第86回とまりぎインタビュー:夏目絢太さん(後編)【「学びに貪欲であれ」アメリカでエンジニア留学をした自分がイギリスで国際関係を学ぶワケ】

2021年10月27日

夏目さんインタビュー記事(前編)はこちら!

自分の心に従い、大学を変えるという決心をする

福永:他にも何か留学やトビタテとの出会いを経て変化などはありましたか?

夏目:留学中ではないのですが、トビタテ生との出会いはすごく貴重でしたね。トビタテ生ってみんな個性が強くてトゲトゲしていて、自分がやりたいことを堂々と話していますよね。

例えば、消防士を辞めて大学に入り直し、在学中に留学にも挑戦したトビタテ生がいたり、そのような人たちの姿を見て僕も自分のやりたいことを堂々と取り組みたいと思いましたし、彼らの存在のおかげで周りの目を気にすることなく「大学を変える」という決断をすることができました。

事後研修で事前研修のときの班員と再会した時の写真

福永:私も留学中はもちろん、今でもトビタテの友人からたくさん刺激を受けています。頑張ろうっていうポジティブなエネルギーが湧いてきますよね!

それにしても、大学を変えるという決断をした夏目さんの意志の強さと行動力には脱帽です…!

夏目:いえいえ(笑)イギリスのサセックス大学の院で国際開発を学びたいと思っていたのですが、エンジニアしか勉強してこなかった僕の知識では力不足だと感じたので、しっかりと力をつけてから大学院で学びたいと考えるようになったのが始まりです。

他の留学生とラグビー部の試合を観に行った時の写真

福永:実際に転学先の大学を探すアクションを起こしたのはいつ頃だったのでしょうか?

夏目:トビタテ留学中の序盤ですね。留学先のカルフォニア大学にアプライしたのは11月なので留学開始後3ヶ月くらいから行動していたことになりますね(笑)

最終的にイギリスのサセックス大学から無事入学許可をもらったのですが、その前に紆余曲折ありまして…

福永:やはり一筋縄ではいかなかったんですね。

夏目::はい、編入先としてカルフォルニア大学デイビス校の補欠をもらっていたのですが2018年5月に「落ちた連絡が来て」、再度デイビス校の教授に書いてもらった推薦書と共に再審査の申請をしたのに、まさかの日本帰国日の7/10に落選の連絡が来るという…。「合格したらそのままアメリカに残ろうかな」と友達に話していたのですが「あ、落ちたから帰るわ」と(笑)

カルフォニア大学が落ちて「これはやばい!!!」と帰国後すぐに他の大学へアプライしたところ、サセックス大学からいち早く8月上旬頃に合格の連絡が届いたのでそこへの再入学を決めました。

コースメイトに誕生日会を開いてもらった時の写真

福永:おめでとうございます!!!

やりたいことをやっている確信があるから、感謝の気持ちを持って学び続けられる

福永:トビタテ留学後、法政大学からイギリスのサセックス大学へ転学したとのことですが、サセックス大学ではどのようなことを学んでいるのでしょうか?

夏目:サセックス大学では主に国際関係論とフランス語を学んでいます。その他にもアフリカの歴史など、いわゆる人間味のある分野の授業を幅広くとっていました。

福永:自分の学びたいことに貪欲な姿勢はトビタテ留学の時から変わっていない、むしろ磨きがかかっていますね!

夏目:転学後最初の一学期目の授業は大変でしたが、今はすごく楽しんで勉強しています。あと、実はサセックス大学に入学後、香港・フランスに計二度留学をしました。

福永:なんと!香港、フランスではそれぞれ何を学んでいたのでしょうか?

夏目:まず、香港中文大学に交換留学生として2ヶ月程度、短期留学をしていました。

留学先大学主催のフェアウェルパーティで撮った写真

香港に留学した理由は主に二つあります。一つ目は欧米的視点で研究されることが多い国際関係論をアジア視点で学ぶこと、二つ目はアカデミックライティングを磨くことです。みんなが夏休みの間に少しでも勉強しておきたいなと思って(笑)

福永:いやいや、本当に素晴らしいです…!

夏目:それが皮肉なことに、受講していた2つの授業はどちらもアメリカ人の教授が教えているのものでした(笑)既に申した通り、日本人として「アジアの視点から国際関係を学ぶ」ということが大きなテーマでしたが、想定とは少し違う結果となりました。

さらに、香港にたくさんいるsandfly(サシチョウバエ?)に異常なほど刺され、人生で初めて蕁麻疹ができて本当にしんどかったです(笑)

ポジティブなことももちろんありました。サセックスで学んだことを活かした発言をするときは友人から感心され、自分が学んできたことが報われた気がしました。すごく小さなことかもしれないですが、この成功体験がとても自信に繋がっています。他の留学生はいわゆる有名大学から来ている人たちばかりでしたが、そんな環境であっても十分議論できると強く感じるようになりました。

夏目:フランスでは「将来国連機関やOECDで働くためにフランス語を実践的に使いたい」と思い2020年の春学期までパリ政治学院のランスキャンパスで主に3つの目的を持って交換留学をしていました。

1つ目はフランス語の習得です。今後のキャリアも考え、サセックス大学入学時からコツコツ勉強してきました。現地でどの程度通じるのか確認したかったです。

2つ目は政治を学ぶことです。留学していた機関はマクロンを含むフランス大統領の多くが出身の学校で、政治の領域においてとても権威があります。そのような機関で政治を学んでみたいと常に思っておりました。

3つ目はOECDでのインターンです。サセックス大学入学時から、開発の国際機関であるOECDでインターンをすることは視野に入れていました。

コロナの影響による帰国前に、寮のシンガポール人の友達とキャンパスで撮った写真

交換留学後、そのままフランスに滞在してOECDでのインターンに挑戦したいと考えていたのですが、コロナの影響で断念しなければいけなくなり今は日本に一時帰国しています。

福永:留学中の人にとっても、これから留学する人にとってもコロナの影響は大きいですよね…。

夏目:そんな中でもできることはあると思うので、現在コロナの影響で留学に行けなかった日本人留学生を対象に何かアクションを起こしていきたいねという計画を元法政大学の友人6人と一緒に立てているところです。と言ってもその中の3人はトビタテ生なのですが(笑)

福永:頭脳明晰かつ人間味もあふれていて、これから挑戦する分野で活躍すること間違いなしの夏目さんの挑戦を応援しています。本日はインタビューをお受けいただき、ありがとうございました!

▶︎夏目さんインタビュー記事(前編)はこちら!