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第267回 とまりぎ教育チームインタビューvol.1 教育大国フィンランドで国際教育実習 ~子どもたちの知的好奇心が溢れ出す教育方法を編み出す!~

立石有梨沙【とまりぎ教育チーム,高校4期】

立石有梨沙【とまりぎ教育チーム,高校4期】

2023.01.21

こんにちは!とまりぎ教育チーム副代表の立石有梨沙です!

とまりぎ教育チームはじめてのインタビュー企画!

記念すべき初回は、、、
トビタテ大学5期生でフィンランドとイギリスに留学をされていた浅原由奈さんに、私立石と、同じく教育チームでフィンランドに留学をしていた箸本知希がインタビューをしてきました!!

まずは簡単に浅原由奈さんのプロフィールを紹介させて頂きます!

浅原由奈(あさはらゆきな)さん

トビタテ大学5期生
留学期間 イギリス1ヵ月、フィンランド7ヵ月
高校時代から教員を目指し、大学では国際理解教育を専攻
フィンランドでは小中一貫校で国際教育実習インターン!
帰国後は、教育に想いを抱くトビタテの仲間と共にキャリア教育団体Beyond Schoolを起ち上げて活動し、現在は株式会社ベネッセコーポレーションに就職して5年目

なんとなんと、教育チーム初回のインタビューにふさわしい、教育一筋のお方ですね、早速たくさんの事を聞いてみましょう!

 

イギリス・フィンランドでの留学

ーまずは、トビタテではどのような留学をされたのでしょうか?

 イギリスに1ヵ月、フィンランドに7ヵ月留学していました。
高校・大学で何度か短期留学をした事はありましたが、長期で行ったことはありませんでした。また、私自身海外で働くという経験が初めてだったので、まずはイギリスで「先生」として働くうえで必要な英語表現を1on1で学びました。費用はかかりましたが、その1か月の成果もあり、不安を少し解消した状態で、メインであるフィンランドの国際教育実習へ臨めました。

 

フィンランドでスムーズに働くことができるよう、イギリスへの留学もセットで考えていたのですね。
 生活する中でフィンランドで1番印象に残っていることをぜひ教えてください!

 自分にとってのステレオタイプや価値観を考え直すきっかけをくれた出来事がありました。
フィンランドはインクルーシブ教育が進んでおり特別支援学校は少ないため、多様な子どもたちが一緒に学習しているのですが、当時の担当クラスに「障がい」で特別な目の形をしている児童がいたんです。初めてその子を見たとき、「他の子と違って大変そう、かわいそう。」と私は感じていました。しかし、低学年の児童がその子に向かって「あなたのその目、他の子と違って超素敵、Coolね!!」と心の底から言っている姿を目にしてショックを受けたんです。
私自身、国際理解教育を学んでいましたし、他人を受け入れることができるほうだと思い込んでいたのですが、「違い」をもっている人と会った時に自分の中の「普通」の価値観を押し付けていた事に気が付きました。

 

ー素敵なご経験ですね。どうして留学先としてフィンランドを選ばれたのですか?

 教育大国と呼ばれるフィンランドで学び、将来、より魅力的な先生になりたいと思ったからです。
大学3年生で、周りが教員採用試験にむけて勉強を始める中で、「このまま先生になっていいのか?」「海外の教育を実際に目で見て学んでみたい」という気持ちが出てきました。留学を視野に入れ図書館で情報収集をする中で、フィンランドは教育大国として有名であることを知りました。

〇留学中のフィンランドの学校での様子

 

帰国後、そして就職へ

ー留学を経て何か変化はありましたか?

 自分の想いだけに注目するのではなく、自分を取り巻く環境や社会全体の動きに目が向くようになりました。「自分自身がこのように考えるようになったのは何故なのか」など、自分の価値観が現代社会のどのような影響で生まれたものなのかを考えるようになりました。
一方で、当時の留学目的であった「子どもたちの知的好奇心が溢れ出す教育方法を編み出したい」という自分の想いは変わっていませんでした。

 

ーそのような中、就職先として教員ではなく、ベネッセを選んだ理由はなんですか?

 希望進路先としての選択肢の中で、最終的にご縁があったのがベネッセだったからです。帰国後は、トビタテの仲間と共にキャリア教育団体Beyond Schoolを起ち上げ全国の高校をまわる活動に専念していたこともあり、そのまま起業するのかも含め、正直進路選択はとても悩みました。「日本で学校の先生になりたい」という想いは変わらずあったので、地元長野県で新しい学校の起ち上げに関わりたいと考えていましたが、不合格となりご縁がありませんでした。そんな中、10月のタイミングで今の会社から声を掛けてもらい、OB訪問にて「この会社であれば日本全国の学校教育の現状を知ることができるのではないか」と意欲が高まり、ベネッセで働く決心をしました。

 

ーなるほど。ちなみにどうして公立の学校ではないと感じましたか?

