【報告】トビタテ学習PFイベント[勉強会シリーズ] 〇〇×サイエンス シリーズ「生活×サイエンス」 “二刀流新米医師が語る、医学の魅力!!” をオンラインで開催!
トビタテ事務局インターン生で理系分野のアウトリーチ活動の促進を行なっている井上拓也です!! 僕は、トビタテ5期でフランスの理工系高等専門学校にダブルディグリー留学とドイツの宇宙物理系の研究所でインターンシップを行なっていました。
本記事では、4月26日(日) にオンライン開催されたトビタテ学習PF「〇〇×サイエンス」シリーズの第二弾、「生活×サイエンス "二刀流新米医師が語る、医学の魅力!!"」について報告させていただきます。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、家に居る時間が多くなった状況の中、生活×サイエンスでは、トビタテ生のプライベートをアップデートすべく、新しい試みである"サイエンスラジオ"という形式に挑戦しています。
第二弾のイベント参加者は初回イベントよりも増え、40名近く、理系だけではなく文系の方々にも楽しんでいただくことができました! また、初回イベントに参加した人の中でリピーターとしてきてくださる人もいました!!
目次
サイエンスラジオ "二刀流新米医師が語る、医学の魅力!!"
第二弾のゲストは田埜郁実さんでした。 田埜さんは、トビタテ10期生としてアメリカに留学し、癌のウイルス治療開発の研究をされていました。また、現在は臨床研修医として病院に勤めながらも学部生の時に所属していた研究室で遺伝子の研究を続けておられます!!
本イベントでは、「生活×サイエンス」の観点から、研修医兼研究者の田埜さんに今話題のコロナウイルス やPCR検査からクローン技術、ips細胞に至るまで生活に役立つ医学の知識をインタビュー形式で理解を深めていきました。
留学大図鑑の記事はこちら↓
https://tobitate.mext.go.jp/zukan/detail-1834
当日のコンテンツ
- 遺伝子って何か知ってる?
- 遺伝子ってこんなに面白い!役に立つ!
- タノ、医者と研究を語る
当日は、私、井上がファシリテーター、科学コミュニケーションの活動もされている若林里咲さん(トビタテ9期)がMCを務めました!
- 遺伝子って何か知ってる?
研修医として忙しく働いている中で、田埜さんは遺伝子に関わる研究もされているそうです。まず初めに混同のしやすい遺伝子やDNAについてそれぞれ教えて頂きました。遺伝子は、今話題のコロナウイルス感染を調べるためのPCR検査にも関わっており、PCR機器はDNAやRNAを増やす装置であるそうです。コロナウイルスはRNAを持っていて、PCRによって、そのRNAのコピーを沢山作ることができるため、検出できるようになり陽性か陰性かを判断することができるようになると説明して頂きました。PCR検査はコロナウイルス に対応する検査だと思っていたので、勉強になりました。また、検体を取る際には鼻の奥まで突っ込まないとウイルスがちゃんと取れないが同時に医師の感染リスクも上がるという事実に驚きました。
また、田埜さんには病院で診療を受ける時に医師から言われることのあるウイルス性と細菌性の違いについて触れながら、風邪とは何かについて説明していただきました。 - 遺伝子ってこんなに面白い!役に立つ!
遺伝子とは何かある程度わかったところで、私達の身体と遺伝子の関係に話が移りました!! 田埜さんは体の細胞が全て同じDNAセットのコピーを持っているが、脳や心臓とでは働いている遺伝子が違うことを説明して頂きました。話題はクローンに。クローンといえば、クローン羊ドリーが有名ですよね。若くで死んでしまいましたが、クローン技術の面では凄い進展であり、この技術は後にips細胞の開発にもつながる大きな発見であったそうです。その二つが繋がってるとは思いもしませんでした。田埜さんからクローンの作製方法とiPS細胞のそれぞれについて教えて頂きました。二つの技術の共通ポイントは、使われないようになった遺伝子を元の状態に戻す「初期化」であるそうです。ニュースなどでよく聞いたことはあるけれど、意外と知らないことって多いですね。
また、遺伝子組み替え技術や最先端の遺伝子研究についても紹介していただきました。
- タノ、医者と研究を語る
最後に研修医として働きながらも研究に取り組んでいらっしゃる田埜さんに、医者と研究について語って頂きました。初めに私、物理学博士課程に進学予定の井上の1日のスケジュールと研修医田埜さんの1日のスケジュールを比較しました。田埜さんの1日のほとんどは、見る限り医者としての業務で埋め尽くされており、かなりタイトなスケジュールでした。その中に数時間だけ研究する時間があるようでした。このような忙しい中でも田埜さんが研究する理由は役に立つ・立たないではなく人の身体は面白いというところにあり、これにはとても共感しました。田埜さんは、病気というものを通じて生きることそのものを考えたいという思いがあり、医師をしているそうです。時間の問題や環境、技術に障壁がある中でこのような二刀流にチャレンジしている姿にとても刺激を受けました。この話を聞いて、田埜さんの二刀流という新しい環境を切り開いて行くという強い思いが伝わったのではないかと思います。
質問コーナー
イベント中も随時質問をいただいていましたが、最後に改めて参加者からの質問に答えるコーナーを設けました。このコーナーでは、インタビューコンテンツに関係のない研究室のコアタイムに関する質問やタイムマネージメントについての質問を中心に参加者全体を巻き込んだディスカッションを行うことができました。
インタビューや質問コーナーを通して、コロナウイルス 、PCR検査からクローン技術、iPS細胞に至るまで、これまで疑問であった事が少しでも解消できたのではないかと思います。
交流会
質問コーナー終了後は田埜さんともう少し深く話したい部屋とアウトリーチ活動などについて話したい運営側の部屋に分けて交流会を行いました。交流会では、田埜さんのルームではインタビューコンテンツよりも深い内容での質問が出たり、運営側のルームでも参加者の皆さんとアウトリーチ活動についてのお話しができたりと充実した時間を過ごすことができたのではないかと思います。
交流会の終了後、全員で写真をとり、第2回イベントは終了しました。
第2回イベントを終えて
本イベントではサイエンスを少しでも面白く、わかりやすく伝えることに焦点を当てています。初回イベントよりも多くの方に参加して頂き嬉しく、また運営も前回よりスムーズで進歩を感じました。毎回イベントの中では、井上のボケやモノマネもいくつか入っています。また、参加者の方々からは、「司会者の掛け合いが面白かった」と言う意見もありましたが、一方で、「井上さんのボケの尺が長い」などの意見もあり、次回イベントに向けて複数の改善点が見つかりました。
次回も同様に、"生活×サイエンス"でお送りする予定です。 みなさんが普段日常生活で疑問に思っている事や生活していく上での知恵を楽しくお伝えできたらと思います。
なお、本イベントは、僕の他、トビタテ9期生の若林里咲さん、トビタテ高校3期生で事務局インターン生の生田大樹くんと協力して企画運営を行いました。御二方にはこの場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
最後に