【インタビュー】教育に想いを持ち続けたトビタテ生のこれまでとこれから
2023.06.26
こんにちは!とまりぎ教育チームでは、教育分野で留学していたトビタテ生や現在教育分野で活躍しているトビタテ生へインタビュー企画を実施しています!記念すべき第2回目はトビタテ大学6期生で、アメリカのシアトルに留学をしていた笠尾穂波さんです!!
まずは簡単に笠尾穂波さんのプロフィールについてご紹介させて頂きます!
笠尾穂波(かさおほなみ)さん
トビタテ大学6期生
留学期間 アメリカ1年
高校生の頃、短期留学をきっかけに教育に興味を持つようになった。高校時代は文化祭の企画・運営などに携わる
アメリカでは主にフィールドワークをしながら幼児教育について学んでいた
留学後は再びアメリカへ戻り自動車ディーラーで現地就職を経験し、帰国後の現在は教育系のベンチャー企業で勤務
長年教育に興味を持ち、現在のお仕事へと繋がっているようです。
どんなお話が聞けるのか楽しみです!さっそく教えていただきましょう!!
ーまずは、留学に行こうと思ったきっかけを教えていただきたいです!
アメリカのシアトルに1年間留学していました。もともとアメリカのドラマを小学生の時に見ており、アメリカ文化への憧れはありました。その後、高校生時代の短期留学で自分の知らない世界を目の当たりにして衝撃を受け、大学では必ず長期留学がしたいと考えていました。資金面で親から援助を受けられる環境ではなかったので、トビタテとの出会いは本当に奇跡でした。
ー留学先ではどんな活動をしましたか?
授業はビジネスと幼児教育の授業を受けていました。その他にもフィールドワークとして4つの施設でインターンやボランティアを実施していました。
エマージョンスクールという教科ごとに言語が分かれている学校や、大学敷地内の保育園、幼稚園、森の幼稚園で現地の教育を見てきました。留学は期間が限られているので、できる限り多くの職場を見たく、種類の異なる教育現場を見れるように動き回っていました。
ー多くの現場を経験されていたということですが、特に印象的だったことはなんですか?
まず”教育”という観点だと、個性がものすごく優先されているところです。「あなたは何をしたいの?」「あなたはどう思うの?」とそれぞれ個人を肯定するようなポジティブな声掛けが多く衝撃的でした。例えば子どもが絵を描いていてクラス全員で集まる時間になった際に、終わりの時間がきても「没頭するものだから」と先生は言ってそのまま続けさせていました。また、お昼休憩にお父さんが保育園に遊びに来ることが頻繁にあり、子どもと一緒にお昼を食べる光景が日常的に行われていました。ファミリー・学校がフラットに皆で育てている空間が素敵でした。
教育以外に関してだと、ボストンで現地就職した自動車ディーラーでは本当にハプニングの連続でした。自分はゆくゆくは教育に関わろうと決めていたので、教育以外の職も経験してみたく、「店舗立ち上げ」という経験に魅力を感じ自動車ディーラーで働くこととなりました。ですが、勤務開始してすぐ、コロナで町がロックダウンし、すぐにでもクビになったりお給料が半分になったりするような環境下でした。コロナ禍でいつもならスムーズにいく作業がうまく行かず、当時はもんもんとしていましたね。
ーこのような状態をどのように乗り越えていったのですか?
初めてのことを多く経験する中で、自分の常識が正しいわけではないと気づかされることが多かったです。それと同時に自分の視野が広がっていく感覚がありました。自分が間違っていたのかもしれない、と見つめ直すことで視野が広がったのだとポジティブに捉えるようにしていました。
ー自分の当たり前を疑って考え方を変化させたのですね。ポジティブ変換、素敵です!
では次に、留学を終えて現在の就職場所を選んだ理由はなんですか?
「自分で自分の人生を切り開いて行けると思う人があふれる社会になったらいいな」これが、最終的に自分が目指す世界観だと思います。そのため、自分で選択をする第一歩が「進路選択」だと思います。中高生の進路選択を応援したいと思い、今の会社とカルチャーフィットしたので弊社を選びました。留学前は大学附属の中高に通っていたこともあり、レールに乗った状態で過ごしましたが、道を外す経験をしてきて、結局はなんとかなるし、それらの経験が自分で自分をコントロールする大きなエネルギーへと変わると思っています。自分で選択し好きなことや得意なことを形にできるそんな社会はおもしろいはず!と信じています。
ー実際にどんなお仕事をしているのですか?
会社自体は100名で、家庭教師・グローバルプログラム・探究教材の開発など、それぞれの部署に分かれています。私は私立中高の学校改革に向けて、放課後の自習室を学校の中で運営する仕事をしています。プログラムの企画・提案・派遣している大学生のマネジメントなど職種の範囲は多岐に渡り、いわゆるなんでも屋さんになりつつあります。生徒は大学生と関わる中で、日ごろの教科の質問だけでなく、大学の話や進路について相談できる空間を毎日体験することができます。成績向上、OO大学合格、という世界観というよりは「学ぶ楽しさ」や「興味関心」を見つけられるように、大学生には対話をしてもらっています。それが成績や進路選択に時間をかけてでもつながっていけば嬉しいです。少しずつ変化していく生徒を学校の先生が見て、先生方の意識が変わっていくことが大事だと思っています。教育に関する新しいアイデアや意見が生まれ、その想いを私たちが形にする助けができればもっと学校は変わっていくはずだと感じています。
いつか学校全体に良い影響が広がり、それが子どもたちに還元されたらなと思っています。忙しい教員に代わって放課後の時間をもらうことで、先生方の働き方改革にも貢献したいです。
ーお仕事をする中で日本の学校教育について感じていることはありますか?
