第254回:マイプロ特集#07:「面白い!」を生み出すシェアハウス「Pre-Seed」
2022.08.08
「トビタテ生のプロジェクトをもっと広めたい!」という思いからスタートしたマイプロ交流会インタビュー企画!
マイプロとは、留学を通して得た学び・興味・関心などを基にして、トビタテ生自身で発案・企画し実行する活動。
そんなマイプロを起点に自由に交流できる場として、マイプロ交流部屋というコミュニティが運営されています。
みなさんこんにちは!トビタテ11期の竹下です!
今回は西新宿で起業家シェアハウス「Pre-Seed」を運営する、トビタテ10期の角田悠太さんにインタビューしてきました!
留学を通して人生どん底経験を味わったという角田さん。そこからどのようにして困難に立ち向かっていったのか?また、シェアハウスを運営する上で大切にしていることとは?
起業家を目指す方はもちろん、シェアハウスに興味がある方、人生どん底経験をしたことがある方、自分と向き合うコツが知りたい方には是非みてほしい内容です!
【インタビュー、構成:竹下菜々子】
目次
今回のトビタテ生の自己紹介
名前:角田悠太
期・コース、国:大学10期・新興国コース、フィリピン・シエラレオネ共和国
期間: 2019年4月〜2020年2月
テーマ:貧困地における雇用問題の解決
経歴:貧困で苦しんでいる人たちをサポートするため、フィリピンとシエラレオネ共和国に留学。フィリピンの貧困層出身の青少年たちを雇用するレストランでは、英語やビジネス指導を行い、学歴がなくても仕事ができるような状態に持っていく活動。シエラレオネでは、現地の布を使ったアパレル商品を製作・販売し、現地の人たちの収入向上を図る活動や農村部の人たちの教育支援や孤児支援に携わる。
事業概要
───面白いを生み出すシェアハウス「Pre-Seed」
竹下:現在行っている事業について教えてください!
角田:面白いを生み出すシェアハウス「Pre-Seed」を運営しています。自分のやりたいこと、実現したいことを持ってる人たちが同じ空間に住みながら、事業を1、2年かけてしっかり作り込む場になっています。シェアハウスに住みながら、お互いの事業をサポートやアドバイスをし合ったり、あるいはチームメンバーとして実際に動いてもらったりと、さまざまな形で事業が前に進んでいくような環境を作っていきたいと考えています。
角田:特に深夜の時間帯は住人の顔が揃うので、「最近どうよ。」みたいな話から、「それだったらこういう風にやれたらいいんじゃない。」といったようなプチ相談会はよく起きますね。
竹下:どのくらいの人数の方が入居されているんですか。
角田:今、わたし含めて3人で住んでいて、今月から1人、来月からプラス2人で住む予定になっています(2022年8月現在)。個人的に面白いと思っていることが、現時点のわたし以外の居住者2人が教育に関心を持っているんですが、来月以降の居住予定者も教育や国際協力に関心がある人たちなんですよね。社会課題に関心を持ってる住人たちが多いので、そういう人たちにとって同じような志を持って活動しているが集まるシェアハウスは、嬉しい場所なのかな、と思ったりしています。
事業を始めたきっかけ
───想いを実現できる場所「スタートアップスタジオ」のプロトタイプをつくってみた
竹下:このプロジェクト「起業家シェアハウス」を始めたきっかけを教えてください。
角田:「社会貢献を仕事にする」をコンセプトにしたインタビューメディア『COCOCOLOR EARTH(ココカラアース)』の副代表として活動した経験から、「想いを持った人たちが、それを実現できるような場所をつくりたい」と思うようになったのがきっかけです。そのために何が必要か、というのを考えた時にわたしは「スタートアップスタジオ」という場所が必要なんじゃないかなと思ったんですよね。
竹下:「スタートアップスタジオ」についてもう少し詳しく教えてもらってもいいですか?