 実は、公立も視野に入れて、教員採用試験を受けました。しかし、自分のやりたいことを考えたときに、目の前の子どもと向き合うこと以上に「日本全体の学校教育に変化を与えられる仕事がしたい」という気持ちが強くありました。また、今の日本の公立学校での「教師」としての働き方に自由度の低さを感じ、自分自身が豊かに生きることを大切にすることが難しいのではないかという想いもありました。フィンランドでは子どもに限らず先生たちも「自分らしさ」を大切に生活していたので、その考え方が自分の生き方の軸にも繋がりました。

 

現在のお仕事

ーそれぞれの立場だからできること、できないことがありますよね。
 ベネッセではどのようなお仕事をされているのですか?

 最初の2年間は首都圏の私立中高へのコンサルティングを行ってました。現場の先生方の対話を通じて、入社当時の想像以上にベネッセが学校にとって伴走する大きな存在であることを強く感じ、学校教育を変えていくことができるのではないかという可能性を感じました。
3年目以降は、探究・キャリア教育領域の新規教材の企画開発をしています。2022年度より高校で始まった「総合的な探究の時間」で使用する教材に主に携わっているのですが、実際に授業の中で中高生が自分が作った教材を使っている姿を見ることができるのでとてもやりがいを感じています。

 

ー探究活動に興味・関心を抱いているのはどうしてですか?

 日本の教育の価値観を転換していくうえで「探究活動」への可能性を感じているからです。探究活動を推進することによって、学歴主義的な考え方を越えて、より一層「自分らしさ」に気づいたり「個性」を伸ばしたりすることができる人が増えたらいいなと考えています。
また、フィンランドでは正解のない問題に対して対話することを大切にしている授業が多くあり、その考え方に影響を受けて、探究活動の「学び方を学ぶ」という授業に可能性を感じているのかもしれません。

 

ー探究活動の教材とは具体的にどのようなものですか?

 教科学習の中ではなかなか力を入れにくい、非認知能力の育成につながるような教材です。
紙のテキストもあれば、カードゲームや動画など様々です。一例としては、探究活動を進めるうえでは「安心して話せる場」をつくることがとても重要なので、アイスブレイクに繋がるかつ多角的な視点を持って考えることができるカードゲームなどを作りました。

 

ー教材開発の中で多くの学校に視察に行っているということですが、色々な学校を見て改めて今感じていることは何ですか?

 学校現場が、そして日本全体が、それぞれの「違い」をもっと楽しめる環境になったらいいなと感じています。
探究活動の支援に携わっている中でも「どのように教えるべきか」と正解を模索して悩んでいる先生方のお声をよくお聴きします。日々の業務が忙しく余裕がないということや様々な問題はある中ですが、どのように教えたらいいのか先生同士で考えることを楽しみ、違う考え方や複数の答えを面白がれるそんな学校現場になったらいいなと感じています。

 

今後の展望

ー今後のやりたいことや展望はありますか?

 今まで学校教育にこだわって活動をしてきましたが、今後は業界に縛られすぎずに、様々な選択肢を模索していけたらと思っています。身の回りに魅力的なトビタテ生もたくさんいるので、仕事でもプライベートでもコラボして、新しい価値づくりを行っていけたらと考えています。

 

ー選択肢を絞らない姿勢が素敵ですね。改めて今感じるトビタテの魅力はありますか?

 大学時代はトビタテの支援がなかったら北欧留学は難しかったので、それだけでとても有難いと感じていました。

その後も、留学を通じて自分の人生を豊かにしてくれる多様な仲間と出逢うことができ、人生何があっても何とかなると思えましたし、トビタテ生が切り開く未来への可能性に対してワクワクしています。

 

ーbe-FULLという活動もされているそうですが、こちらもトビタテ生と一緒にやっている活動ですか?

 大学時代から繋がりのあったトビタテの友人に声をかけてもらい、ワークショップやコーチングを通じたライフデザインのコミュニティ運営を一緒にしています。運営メンバーは意図的にトビタテ生に絞って集めたわけではないものの、結果としてトビタテ生の仲間で推進しています。

〇be-FULLの仲間たちと

 

ー様々な活動をされているのですね!本日はありがとうございました!

 こちらこそありがとうございました!

 

編集後記

素敵なインタビュー、いかがでしたでしょうか。

ちなみに後日、話し足りなかった私たち3人はより交流を深めようとご飯に行ってきました。インタビューがつないでくれたご縁をきっかけに、浅原さんと教育チームでまた何かできたら良いな、と思っております。浅原さん、ありがとうございました!

 

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