過ごしてきた仲間と一緒に働ける場所を作るということが1つの夢です。

vol.14
半井翔汰
タイ
「国として産業を発展させているタイでビジネス留学」

「トビタテでの出会いは人生の宝物」

大学6期でタイに留学した半井翔汰さん。大学内の友人たちがやりたいことをして活躍している姿を見て感じた「焦り」をきっかけに留学を決意しました。海外で働くことができるプログラムを見つけて,タイへ留学。帰国後には留学中に何も生み出すことができなかったという葛藤と夢や目標に溢れたトビタテ生との出会いをきっかけにさまざまなアクションを起こすようになりました。

 すごくアクティブになりました。留学中に自分一人で何かを生み出すことができなかったという葛藤があったんです。事前研修とかで出会うトビタテ生って留学がちゃんと手段化されていて,留学後のVisionも決まっている人がたくさんいたんです。そんな人たちを見ながら「自分には彼らほど明確なものがない」って自分の中では思っていました。でも,話していくうちに「こんなことやってみたいな」「何かを生み出したいな」と思うようになって,その気持ちで留学しました。だから,そんな思いがあったのに,留学では生み出せなかったなという葛藤がありました。でも,同時に自分はまだそういう段階にいなかったんじゃないかなということにも気づかされました。
それに気づけたこともありましたし,留学をきちんと終えることができたという自信もついたので,行動を起こすことに対するハードルが低くなりました。
それと,トビタテで出会った仲間の影響も大きいかもしれません。自分が突き詰めたいテーマとか興味関心に向けて,アクションを起こしつづけている姿勢がすごく印象的でした。そんな人たちから刺激をもらっていたのかもしれません。

vol.15
下地言奈
イタリア
「地域の誇りとまちづくり」

「挑戦への第1歩がトビタテでの留学だった」

大学9期でイタリアに留学した下地言奈さん。大学に入学してすぐに大分県地域人材コースの募集を見つけ,応募したそうです。イタリア独自の街づくりを学ぶために留学し,そこから「行動することの大切さ」を実感した下地さん。留学後には,イタリアの街づくりを大分県でも実現しようとあるプロジェクトに参加しました。

 私はトビタテで留学をして,行動することの大切さを学びました。留学したいなと思っているだけじゃ,自分が変わることはなかったんじゃないかなと思っています。コロナ禍で,留学の見通しがたたない人もいると思います。それでも,留学したいと思っているのであれば,この間に語学を勉強するとか留学に必要なことを自分ができる範囲で続けていくことが大切だと思います。今は留学ができなくても,その機会は必ず巡ってくると信じて,今できることを全力でやってほしいです!

vol.16
れいか
イギリス
「誰もが自分らしく暮らせる日本を目指して~2020年東京オリンピック・パラリンピックをスタートラインに~」

「思いがけない出会いが私を成長させてくれる」

大学8期でイギリスに留学したれいかさん。イギリスの特別支援教育をパラスポーツから紐解く留学をしました。パラリンピック発祥の地であるイギリスの障がい者支援を体験し,留学後には,東京パラリンピックを通して日本でも話題となったボッチャを通して,パラスポーツを知ってもらう活動をしました。そんなれいかさんが留学を通じて得た「出会い」とは。

 給付型の奨学金というところはトビタテを選んでよかったなと思っています。私は留学中,住居費と食費はかからなかったんです。でも,知り合ったパラスポーツ選手の方と一緒にイタリアへ試合に行ったり,ドイツに車いすバスケの試合を見に行ったりしていたんです。テーマに繋がる場所に遠征に行けたのは経験にお金を惜しまないことができたからだと思います。費用面をあまり考えなくてよかったからこそ,「今しか行けないよね?よし!行こう!」って行動に移せたんじゃないかな?と思います。
あとは,トビタテ生と知り合えたということもトビタテで留学してよかったなと思っています。トビタテのコミュニティの出会いって思いがけないことが多いんです。自分の目標や信念に向かって積極的に活動している人や,目標を実現している人達に囲まれていると,自分の消極的さや努力不足を痛感することも多いと思うんです。それで,いやだなって思うこともあるんですけど,そういう人達がたくさんいる環境にいないとそんなことも思わないし,自分の知識が広がったり,経験が深まったりすることもないと思います。そこから,もっとやりたいことが増えました。そんなことを思えるのもトビタテで留学して,いろんな人と出会ったからだと感じています。

