第89回トビタテ!起業家インタビュー第2弾:小林優一さん 【書道で人々の生活を豊かにする】

2021年8月30日

みなさんこんにちは!トビタテ10期の内木です!

今回は起業家インタビュー第二回のゲストとして、トビタテ7期で、慶應大学大学院在学中から書道×AI分野で、手書き文字認識サービス、書道セラピーを展開し2018年には世界経済フォーラム 中国・大連(通称 サマーダボス)へ招聘された小林優一さんにインタビューして参りました!

トビタテ留学ジャパンでの留学

国:オーストラリア・メルボルン
期間:約1年
期、コース:7期、(多様性人材コース)
内容:オーストラリア・モナッシュ大学で手書き文字の認識研究。

自己紹介

内木:初めまして!出身(愛知県)が近いという事で勝手に親近感が湧いております。
本日はよろしくお願い致します!

小林:よろしくお願いします!

内木:まず自己紹介からお願いします。

小林:はい、トビタテ7期で、オーストラリア・モナッシュ大学で手書き文字の認識研究してきました。現在の所属は株式会社リクルートホールディングス(現・株式会社リクルート)です。

事業概要

内木:どのような事業をされているのですか?

小林:一言で言うと文字の情報を集めて、色々な所に利用できるようにしています。

例えば、外国人がひらがなの「あ」を練習する時にアプリ上で手を使って書けるので練習しているのですが、それをAIに文字認識をさせ、その人が正しい文字からどれくらい離れているかをスコアリーングしています。
スコアリングが高いとほとんど絵本と同じような正しい文字が書けているという事を表しています。

また、海外の銀行では手書きのサインでお金を下ろせたりするのですが、下ろす時に本人の文字か認証しなくてはいけなく、そのサインが本人のサインとどのくらい一致しているか判別する事もしています。

内木:なるほど〜!手書き文字認識技術を様々な場所で活用されているのですね!

事業を始めるきっかけ

内木:ところで、その事業を始めるきっかけはなんだったのですか?

小林:SFC大学時代の竹中平蔵教授の「小林くん、ボーリングのセンターピンを見つけな」という言葉がきっかけとなりました。

この言葉の意味はボーリングのセンターピンって倒すと周りのピンいくつも倒れると思いますが、そのような自分のスキルや自分が信じて疑わないモノを早いうちに持つべきという事です。
当時、私は書道というのは世間の人に見せる事ができるスキルの一つとして持っておくぐらいがいいと思ってましたが、徐々にこれがセンターピンとして使えるという事を大学時代に気付き始めていました。

そして、その時に書道と掛け合わせて何か生み出せないか検討していたら、自分が研究していた、AIと掛け合わせる事で何か生み出せそうと感じ、手書き文字認識はやっている事が活かせそうと思い、やってみようと思いました。

実際にはまずサイトを作りましたが、その技術の知見を深めようとオーストラリアに手書き文字認識のエキスパートの日本人の方がいらっしゃったのでトビタテ7期生として行ってきて、今の活動につながっています。

(大学でのゼミの様子)

トビタテ留学JAPANの留学が活かされたこと

内木:ボーリングのセンターピンとして書道とAIを掛け合わせた事業を始められたんですね!その事業にトビタテ留学はどう生かされてますか?

小林:二つあります。

一つ目は交渉スキルです。

留学は、何もかもはじめての状態で、自分のことを知る人もいない中で、行動しなくてなりません。そのため、どのようにしたらよきネットワークを構築できるか意識して行動することで交渉スキルが身についたと思います。

二つ目は、全てがチャンスとして行動できるようになった事です。

これは、また大学時代の恩師の竹中平蔵先生から「チャンスは貯金できない」と教えて頂き、とにかくいろいろな人と関わり合う中で、活かせることがそこらじゅうに転がっていることに気づき、全てのことがチャンスとして行動できるようになりました。

例えば留学時には

  • 地元のカルチャースクールで、正月に現地人を対象に書道講座を開催させてもらう。
  • 現地の日本人学校で小学生50名らを前に講演させてもらう。
  • コンサルの友達に、アドバイザーとして事業企画にも入ってもらう。
  • 海外から全国書道大会に練習して提出して、総務大臣賞を受賞。

などの行動をしました。

内木:チャンスは貯金できないからこそ色々行動されたんですね!

一番大変だったこと

内木:そんな色々行動する中で1番大変だったっことは何ですか?

小林:基本特にないです。全部楽しいので。

ただ、後から振り返ってみると色々なことが辛かったと思うので、留学の事で少し話します。留学では、留学1ヶ月目のハイキングで英語ができなくて死にかけた経験は辛かったです。

現地の医者の方のお誘いで、3泊4日でハイキング行きました。周りは全員外国人で英語が早すぎてわからない状況で、ちょっとよそ見をしている間にはぐれてしまいました。周りは自然しかなく、携帯のない状態で何とか緊急時のマニュアルとして習っていた周波数の高い大声を出し、助かりました。

しかしこの経験から、この世界は英語ができないと死ぬわと本当に思いました。

(キャンプの様子)

どのように乗り越えたか

内木:壮絶な経験ですね…海外だと現地語喋れないととても大変ですよね。わかります。その苦労をどのように乗り越えたんですか!?

小林:
毎日英語塾やオンライン英会話で6時間人と話す時間を作り、英語学習に取り組みました。
毎日朝5時半に起きて、オンラインやって、英語語学学校に行き、研究室に行く。そんな生活でした。

それを1年間続けたおかげで凄く伸びました。

また、帰国してからも英語学習は続けていて、毎日30分留学時で知り合いになったネイティブの先生にマンツーマンレッスンをしてもらっています。また私は世界経済フォーラムの組織に属しているのですが、そこでは毎月外国の方とディスカッションする機会があり、そこでも英語を使っています。

3、4年間毎日欠かさず学習を続けているので、前より主体的に外国人の人と話せるようになりました。

内木:
3、4年間毎日続ける継続力は本当に凄いですね。本日はインタビューを受けて頂きありがとうございました。

トビタテ生へのメッセージ

内木:最後に起業や何か行動を起こすことを考えているトビタテ生へ何かメッセージをお願いします。

小林:「とにかく、今からやれ!」です。何かを経験してからなどは時間伸ばしでしかありません。会社員になってから起業をするととにかく時間がないし、起業マインド持ってる人はいつでもやっていると思います。

時間がある学生の時に起業など様々なチャレンジをした方がいいと思います。

編集後記

「書道を通じて人々の生活をより豊かにする」のビジョンの実現を目指す小林さんの活躍に目が離せません。
チャンスは貯金できないので、トビタテ全体で様々な事にチャレンジしていきましょう!
本日はインタビューを受けて頂き本当にありがとうございました。