第76回:トビタテ!アフリカ留学特集!第2弾:カーン星さん【”途上国”に生きる人々の心を知りたい】
みなさんこんにちは!トビタテ8期の吉田梨乃です。
トビタテ!アフリカ留学特集 第2弾は、カーン星さん(新興国コース・8期)です!
カーンさんはタンザニア🇹🇿とインドに「日本と新興国のビジネスにおける社会性と事業性の両立」をテーマに留学していました。
バングラデシュと日本のバックグラウンドを持つ彼女が志高く掲げる夢は「途上国と先進国が互いに高め合える関係性の構築」
何が彼女をこの夢に、そして留学先での挑戦へと突き動かしたのでしょうか?
本日はその秘話に迫ります!
目次
途上国に生きる人々の「心」を知りたい
吉田:カーン久しぶり!今日はよろしくね!
カーン:よろしくね!
吉田:留学前から国内でも活動的だったと思うけど、どうして留学を決めたの?
カーン:一言で言うと「途上国の人々の心がわかるようになりたい」と思ったから。途上国と先進国のバックグラウンドを持っていることもあって、国際協力にずっと関心を持っていたんだけど「両者が互いに高め合える関係性の構築」をずっと目標にしていて。その中で「社会性のあるビジネス」を使って両者の関係性構築をアップデートしていきたいと思ったんだ。
吉田:なるほどね!留学前にビジネス分野に携わってたりしたの?
カーン:うん、1年生から2年生にかけてあるIT企業で新規事業を担当させていただいたんだけど「ソーシャルビジネスにおける社会性、事業性の両立の難しさ」に直面したんだよね。今までずっと「先進国と途上国が互いに高め合える関係性構築」に挑戦してきたけれど、具体的に「誰のためにやっているのか」と顔が浮かばなくてモヤモヤしていた時期もあって…だからこそ現地に飛び込んで、途上国の人々の「心」を理解して現地に寄り添いながら、関係性構築の糸口を発掘しに行きたいと思って、留学を決心したの!
吉田:素敵!留学先はタンザニアとインドだったと思うけど、何か決め手はあったの?
カーン:アフリカは「最後のフロンティア」と言われていてビジネスに関わる上で関心があったのと、行ったことない地で挑戦するのが純粋に面白そうだなと思って!WASSAというタンザニアの未電化地域にランタンの貸出事業を展開しているスタートアップでインターンをさせていただいてたよ。インドでは自分のルーツでもあるベンガル語圏には絶対に行きたいと思っていたから、現地では人身売買被害者の支援をするNGOで雇用促進に携わっていました!
「偏見」を溶かしていったタンザニア留学
吉田:最初の留学先であるタンザニアではどのようなことを感じた?
カーン:今まで途上国の人々を国際協力のフィルターを通して見ていた人々を(当たり前だけど)同じ人間で根本的に一緒なんだな〜って強く感じたな。未電化地域に足を運んだけれど、彼らの生活を見ていると喜ぶポイント、怒るポイントって私たちと全く一緒だし。実は遠いアフリカの地でも、人と人との関係性において互いに線を引く必要がないほどに感覚として共有出来るものがあるんだなと思った。特にタンザニア人の明るさにパワーをたくさんもらったし、自分の中の「偏見」を日々の生活で拭っていけたな!
吉田:現地に溶け込んだからこそ分かることだよね。逆に現地で直面した課題はあった?
カーン:タンザニアではないんだけど、モザンビークに行った時に卒業間際の優秀な現地大学生が「朝起きて何もすることがない日が来ることが怖い」って言っていたことが衝撃的だった。農村部には何もせずボーッと毎日する人とか、大学卒業しても納得した職につけない若者もいたり…素晴らしい人間性を持っている人々が高い失業率を抱える国々で「人生に選択肢がないこと」に悩み、無気力感ともいえるものを感じたな。
吉田:私も南アフリカで同じことを感じたな…現地で途上国ビジネスに関わってみてどうだった?