角田:事業のアイデアがあれば、それに対してエンジニアや、マーケター、デザイナー、コンサルタントなど、様々な人が入って事業を作り込む場所のことです。簡単にいうと、ハリウッドのビジネス版ですね。ハリウッドの映画スタジオは、映画に必要な制作会社や、スタッフ、演者などあらゆる資源が集まっていて、映画がポンポン生まれる場所なんですが、事業でもそういった場所をわたしも作りたいな、と思ったんですよね。
というのも、想いがある人は多いけれど、デザインやマーケティング、エンジニアなど、全部を分かる人はいないし、事業を推進する中で何かしら足りないものがあると思うんですよね。 とはいえ、エンジニアに特化したら、エンジニアで困ってる人しか助けられなかったり、マーケティングに特化したら、マーケティングでしか助けられない。わたしは「様々な起業家の力になりたいな」と思うので、 事業造りに必要なサポートができるような場所を提供したいんです。
ただそれをいきなりつくると言ってもリソース的に難しいので、まずはシェアハウスくらいの規模で、有識者や起業家を集めて、住んでいる人や関わっている人がどう変化していくのかを1、2年くらいかけて検証してみたいなと考えています。
普段大切にしていること
───その人自身の意思や姿勢
竹下:シェアハウスを運営する上で、大切にしていることってありますか?
角田:わたしと住人の関係は生徒と講師みたいな上下関係ではなくて、一緒に頑張る仲間という立場で話をしていますね。同世代であったとしても、フラットでかつ同じ目線で見られる人ってそんなにいないんですよね。というのも、自分のレベル感や行っていることに応じて、「言われてることはなんとなくわかるけど、ちょっとまだ腑に落ちない」という話もありますし、「目線が足りてない」「そこじゃないんだよな」という話もあったりすると思うんですよね。
同じ目線を持った人と飯を食いながら事業の話ができるとより自分を高められたり、一緒にやっているからこそ見える気づきがあったりします。だからこそ、わたしはこういうフラットな視点や関係こそが価値だなと思って、このシェアハウスを運営しています。
竹下:ということは、入居の段階で事業のレベル感は選定していくんですか?
角田:そうですね。レベル感に関しては、スキルというよりも、その人自身の意思や姿勢を重視しています。プロジェクトって、ちゃんと想いを持って続けられるかどうか、そこが大事だと思うんですよね。「とりあえずやってみたけど、ダメだからもういいや」みたいな人や、「人の意見とか無視して自分でやろう」みたいな人と住んでやっていても、一緒に頑張れないし、こちらとしてもサポートできないので、そういうところはしっかり見ていますね。
人生どん底の留学生活
───「自分がすげえ情けねえな」と思って引きこもり生活開始
竹下:これまでの活動で、印象に残っていることってありますか?
角田:留学中に経験したメンタル不調は、わたしの人生のどん底だったと思います。最初の留学先のフィリピンで、生活環境への適応ができずに体調を崩しました。そこまでは特に問題がなかったのですが、体調が全然治らなくて、検査をしても原因が分からず・・・。一緒に学んでいる友人も声をかけてくれたんですが、自分の中でだんだん孤独を感じるようになり、メンタル的にもそこにいるのがしんどくなってきたので、一時帰国しました。その後の1か月間、ずっと何もできなかったんです。
竹下:異国の地で体調を崩したら、メンタルもだいぶやられますよね。
角田:そうですね、そういう不安も重なったので帰国したんですが、高校生ぐらいの時からずっと留学に行きたかったので、周りにも「留学行ってくるぜ」って相当強い思いを語っていたんです。けれども開始早々2ヶ月で帰ってきてしまい、自分がすげえ情けねえなと思って、帰国してから精神的に一気に落ち込んじゃったんですよね。その後1ヶ月ぐらい体調も治らず、ずっと引きこもり生活でした。
辛い経験から学んだこと
───状態が変わるのを待つんじゃなくて、自分から状態変えに行かないとダメ
竹下:そこから、何をきっかけに回復していったのでしょうか?
