第15回:藤井 伸(理系、複合・融合系人材コース 4期生)

2021年10月26日

トビタテ7期の川口佑磨です!僕は理系の学生を中心にインタビューしていきます!

今回は、テスラでのインターン経験を持つ藤井伸さん!エネルギー関係・インフラシステムをテーマにデンマークで留学していました。インタビューしていたはずが、楽しくなって対談のようになってしまいました(笑)

インタビュイー:藤井 伸

東北大学大学院 工学研究科技術社会システム専攻 卒業

トビタテ!留学JAPANの留学について

留学先:デンマーク Tekniske Universitet
期間:2016年8月~2017年2月
研究テーマ:北欧のインフラシステムについての研究

留学のきっかけ

川口)まず、留学のきっかけを聞いていいですか?

藤井)高校の時、カナダでホームステイしたのがきっかけで、高校のプログラムで全員行くことになっていて。その経験がすごく楽しくて、もう一回行ってみたいと前から思っていました。今回、タイミングよく、トビタテに応募して、デンマークに留学しました。

川口)高校で留学いいな~(笑)もともと海外経験があったんだね。留学の目的は?

藤井)テーマは、エネルギーの供給インフラ関係。ものづくりそのものというよりは、既存のものをどう使うかに興味があって、大学ではエネルギー供給システムの効率化を研究していました。研究対象の熱供給インフラ(温水のパイプライン)が広く普及している北欧のデンマークに留学することにしました。

川口)面白い、確かに。ものづくりだけでは本来のテクノロジーを活かすことはできない。テクノロジーって使い方によっては、良くも悪くもなるし。自分にはあまりなかった視点かも。

留学で印象に残っていること

日本文化発信

川口)留学中に一番印象に残っていることを挙げるとしたら何?

藤井)そうだな~、まず英語の違いに驚いた。周りのみんなの話す英語が、日本で学んだきれいなアメリカ英語とはまた少し別物で。加えて語学力そのものも彼らと比べると明確な差を感じて留学中に焦りや危機感を感じた。

あと教育という面では、授業も実務を意識した教育をしていて、例えば、プログラミングの授業中に解く例題は、どれも大学に設置された他の学問領域への応用を想定したものが多かった。今勉強していることが、これからどう活きるのかを生徒に見せる教育という感じだった。

川口)オランダとか北欧の人はみんな英語うまいよね~。プログラミングとか、数学とかって理系だったら、履修しないといけない場合が多いと思うけど、勉強しているときは「なぜ必要か」よくわからないまま勉強してたな~。

日本の教育ももうちょっとどうにかして欲しい(笑)英語を例にとっても、教育という面で実践的な教養を意識しているんだろうね。

留学後の変化

川口)留学を終えて変わったことはある?

藤井)人目を気にせず行動できるようになったことかな。前と比べて、自分がやりたいことをできるようになったこと。

川口)きっかけとかあったりする?

藤井)留学中に、ヨーロッパ人のコミュニケーションの中で気づいた。日本人と比べて個人がやりたいことが明確で、主体的に意思決定する。今まではどちらというと、協調性を大切にしてきて、ヨーロッパ人と過ごしていくうちに、人目を気にせずに行動に移せるようになったと思う。

川口)それめっちゃわかる(笑)ある意味、自己中心的だけど、お互いがそれを理解して、個々が自分らしく生きている感じ。主体性と協調性って、どちらも必要だけど、そのバランスって難しい。どちらかが強すぎると、チームとして成り立たないし。

これから

川口)大学院を卒業して、これからどうしたい?

藤井)日本の強み=モノづくりのような考えがあるけど、一方で自分の強みはモノづくりそのものではなく、モノを活かす力にあると思う。日本のモノづくりを活性化させて、日本の製品をもっと世界に発信したい。

日本の素材メーカーはまだまだ残っていくと思っていて、技術を理解する者として技術者とカスタマーを繋いでいったり、モノづくりを社会のニーズに合ったものにしていきたい。

川口)その役割は、ほんと重要。俺はどちらかというと、社会に絶対必要だからという意識より、単に好奇心で研究してる。自分の趣味のように研究していることが、社会の役に立てばベストだよね。

編集後記

実際、物理学に近いと社会にどう応用させるかは不透明のまま研究を進めたりします。どうやって社会に対して意味のある新しいものを創っていくかは、ものづくりをする人とそれを社会のニーズに合うように活かしていく人の両方が必要なんだと気づかされました。技術を世の中にとって、もっと意味あるものに変えていく力。これからの伸君の活躍に期待!

インタビューアー:川口 佑磨

佐世保工業高等専門学校 電気・電子工学科 卒業
豊橋技術科学大学大学院 電気・電子情報工学専攻 卒業
City College of New York, Electrical Engineering PhD
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