カーン:支援とは違って最貧困層にまで行き届かない限界とか、電気があることによって広がる人々の可能性をサポートすることができていないなって感じた。でも、現地ではヒアリングに行った時にランタンで自分たちのビジネスを発展させることができる人もいたし、その時はビジネスの可能性を目の当たりにしたよ!
写真:未電化地域での顧客へのフィールド調査の様子
「ありのままの自分を愛してくれた」インドでの出会い
吉田:タンザニアに加えてインドにも行ったんだよね。
カーン:そう!インドではタンザニアではやり切れなかった「現地の人の心を理解する」ために、現地の人とできるだけ多くの時間を共有することに努めたの。人々の抱える深い傷に寄り添う難しさを感じたけど、現地語を喋れるのもあって、人身売買被害者のシェルターハウスにいた現地のおばあちゃんたちに本当にたくさんの愛情を注いでもらったんだ。彼らの感覚を感じれた期間だったし、留学の目標を達成できたと思ってる。
吉田:何か印象的なエピソードはある?
カーン:私が日本に帰る前にお世話になった現地のおばあちゃんたちにプレゼントを渡そうとしていた時に「私はプレゼントが欲しいからじゃなくてヒカルといて楽しいから、今まで一緒にいたんだ。プレゼントを買うお金をヒカル自身の幸せのために使って。」って怒られたの。その時に、どこか「彼女達に施しを与えよう」とか今までカッコつけて生きてきた私をノーラベルで愛してくれていたことに気が付いて…。おばあちゃん達自身はお金も家も十分にあるわけじゃないし過去に辛い経験をしている人もいるのに、なんてこの人たちは「美しい心」を持っているんだろうって、私に注いでくれたたっぷりの愛情からハッと気づかされたんだ。
写真:愛情をたっぷり注いでくれたインドのおばあちゃん達と
吉田:とっても素敵な出会いがあったんだね。留学先で築いた人と人との繋がりはかけがえのないものだよね!タンザニアとはまた全然違う経験で心が温かくなるエピソードだなぁ。
帰国後の活動と今後
吉田:そういえば留学を終えてからシリコンバレーに行ってたよね?そこではどんな経験をしてきたの?
カーン:留学後にビジネスとしてのイノベーションが起こり続けているシリコンバレーで「社会課題×ビジネス」がどのように成されているのかを見てきたいと思って、GWAのスピーチコンテストの副賞で行かせていただいたの。
吉田:へえ!留学を経験したからこそ感じられたことはあった?
カーン:うん、シリコンバレーでのビジネスそもそもが将来的に途上国開発に役立っていける波を感じたし、社会の仕組みを変えていくのであれば、途上国だけではなく先進国にも足を運んで学んでいく必要があるし、新しい種を違う角度から捉えていきたいと思ったよ!
吉田:留学で現場にいたからこそ気付けた点が多かったんだね。最後に、今後どのような活動をしていきたいと思っているか聞かせてください!
カーン:社会性と事業性の両立がテーマだったけど、私はこれからも両者に関わり続けたいし、現場とビジネスを繋げることをしていきたいな。同時に自分のアカデミックな知識不足を感じたから、今は開発経済学の勉強に力を入れている!特にタンザニアで感じた「最貧困層へのアプローチ」手法を学んでいきたいし、ビジネスのあり方自体ももっと深く知っていきたいし。留学終了間際で途上国の起業家支援の必要性をすごく感じて、今はそれに関わる知識や経験も積んでいきたいと思ってるよ!色んなことに挑戦したいし、トビタテ生チックにどんどんアクティブに動き続けていくつもりです!
吉田:さすがカーン!感心します。今日はありがとう!
カーン:こちらこそありがとう!
編集後記
留学を終えて夢にまっすぐ突き進むパワーをさらに強化したカーンさん。
今後の活躍にも目を離せないですね!
トビタテ!アフリカ留学特集 第3弾は3月6日(金)更新です!
次なるトビタテ生の留学先はアフリカのどこの国でしょうか?お楽しみに!
(ヒント:このデザインの国旗です🇨🇲)