第10回:前川 啓一郎(理系、複合・融合系人材コース 8期生)

2021年10月26日

トビタテ7期の川口佑磨です!僕は理系の学生を中心にインタビューしていきます!

今回は、僕と同じ大学出身の前川啓一郎!トビタテ留学の前から交友がありました。ニューヨークで化学系の研究留学していた彼に留学についてインタビューしてきました。

インタビュイー:前川 啓一郎

奈良高等工業専門学校 電気工学科 卒業
豊橋技術科学大学大学院 電気・電子情報工学専攻 在籍
個人のFacebookはこちら

トビタテ!留学JAPANの留学について

場所:アメリカ、ニューヨーク CUNY リーマンカレッジ
期間:2018年4月~2019年1月
研究テーマ:高イオン伝導性を持つ層状複水酸化物LDHのゾルゲル法による合成と電池デバイスへの応用

研究室のメンバーとの写真

留学のきっかけ

川口)じゃあまず、留学のきっかけは何?

前川)トビタテの留学の前にも海外経験をしていて、高専のショートプログラムや大学の短期海外派遣プログラムでの留学経験はあったけど、長期的な海外滞在経験をしたことはなくて。海外で長期間研究してみたいっていう強い気持ちがあったから、トビタテを使って、研究留学してみたいと思ったからかな。

印象に残った出来事

川口)なるほど、今回は半年以上ニューヨークにいて、一番印象に残っていることは?

前川)一番印象に残っていることは、やっぱり、ニューヨークで警察に捕まったこと(笑)

バスの料金の払い方を勘違いしていて、無賃乗車したことになって…その場では、許してもらえなかったから、若干裁判になりそうになった。100ドルも払って、詳細について文通で何回かやり取りをして、やっと許してもらえた(笑)

川口)厳しい、お金払っても簡単に許してもらえなくて、しかも文通って(笑)俺も確認せずに乗っちゃうことあるから気をつけよう・・・ もっと、いい話教えて(笑)

前川)一番うれしかったエピソードは、研究でいい結果が出たこと。受け入れ先の研究室が、理学の化学で、工学系で電気の要素が強かったこれまでの研究室と違ったアプローチの仕方で研究してた。

そんな感じで日本とは少し違うアプローチで研究していたんだけど、これまで行ってきた電気系の知識を活かしつつ、化学よりの視点で研究を進めていく中で、これまで培ってきた知見や視点が上手く生かされ、融合されて、両方の視点から新しい手法で研究を進めることができた。

自分の成果をきっかけに、共同研究に進み、研究室間の繋がりを強めることができて、ほんとにうれしかった。両研究室の架け橋のような存在になることができて、もともと留学のテーマにしていた目標が達成できた瞬間という感じ。

ニューヨークの大学での共同研究についてのミーティング時の写真

留学後の変化

川口)確かに、俺もドイツの研究室と初めての共同研究で、自分の存在価値みたいなのを感じた。留学を終えて、成長したな~とか変わったなと思うところはある?

前川)日本に帰って来て気づいたことは、多くの日本の学生が何かに洗脳されている感。日本人は耐える力や続ける力はとても強いと思う。

でも、もっと個人が自由な選択をできるようになったら、個人がもっと力を発揮して、もっと可能性広がると思った。だからもっと僕のような学生に留学に行ってほしいし、これからはどんどん留学を広めていく活動をしていきたいと思ってる。

川口)確かに。我慢したり、続けることだけが正しいって考え方が強い感じするね。

前川)それと、自分自身の変化としては、周りの目を気にしなくなったこと。ニューヨークの個人を尊重する文化環境の影響もあって、研究の見方が変わった。自分が研究するにあたって、誰かのためではなく、自分の興味を中心に進めることができるようになったかな。

研究に関係なく、日常生活でも自分主体になり、人にどう思われるか、どう見られるかをそんなに気にしなくなった。自分のやりたいことを優先する線引きがはっきり認識できるようになったという感じ。

これから

川口)いいね~!友達と一緒にいるのも楽しいけど、ずっと合わせていても、自分の芯ややりたいことが埋もれていってしまうよね。ひとまず、留学を終えて、これからはどうするの?

前川)これから博士後期課程に進学予定。留学前は就職しようと思っていたけど、研究を続けたいと思った。共同研究で、新しいものを、グローバルに協力して作っていきたいと思った。

留学を終えて思ったことは、将来の目標は変わるものだということ。狭い目標を定めると自分の選択肢を狭める気がするから、直観に従って行動していきたい。エネルギー問題など自分が関心のあることに対して、大きな目標に対して向かって行きたい。

川口)めちゃめちゃ共感する。研究ってそれぞれのスキルや知識を活かして、新しいものが生まれるのが明確にわかるし、協力して一つのものを創っていく感覚っていいよね。

編集後記

理系の研究は一つのテーマになりがちですが、複数の視点を得ることで学術的な価値をもった新しいアイディアが生まれるんだな~と実感しました。研究室ごとに、研究内容はもちろん、文化や雰囲気も違うので、多くの理系学生に海外の研究室を経験してほしいと思いました。

インタビューアー:川口 佑磨

佐世保工業高等専門学校 電気・電子工学科 卒業
豊橋技術科学大学大学院 電気・電子情報工学専攻 卒業
City College of New York, Electrical Engineering PhD
個人のFacebookはこちらから