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第248回 とまりぎインタビュー記事:神薗善規さん【尺八の世界への普及を客観視する】

鈴木花穂 事務局インターン大学4期

鈴木花穂 事務局インターン大学4期

2022.08.29

みなさんこんにちは!

大学4期でロシアに留学していたトビタテ事務局インターンの鈴木花穂です!

私が独断と偏見で選んだトビタテ生にスポットライトを当てて、留学中に学んだことや、その後の活躍をご紹介していきたいと思います!

今回は、「尺八」をテーマにオーストラリアへ留学した大学4期の神薗さんにインタビューしてみました!

トビタテ!留学JAPANでの留学

神薗善規(かみぞのよしのり)さん

4期 多様性人材コース

留学テーマ 尺八の世界への普及を客観視する 

尺八が広まっている海外で学びを得たい

鈴木)尺八はいつ頃から、どのような経緯で始めたのですか?

神薗)15歳の時にピアノを始めようとした時に、先生のご主人が尺八をされていたので、尺八にも挑戦しようと思いました。

鈴木)留学をしようと思ったきっかけを教えてください。

神薗)大学生活が煮え切らず日本の制度から脱線したい、外国で学びを得たいと思っていました。また、尺八が世界に広まっていると聞いたので、私も海外での新しいスタイルを学びながら尺八で勝負したいと思っていました。

鈴木)尺八が世界に広まっているというのは初耳でした。どのくらい広まっているのですか?

神薗)オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパ、中国メインに広まっていて、国際大会が4年に一度日本と今言った主に4つの地域から出場する人が集まって開催されます。参加者の半分が西洋圏出身です。 

そんな時に友人からトビタテを紹介してもらい、応募しました。最初はその他アピールの部分で尺八のことを書いていたくらいだったのですが、締め切り直前で他の人に読んでもらったところ、「尺八メインで書いたらどう?」と言われたのでまた書き直して応募したら合格しました。

当時は尺八を生業(なりわい)にしようとは思っていませんでした。お金よりも尺八が好きな気持ちをないがしろにしたくなくて、そこの整理ができていない状態でした。でも、トビタテの応募を通じて、挑戦していくことに背中を押してもらいました。

鈴木)トビタテをきっかけに尺八をライフワークにしようと思ったのですね!

海外で尺八弟子入り!

鈴木)留学内容を教えてください。

神薗)オーストラリアのメルボルンにある語学学校に通いながら、尺八の練習や演奏活動をしていました。現地では、フェイスブックで尺八を教えている人を探してアタックし、弟子入りしました。

鈴木)オーストラリアで尺八を学ぶために弟子入り!!斬新ですね!

神薗)その師匠からは毎週1時間尺八を教えてもらい、その他にも一緒にごはんを食べながら海外から見た日本の文化や本人の尺八の世界観について聞きました。その他にも、何人かネットで見つけた人にひたすらアタックして尺八を習うということを何度か行いました。

鈴木)とても行動力がありますね!

写真①場所はオーストラリアの国立公園グランピアンズ。現地の師匠が家に飾っていた写真が、まさに同じような情景とポージングで、その真似をして撮った写真。足がすくんで震えながら写真を撮影しました(笑)。大自然に響き渡る尺八の音が、自分を包み込んでくれるような感じがしました。

国立公園グランピアンズで尺八を演奏する神薗さん

神薗)それから、演奏会をしようとしていたところ、日本領事館に行ったら演奏会の情報があると言われたので行くと、メルボルンの姉妹都市である大阪から大正琴を演奏する人が来ることを教えてもらいました。そこへ行くと、琴を演奏していた人もいました。琴いいですよね、私も尺八をやってます、と言うと話が盛り上がって、その後に3回ぐらい一緒に演奏させてもらうこともありました。

写真②留学中の演奏会の時に、観客が撮影してくれた写真。演奏に感動したというメッセージを添えて、白黒の和風にわざわざ編集して送ってくれた。

和服も留学先のJAPAN FESで売っていたものを、演奏に感動したからと安く譲ってもらった思い出ある服。尺八修行と銘打って髪も侍のようにのばしていた留学中の懐かしい写真。

 

留学中の演奏会での神薗さん

鈴木)海外でも日本文化を通じて日本人と交流できるのはいいですね!