角田:フィリピンでインターンをする予定だった会社の代表が、忙しい中メッセージを送ってくれたんです。その方自身もとても壮絶な人生を歩んでいて・・・
「頑張れとは言わない。自分もとてもきつい時に頑張れって言われて、これ以上どう頑張ったらいいのって強く感じたし、とても辛かったから、それは言わない。でも、 いつか戻ってくると信じてるよ。」という話をしてくれたんです。当時、わたしはずっと引きこもり生活を送ってたので・・・
その言葉を聞いてずっとこの状態が変わるのを待つんじゃなくて、自分から状態を変えに行かないとダメだなと思って、まずは外に出て軽く運動をしてみたり、自分の嫌な部分と向き合ってみたり、今までやらなかったことをあえてやってみたりしました。そのタイミングで体調も少しずつ良くなって、再び留学することができました。多分あの時、自分で状態を変えに行こうと強く思わなかったら、もしかしたら今もずっと引きこもり生活してたかもしれないです(笑)
もちろん他の周りの人も、サポートや話を聞くなどをしてくれたんですが、結局自分自身が困難を乗り越えていかないと変わらない、というのを、その当時学びましたね。
竹下:「変わりたい」って、案外受動的というか、人に変えてもらおうといった思いが入っての「変わりたい」だと思うんですが、そこを自分で「変える」という能動的な意志を感じますね。
「変わりたい」じゃなくて「変える」方法
───客観的に見て自分と向き合うこと
竹下:自分を変える、手っ取り早い方法って何かありますか?
角田:わたしはたまたまその言葉があって自分を変えることができたんですが、再現性を持たせるのはとても難しいなと思います。けれども、客観的に見て自分と向き合うことが大事だと思います。わたし自身、その当時弱い自分を受け入れるのはすごい苦手だったんですが、結構許容できるようになって、今はそれが強みになってますね。
竹下:弱い自分を受け入れるコツを教えてください!
角田:すぐできそうなことから、とりあえずやってみることが結構大事だったりしますね。毎日の小さな成功体験をつくって、今日いいじゃん、っていうのを少しずつレベルをあげながらできること増やしていきました。
あとこれはマインド面の部分なんですが、その弱みを克服することによって、自分の未来がどう良くなるのか、というのは考えています。その弱みを克服しても、今の自分の人生を前に進めるようなものじゃなければ、わたしは別にそのままでもいいかなとか思っちゃったりするタイプなんです。人それぞれ弱みはあるので。むしろ変えようとして、ストレスがかかりすぎて嫌になるよりは、自分にあったやり方でしっかりやろうかな、という捉え方をしてます。ただ、すべてを自分のやり方で進めてしまうとコンフォートゾーンから抜け出せないこともあるので、時には自分を引き上げてくれる仲間や先輩の力を頼ると良いと思います。
今後のビジョン
───人を起点にして、いろいろな物事が動いていく
竹下:今後のビジョンや目標を教えてください。
角田:住人を増やすという観点で直近やろうとしてることでは、起業家シェアハウス肉会です。Z世代で事業をつくってる人やつくりたい人などを集めて、ひたすらおいしい肉を食べて交流する会です(笑) 事業をつくる上で人の繋がりを作ったり、情報を仕入れる活動はとても大事だなと思っていて、今後もそのような人たちの場を作っていきたいです。なぜなら、最初に事業をつくる時はコネもお金もスキルもない状態から始まるんですが、その時に助けになることといえば、やはり人脈だと思うんですよね。人と繋がれば、一緒にやってくれる仲間になるかもしれないし、アドバイスをくれて、新しい情報が自分に入ってくるかもしれない。人を起点にして、いろいろな物事が動いていくと思うんです。
また、うちは個人でやっているので、どれだけ長く滞在してもらっても問題ありません! 例えば、事業のことを朝まで考えるなどをやっても面白そうだなとか思っているので、ビジネスに熱中できるような環境作りは、しっかりやっていきたいです。
トビタテ生へのメッセージ
竹下:読者の皆さんに、何かお伝えしたいことがあればお願いします!
角田:東京に来た際は、是非うちのシェアハウスを使ってください!
新宿から2駅とアクセスが良く、新卒で起業したメンバーや教育系の団体を運営する面白いメンバーもいます。お酒もたくさん取り揃えてるので、一緒に飲みながらゆっくり語れたらいいなって思ってます。トビタテ生がオフラインで集まる場があまりないのはわたしも寂しいので、ぜひ遊びに来てください!
お問い合わせはこちらから!
編集後記
今回は、西新宿で起業家シェアハウス「Pre-Seed」を運営する角田悠太さんにインタビューしてきました!
しんどい時に自分を「変える」決断をして、実際に行動に移すことはそう簡単にはできることではないと私は思います。そんな角田さんが運営するシェアハウスは、15程度人収容することができるらしいので、イベントを共催するのもアリかもしれません^_^
角田さんの、これからの活動も楽しみにしています!
※写真は許可を得て掲載しています。
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