先生方はやはり忙しいことが印象的で、管理職でも同じことが言えて、これが学校の組織内の当たり前になっていると思います。外部業者を入れてくれている学校は新しいことをしようとしているけれど、中にはなかなか受け入れられない先生方も多いです。なのでその構造を変えていかないといけないと思います。私立の場合、先生方が色々と想いを持っていても、「合格実績や人を集めることに注力しなければ」というビジネスチックな考えが入ることもあり、本位でないこともやらざるを得なくなっている現状があると思います。そのために、先生方の想いを発散できる場が不足していると感じています。また、私立は特色がそれぞれあって、親が子どもに合った場所を選べば子どもにとってはすごく幸せな環境なはずです。でも中学受験のように子ども自身が自分の適性をまだあまり理解していない年齢で進路を決めてしまうのはもったいないと思うこともあります。もっと学校と子どもとのマッチングが上手くいけばいいなと思います。
ー学校現場外からの声はとても貴重ですね。ありがとうございます。
今後の展望をお聞きしてもよろしいですか?
まず一つは幼児期に培われるといわれる「非認知能力」の向上に興味があります。大人になって自分で様々な「選択」をしていく際に大切な土台となる「心の教育」へ貢献していきたいです。そして最終的な目標は、自分の人生をコントロールしていく人を育てることです。今はアプローチが教育なだけなので、いずれ教育から離れることも選択肢としてはあると思います。子どもだけではなく、新しい事業をしたいけど一歩踏み出せていない人のサポートをして、成功体験を生み出す手助けもしたいです!などなど、最近また視野が広がってきているので今も模索中です。
ー将来のビジョンが明確になった実体験はありますか?
実は、精神が病んできてしまう人や命をたってしまう人との関わりがいくつかありました。日本はこんなに恵まれているのに、心が幸せではない人が多くいることが残念で、そんな現実を悲しく感じていました。原因は色々あるけれど、病んでしまう人を減らしたくて、そんな状態に陥る前に、自分はこれでいいんだ!と楽観的になれたり、時には人に助けを求めていいんだ!という判断軸を持ってほしいと思うようになりました。そのため今は中高生への放課後支援をしていますが、ゆくゆくはもう少し年齢を下げた幼児期の心の教育に関わることも一つの選択肢として考えています。3〜5歳が非認知能力が最も耳につく年代といわれているからです。
ーキャリアを選ぶ軸や、大事にしているポイントはなんですか?
私はまず直感を重視しています。違和感や次に進みたいなという自分の想いを受け止めていて、行動をしていく中で思ったことはどんどん人に話をしたり、聞きに行ったりしています。スキルが身に付くか、ここに3年いても後悔せず、たとえ忙しくても何か成し遂げられる環境なのかを判断軸にしています。また、自分は、一緒に働く人も大切だと思っているので、働く環境も大切にしています。ずっと同じ仕事をし続けるとはあまり考えていないので、自分が今後「これがやりたい!」と何かを考えたときに、対応できるように今は多方面で修行したいと思っています。スキル・経験を得て3年後に”なぜこれをしたかったのか”を語れるようにしたいです。
ー穂波さんにとって、今改めて思うトビタテの価値ってなんですか?
同じ境遇の人が何千人もいてたとえ会ったことがなかったり境遇が異なっていても、どこかで応援してくれる人がいるという安心感が常にあります。またコミュニティ運営がしっかりできている所もありがたいと感じます。誰かが何かをやろうとしている発信に常に触れられることは、すごく刺激になって、一歩踏み出す勇気をくれます。
ーでは、一歩踏み出す際に、どうすれば自分を奮い立たせて動けますか?
解像度が高くない時には、周りの方に、たくさん話を聴いてもらったり、壁打ちしてもらったりすることで行動に移します。例えば転職の場合であれば、10人ほどの人に話を聞いてもらうことで、自分の考えが整理されていくはずです。”この人なら聞いてくれそう”という人に連絡して自分の中にあるものを言語化するといいと思います。私は人に伝え、意見をもらうことで、実際に動く時のエネルギーをもらっていると思います。もしやってみて途中で止めてしまっても、そこまで動くことで自分が納得できると思います。人に頼ることは意外と難しいのですが、案外大切なスキルだったりすると思います!
ー最後にトビタテ生へメッセージをお願いします!
帰国しているトビタテ生は、定期的にトビタテ生同士で会って壁打ちしたり、当時のエネルギーを思い出して、それを維持し続けていけたらいいと思います。0→1で何かを生み出したり活動したい方は多くいると思うので、気軽に発信してそれを周りが協力する体制がより活性化されたらいいなと感じます!
ー本日はたくさんお話いただきありがとうございました!ぜひまた聞かせてください。
こちらこそありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします!
編集後記
みなさん穂波さんのインタビュー、いかがでしたか?学生時代から未来の話まで、たくさんのことをお話いただきました。教育といっても進む道は様々にありそうですね。新しいステージに入った時には、教育チームと一緒に何かできたら嬉しいです!
本当にありがとうございました。
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