神薗)留学中は、思ってた以上に日本の文化や精神性が、世界でも通じることを感じました。その中でも特に子どもが感動してくれたことが多かったです。留学の最後の頃にある日本とオーストラリアのバイリンガル学校に行った時に、二曲だけなのにみんな喜んでくれました。子供というのは本当に正直で喜ばせることが一番難しい演奏家にとっての挑戦相手でもあるのですが、みんな尺八のこと知ってくれていた上に、良かったと言ってくれたので、本当に尺八がいいんだ、子供たちが国を越えて尺八を喜んでくれるんだということが分かりました。

鈴木)外国の人からも日本の文化を楽しんでもらえることは嬉しいですよね!

神薗)一方で、日本のことが嫌いで留学したという人にも多く会うようになりました。そういう人に尺八をはじめ日本の文化を笑われることがありましたが、そういう人ほど留学先の環境に文句ばかりで発展できていなかったことを感じました。

自分自身やその人が生きてきた環境にこそ、むしろそこから得られる自分自身の個性等の価値あるものが存在していて、それを否定せずに見出そうとした時に、その人自身も嬉しいし相手にも喜びを与えることができ、分かち合えるものが生み出せるように思いました。そうやって人同士でも国同士でも、お互いに大切にしあえるのではないかと思います。

自分を内からも外からも見つめ続けながら、貴重な自分と環境を見出して、至らないところを発展させるために挑戦し続けること、それが留学を通して学んだ大切なことでした。

写真③留学の終わり際に、師匠が主催した演奏会。歌や声を出しながら尺八を吹奏したり、尺八の古典曲をバイオリンやフルートと演奏したりと、斬新で学び多い機会だった。自分は師匠と共に古典曲を二重奏で演奏した。留学を経て見違えるほど演奏が上達したと、演奏の直後に師匠からお褒め頂き、良い締めくくりとなる演奏会だった。

留学の終わり頃に師匠(後段の左から4番目)が主催した演奏会で(神薗さん:右端)

尺八と世界の楽器を一つの舞台でコラボさせたい

鈴木)帰国後の活動を教えてください。

神薗留学を通じてもっと尺八の音を突き詰めたいと思い、音の研究をしようと考えたので、今は大学院の博士課程で音の研究をしています。尺八も続けていて、日本で新しい師匠を見つけて修行をしています。その方は京都の人で、古典の色々な曲を中心に練習しています。その他にもトビタテなどのつながりで紹介してもらった場所や教会で演奏をしてきました。

新型コロナウイルスの影響もあり、一旦演奏活動を少規模にしていますが、世界経済フォーラムに参加して、尺八演奏家として出来ることを模索中です。

大学院卒業後の予定については、尺八の演奏に舵を切りたいのでそこをもっと具体化しようと思っています。

鈴木)今後も広い範囲で尺八を続けられる予定なのですね!将来の夢を教えてください。

神薗)私が尺八に感動したきっかけは、日本の民族楽器として色々な人の思いや文化歴史が詰まっている音であるという点です。また世界には、日本の尺八の音だけでなくそれぞれの文化が込められている音が存在しています。それらが集まって音楽を通じてお互いの文化を尊重し合いながら、一つの演奏の舞台を作ることができたら平和で素敵だなあ、私もそういう場に携わることができたらいいな、と思っています。

編集後記

自分や生まれた国を大切にすることで相手やその国を大切にすることができるということは、私も留学を通じて学びました。国籍に関わらず、色々な国の音楽など文化を尊重し合えるのは素敵ですよね。

今後も神薗さんのご活躍を応援いたします!

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