第8回:田村将太さん(5期、理系、複合・融合人材コース)

2022年5月2日

柴:やあやあ久しぶり!研究で忙しいところありがとうね!

田:久しぶり!全然いいよ!いい休憩になるわ!

柴:そう言ってもらえて嬉しいわ!僕ら、いつぶりに会うっけ?

田:事後研修であった以来だから、ざっと一年半ぶりくらいじゃないかな?

柴:もうそんなに時間が経ったのか。恐ろしや(笑)気づいたら二人ともアラサーに近づいているんやね、、、(笑)

田:それ言っちゃあかん(笑)

柴:失礼いたしました!じゃあ早速だけど、今何をしているのか教えて欲しいな!

現在の活動

田:今は広島大学の博士1年生で、都市計画に関する研究をしているよ!

柴:そういえば、事前研修で話したときに博士に進むか悩んでいたよね。結局研究者の道へ行ったんだね!

田:うん、実は社会人博士かそのまま修士から博士に進学するか悩んでたけど、修士2年の時に日本学術振興会の特別研究員に選ばれたから、修士からそのまま博士に進学しようと思ったんだ。

柴:なんかかっこいい肩書きだな。

田:うん、これのおかげでお金をいただきながら研究をできるんだ。ちなみに俺、提出書類が優秀だったから面接試験免除でこれに選ばれたんだ(ドヤ顔)!

柴:やかましいわ!!

田・柴:笑笑

柴:で、無知で申し訳ないんだけど、都市計画ってなんなの?

田:都市計画自体は、簡単に言えば「将来の都市のあるべき姿を考える学問」なんだけど、その中でも俺は人口減少に対応できる都市構造について研究している!

写真:所属研究室の看板前

柴:人口減少に対応できる都市って、いまいちイメージできないな。

田:端的にいうと、コンパクトな社会!

柴:ほう、、、。

田:人口が減少して、かつ各個人が郊外みたいな地理的に都市の中心部に離れた場所に住むようになると、例えば商業施設とかの周りに住んでいる人が少なくなるでしょ?そうなると、その施設は潰れちゃう可能性があるじゃん。


それではダメだから、商業施設や駅などが近くて密集した居住性の高いエリアの中に多くの人が住むように誘導する施策や区域設定を行うことで、エリア内の施設を効率的に使える社会が俺が言うコンパクトな社会!

それにその近隣に居住すると電車やバス、徒歩などがメインの交通手段になるから、過度に自動車に依存しなくなるのもメリットかな。日本は超高齢化社会になりつつあって、高齢者が車を運転できなくなったり、高齢者の自動車事故とか最近多発してるし。

柴:なるほど、なんとなくわかったぞ。そういう社会だと、インフラとかも効率良く利用できそうだね!

田:そうそう!そういう社会が、人口減少、高齢化が進む日本でとっても必要なんだ。

柴:そうか、実感がわかないけど、すごく大切な研究をしているんだね。さすが博士、わかりやすい説明をしてくれるじゃん(笑)

留学時期の活動と気づき

柴:ところで、今の研究は留学中もやっていたの?

田:うん、てかこの研究の最先端に触れたくて留学したって感じ!

柴:そうなんだ!詳しく聞かせてよ!

田:さっきの話に関連するけど、コンパクトな社会を作るにあたって、何をどこに建てるかや人がどこに住むべきかっていうのがすごく大切なんだ。


それについての研究がアメリカではすごく進んでいて、定量的かつ合理的にそのエリアを決めるのに地理情報システム、GIS(Geographic Information System)というのがよく利用されるんだけど、このGISを学びに日本からアメリカに派遣されたのが今の研究室の先生なんだ。それもあって、アメリカに留学しようと思ったんだ。

写真:帰国後、平成30年7月豪雨災害の災害復旧のためにGISを活用した事例について発表

柴:なんだかご縁を感じる留学だね!で、その留学は今の自分に影響を与えたと思う?

田:うん!研究が進んだのもあるけど、それ以上に大きな変化が2つあったと思っている。まず、自分の中での研究者像が大きく変わった。

柴:研究者像?

田:うん。マサアキは、研究者って聞くとどんなイメージがある?

柴:え、うーん。大学の教授や博士課程の学生さんだな。1日16時間くらい研究しているガリ勉なイメージ

田:そうだよね。俺も留学行く前は、研究者って言ったら自分の研究ばっかりしているイメージだった。でもアメリカの研究者は都市計画の理論研究を進めながら、それと同時に専門知識や技術を活かし、都市計画プランナーの役割も果たす「プロフェッサー・プランナー」の人が多くて、理論を実際の都市計画に応用することで社会に還元しているんだ。


実際に所属した研究室では、産官学が連携して多くの都市計画プロジェクトが行われてて…これって当たり前のようなことかもしれないけど、日本の都市計画分野ではそれがまだアメリカに比べて遅れている感じがしてて…で、自分も日本でそういう研究者になりたいって思ったんだ。

写真:所属した研究室の研究者との打ち合わせ後の一枚

柴:自分のためだけじゃなく、社会のために研究しているって感じか。すごくカッコいいじゃん。あと一つは?

田:なんていうか、人生二兎を追ってもいいんだなって気づけたんだ。

柴:それはどういうこと?

田:日本って、一つの環境にいることや一つのことをやり続けることがいいことってされている感じがするじゃん?

柴:確かに、一つの部活をやり続けた人が就活とかで評価されるとか、一つの会社にい続けることが美とされることがいい例かもね。

田:うん。でもアメリカって自分に合わないと思ったらスパッと会社をやめたり、自分の軸を2つ以上持っている人とかが多くいてさ。

柴:確かに、僕の大学にも50過ぎて脱サラして学部入学した人や、医者なのに大学院で論理学を学んでいる人とかもいたな。

田:そうだよね。そういう人を見るうちに、自分も周りの人の価値観にとらわれず、自分のやりたいことを追求していこうと思えたんだ。

写真:シェアハウスのメンバー:博士に進学のきっかけをくれた仲間たち

柴:すごく大きな意識変化だよね。その変化を経て、将来どんな風になりたいと思っているの?

田:うーん、正直まだまだぼんやりしている部分があるんだけど、大学か国の研究所に入って研究を続けていきたいと思っている。そして、自分の研究をこの人口減少が進む日本社会に還元していきたいと思っている!

柴:まさに机の上の研究と実社会の問題解決との二兎を追っていく人生だね!

田:まあもちろん、難しいこともいっぱいあると思うけど、全力で頑張っていくよ!

最後に一言

柴:最後に、この記事を読んでくれた読者の方に一言メッセージをいただけない?

田:そんなに偉そうなこと言える立場じゃないぞ笑。でも言えることがあるとしたら、大学生ほど自由な時間を持てる時ってない。大学でダラダラするんじゃなくて、やりたいことを早めに見つけて、動け。ってことを伝えたいかな!

柴:いやめっちゃ偉そうなこと言ってるじゃん(笑)

二人:(笑)(笑)

柴:冗談だよ。今日はありがとう!また世界のどこかで!