第63回とまりぎインタビュー:柴田 宏さん【理系だけど「研究じゃない留学」で得られたものとは?】

2021年10月27日

柴田 宏さん(地域人材コース 9期生)

こんにちは、トビタテ9期、事務局インターンの若林里咲です!今回は、私と同じ9期でアメリカ・サンフランシスコにトビたった柴田宏(しばた こう)さん。事前研修で出会って以来、留学後初めてお話を聞かせてもらいました!柴田さんは理系だけど「研究じゃない留学」に行くことを通して、とても視野が広がったようです!

 

インタビュイー

友達に何十枚と撮ってもらった内のベストショット

柴田 宏(しばた こう)さん
在籍:山形大学大学院 理工学研究科理学専攻
留学先:アメリカ合衆国・サンフランシスコ(Breathe California)
留学期間:2018年8月13日~2018年9月21日

 

 

 

サンフランシスコへ!異分野に挑戦!

若林)久しぶり!今日はよろしくね!

柴田)久しぶり~!こちらこそ、よろしくね!!

若林)聞きたいことは盛りだくさんなのだけれど、まず初めに留学のきっかけや動機を聞かせて!

柴田)全然格好良い理由じゃないけど、そもそもすごい進路を迷っていて、大学院行った理由が「留学したい」だったのね。というのも、私はずっと陸上をやっていたんだけど、一度陸上の合同練習で台湾に行くことがあって、その時にあっちの大学生ってすごくレベルが高いなって思った。同じアジア圏なのに英語が喋れて、陸上もすごく強くて…。

若林)うんうん、海外の学生に会うと何かと刺激を受けるよね。

柴田)それで、私って今何ができるんだろうって考えた時、やばい!何もできない!って思っちゃって。それから英語くらいはできるようになりたいって感じるようになったし、自分も留学してみたいなと思うようになったなぁ。

若林)なるほど!だけど宏ちゃんは理系だし、研究留学にしようとかは思わなかったの?

柴田)その時はまだ留学に対する憧れが強すぎて、ただ海外で働きたいっていう思いだけで、理系じゃなくても何でもいいかなって思ってたかな。で、理系って文系に比べて英語あまり好きじゃない人多いじゃん?だから自分が理系×英語で世界に行こうってなったら、自分を求めてくれる人が多いんじゃないかと。山形大学にいて理学部で留学行く人はほぼいないからね。(工学部は別)まぁトビタテ入って理系もたくさんいるんだなと気づいたんだけど。(笑)

若林)そっか!ところで、現地のインターンはどんなことをしていたの?

柴田)実は面接ではイベント企画とかをする話だったのに、行ってみたらそのポジション自体が無くなっていて、最初の1週間はファイルのネームタグ貼りだけだったんだよね。書かれているネームをパソコンで打つだけっていう。

若林)え…。それは話が違う!って感じよね。

柴田)それでじゃあ君何ができるの?って聞かれたから、思いつくことをとりあえず全部言って、それで貰えたのがデータ分析のお仕事だった!

若林)そうだったのかぁ。だけど普段と違うことをやらなきゃいけなくて、大変じゃなかった?しかも英語だし。

柴田)いや、大変だった!!そもそも、はじめはネームタグ貼りだったって言ったけど、書かれているネームが全部筆記体で…。で、私筆記体わかんないから全然打てなくて。(笑)私こんなこともできないんだっていうのが第一挫折だったかな。

若林)筆記体難しいよね…。

柴田)そんでさ、ちょっと落ち込んでる帰り道にホームレスと目があった瞬間、追いかけられて唾かけられて。

若林)ウソ……。大丈夫だった…?(泣)

柴田)ほんと最悪だった。友達に言ったらアメリカ人でもそんな経験しないって言われたわ。

若林)いやほんと、大変だったね…。(泣)

 

帰国後、瞑想にハマる!?

一番仲の良くなったインド人の方と

若林)留学で違うことをしてきっと視野が広がったと思うけど、今の自分につながっている経験などあれば教えて!

柴田)うーん、いい意味で考えなくなったかな。インターン終わった帰国日前日くらいにも、日本の紹介とかちょっとしてって急に言われたんだけど、英語に自信はなくてもとりやえずやります!って言ってやったり、あと日本でも留学経験のプレゼンしてって朝に急に言われて午後には発表したりとか。ちょっとでもできそうならやるようになったと思う。

若林)すごいね!自信がついたのかな?

柴田)自信、なのかな?というよりは、とりあえず身を任せてみよう、みたいな。怖いことを考える前に、今考えていることは現実ではないって思うようになったかも

若林)なるほど!深く考えすぎず動いてみることも大事だよね。

柴田)あ、あと、一番仲良くなったインド人の友達に瞑想を勧められて!