vol.17
木下郁弥
アメリカ
「アメリカの経済を知って日本の経済を活性化する」

「思っているだけでは何も変わらない」

大学7期でアメリカに留学した木下郁弥さん。「はじめての海外はアメリカだ!」という思いでアメリカ留学を決めたそうです。お金を求めたり,ステータスを気にしたりすることが多かった木下さん,留学を通して変化が起こりました。それは「自分のやりたいことをする」と決めたこと。そして,大学2年間休学しました。そんな木下さんが語る将来の夢とは。そして,留学を夢見る学生へ送るメッセージとは。

 やりたいことやって生きていこうっていう考えになりました。留学前は4年間で大学を卒業して,大企業や政府機関に就職したら,人生安泰だっていう考えだったんです。でも,留学したら,留学先では自由な考え方をしている人が多くて,地位とか名声,お金とかを求めて生きている人が少なかったんです。自分は結構そういうのを気にして追いかけるタイプだったので,留学で出会った人たちをみて,自分のやりたいことをやっている人ってかっこいいなと思って,自分もそんな生き方をしてみたいと思うようになりました。

vol.18
久保木さやか
韓国
「誰も取り残さない。そして,誰もがトビタテる社会へ」

「挑戦することの大切さを知った」

大学9期で韓国に留学した久保木さやかさん。大学入学後に英語力不足を感じて,留学したいという気持ちに蓋をしていましたが,K-POPをきっかけに好きになったことをきっかけに韓国留学を決意します。若者支援をテーマに留学していた久保木さんですが,自身の留学中に日韓関係が悪化したことをきっかけに,日本と韓国の若者の対話イベントを開催しました。トビタテでの留学を通して感じた「挑戦することの大切さ」。そんな久保木さんは「留学は自分の殻にヒビを入れる絶好の機会だ」と語っています。

 なんでも挑戦してみるかっていう考えに変わったと思います。留学前の私は物事に対して,ちょっとハードルが高いな,無理そうだな,できないかもなと思ったら,スパっと諦めるタイプだったんです。それが留学後には「諦めるか」が「やってみるか」に変わったんです。日本以外の場所で生活したり,積極的にいろんなことに挑戦できたりしたという経験をしたからじゃないかなと思っています。

特集を終えて

 今回は,総集編の後編をお送りしました。

 私がこの特集を始めたときは,まだトビタテでの留学が叶わない時期でした。私自身もいつから留学に行けるのか分からないままインタビュー記事を書き続けていました。

 そんな私と同じような不安を抱えた同期のトビタテ生,留学に行こうとワクワクした気持ちを持っていながらも諦めた大学の友人,進路の関係でオンライン留学を始めたトビタテ生,泣く泣く辞退したトビタテ生。そんな皆さんに「はじめての留学」という切り口から「明日も頑張ろう」「きっといつか夢を叶えることができる」と勇気を与えられたらいいなと思っていました。

 「留学を夢見る学生へのメッセージをお願いします」

 この特集記事の最後に必ず聞いていたことです。文字通り「留学を夢見る学生」に向けたメッセージをいただいたものなのですが,私も留学に行きたい学生。直接,先輩トビタテ生から応援してもらえている気がして,何度も励ましてもらいました。そんなトビタテ生からの言葉はきっと,留学だけじゃない,何か目標や夢を持って頑張っている人にも届くメッセージなのではないかと思っています。

 今はトビタテでの留学ができて,やっと世界へトビタてる世の中が戻ってきました。私が特集を始めたときには,心の中では「トビタテでの留学は叶わないのではないか」と思っていたので,本当に想像もしていなかった出来事です。まだまだ不安なことがいっぱいな世の中ですが,皆さんの夢が叶うことを祈っています。

特集担当者:青山実央

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