若林)おお!教えてもらったの?

柴田)実は、留学していた時は瞑想してるって聞いてただけなんだよね。その後、日本に戻ってから学会で英語で口頭発表してって言われたことがあって、やばいどうしよう…って超不安になっていた時、そう言えば瞑想って自分の感情をコントロールできるのが利点じゃん!って思い出して。そしたら緊張とか不安を感じる必要がなくなるんじゃないかなって思って始めたの!

若林)そうなんだ!

柴田)私すごく緊張するタイプなんだけど、結構効果あるよ。

若林)ほんとに!?私もやろっかな。(笑)

柴田)いや、超おすすめ!!

 

外資就職→世界一周→起業?

若林)留学を終えて、将来はどんな仕事がしたいとかはあるの?

柴田)英語を使って仕事をしたいっていう思いが消しきれなくて、外資系にした!サンフランシスコにいた時に、ITってすごいなって思っていたのがあって、半導体のエンジニアになる!ITは半導体がないと動かないから。

若林)すごい!

柴田)今半導体の分野って、情報が日本語に翻訳される前にどんどん変わってて、英語で知ろうとしなきゃいけないんよ。それにエンジニアになるって言っても、ただ研究室に籠るだけじゃなくて、カスタマーさんと相談しながら材料メーカーさんとも話し合って材料を決めて行くっていうステップをとるんだよね。私、研究職は絶対合わないなって思ってたから。

若林)そっか!英語力も活かせていいね!あと、人と関わりながら研究したいっていう気持ち、すごくわかるなぁ。もし何か目標とかがあったら教えて欲しい!

柴田)実は今ちょっと目標があって…!今度行く会社にはビジネス職の他に、テクニカルラダーっていう技術のレベルで役職がもらえるシステムがあるのね。全世界の社員の10%程度だけで、日本人ではもっと少ないんだけど、できたら最短でなりたいなと思ってる!

若林)頑張って!応援してる!!

柴田)あと、特許を早くとりたいし、自分が開発したものがICチップに使われて製品になっているんだっていうことを実感したい!そして出世もしたい!で、いずれは会社をやめるかもしれないなあ(笑)

若林)素敵!会社辞めた後は…?

柴田)世界一周の旅に出る!!!

若林)めちゃくちゃいいねそれ。(笑)

柴田)それから、自分あっているかはわからないけれど、起業してみたい!

若林)起業ね!どういうことをやりたいの?

柴田)うちの家系はみんな教員なんだけど、教員ってすごく残業が多いなって思っていて。

丸つけしたり、日記見たり、授業案作ったりって大変だから、そういう業務を減らせる中間企業ってないのかなと。授業とか生徒の心の面を考えてあげるのが先生の本業だから、そういうのと関係ない先生の無駄な労働を減らしたい!

若林)それは画期的!ぜひ頑張って欲しい!!

インターン先のみなさんと

 

 

変なことは、悪いことじゃない

若林)留学を終えてからしばらく経つけれど、変わったことってある?

柴田)帰国後、留学体験を話す機会が何度もあったんだけど、はじめはコンプレックスみたいなのが強くて話を「盛って」たのね。でも、何度も伝えていくうちに「キラキラ留学生ってどうなの?」ってなって。例えばSNSにいい時の写真ばっかりあげて、それで留学の良さを伝えようとしても、何も伝わらないなって感じたんだよね。留学行ったことない人にとっては行くこと自体がすごいことだし、もう盛るのはやめようって思った。

若林)リアルを伝えるって大切だよね。

柴田)あとは、留学後、その経験をどう繋げるかだよね。

若林)そうだね、留学中はうまくいかなかったことが多くても、帰国後の活動に何かしら還元したいよね。では最後に、これから留学する後輩にメッセージを!

柴田)変なことって悪いことじゃないんだよ!って伝えたい!!例えば、私は地域人材で留学したけど、理系で応募した人はみんな研究留学だったのね。正直、選考の時点では「柴田さんは理系なのに、自分の研究に関係ないことだから迷った」って言われてたりもしたし。だから、私の留学は他の人からすると変だったんだなぁって思う。でもさ、例えばマナー悪い外国人とか、発言がちょっと変な人とか、就活途中でやめちゃう人とか、変だよねって悪い方に考えちゃうこともあるんだけど、それってその人の事情を知らないから理解できないだけで、別に悪いことじゃないんだなって…うまく言えないけど。とにかく自信持って変なことしていいと思う!

若林)うん、私も「変」って個性だと思うかな。理系でも研究に囚われすぎず、いろんなことにチャレンジして欲しいよね!色々聞かせてくれてありがとう!

 

インタビュアー

若林 里咲(わかばやし りさ)
トビタテ!留学JAPAN 9期生