第11回:若林里咲さん(理系、複合・融合系人材コース 9期生)

2021年10月26日

トビタテ7期の川口佑磨です。

今回は、ニューヨークに留学していた若林里咲さんにインタビューしました!同じ理系で、僕もニューヨークとは関わりが深いので話が盛り上がりました~!

インタビュイー:若林 里咲さん

所属:東京大学大学院 理学系研究科化学専攻 在籍
留学期間:2018.09~2019.05まで
留学先:ニューヨーク・Education First

留学のきっかけ

川口)それでは、よろしくお願いします!ニューヨークから、帰国されたばかりですよね?

若林)3日前に帰国しました~(笑)

川口)お疲れのところ、インタビューにご協力いただきありがとうございます(笑)まずは、ニューヨークに留学されていたとのことですが、そのきっかけを教えてください!

若林)話すと長いのですが、研究生活を送る中でもっと自分の視野を広げたいと思ったことが留学のきっかけだと思います。私は高校の時から科学が好きで新しいことを発見して行く研究に憧れていたので、基礎からしっかりと学べる理学部に進学し、化学を専攻に選びました。

でも、実際入ってみたら、学ぶのはものすごく専門的なことばかりで実世界との結びつきが見えなかったり実験も何か考えるというより、ひたすら手を動かすような感じだったり…好きで入ったはずなのにワクワク感が感じられなくて、自分がなぜ化学を勉強しているのかわからなくなってしまったんです。

それにこの分野がやりたい!みたいなものも特に見つからなくて研究に熱中もできないから私は研究に向かないんだろうなあと感じて…

川口)確かに、研究って実験は特に単純作業多かったりするしね~。

若林)それで、なんで楽しめないんだろうと考えた時に、やっぱり研究なり研究者が外の社会と触れる機会が少ないからなんじゃないかと思いまして。

留学中の若林さん
留学中の若林さん

そこから科学・研究者と社会を繋いで行く活動がしたいと思うようになりました。特に私が学部4年生で配属されたバイオ創薬系の研究室は、研究成果や技術をビジネスに繋げていたので、「科学ビジネス」で研究と社会を繋げられたら面白いなと。

そこで専攻は化学だけど、思い切ってビジネスみたいな全く違うことも学んでみたい!そして世界を視野に入れるためにもっと英語力もつけたい!と思って留学を決めました。

川口)研究室って結構世界が狭いし、人との関わりは少ないよね。俺もよくイベントに参加したり、海外に行ったりして、そういう面では自分でバランス取っているかも。

若林)そうなんですよ。だからまずは自分が外に出て見ないと始まらないと思って。あとトビタテについては、スイスに1か月研究留学中にトビタテ生に会って、初めてトビタテのことを知りこのコミュニティすごい!と思って応募しましたね。

留学中の思い出・エピソード

川口)留学中はどうだった?特に思い出に残っていることとかありますか?

若林)うーん、これと言って思い出深い瞬間はないけれど、一番留学中していて良かったと思うことは、トビタテ生も含めていろんな人に会ったことですね。普段、研究室なり日本に居ては聞けない話をたくさん聞けて、ニューヨークで活躍している日本人の方の話もすごく面白くて、視野を広げるという意味でとてもいい経験でした。

川口)そうだよね、ニューヨークは本当にいろんな人がいるし、日本では会えないような人にも会える機会は多いよね。日本人という共通点を持っているだけ、話しやすかったりするよね。何か、成長したなとか、留学を通じて学んだことはある?

若林)実は語学学校のビジネスコースをとっていたのですが、実際講義のレベルとかがあまり専門的でなくて、ビジネスについて期待していたように学べなかったんですね。それでこれは自分で動くしかないと思って、自分でビジネス系の本を読んだり、現地で出会った学生で起業している人に話を聞いたりしていました。

その中で何を思ったかというと、何かものすごく斬新で優れたアイデアが重要というより、結局やるかやらないかという実行力がもっと重要なんだなと感じました。自分の中にあるアイディアや考えを、実際に行動に移せるかどうか、そこが全てなんだと思います。

だから、今までは完璧じゃないものを外に出すことにためらいがあったけれど、欠点があったとしても「やる」ということに価値を感じるようになりました。完璧じゃない状態でも、試行錯誤を繰り返して実践していくことが大切だと今では思います。

川口)特に研究をしていると、外部に出す情報はできるだけ完璧にした状態にしないといけないと思うけど、ビジネスという面では、いかに効率よくアウトプットを出すかが問われる気がする。時間とパフォーマンスの効率をいかに上げるかが重要視される感じ。

留学後について

川口)まだ帰国したばかりだけど、これからしようと思っていることや計画していることはある?

若林)そうですね、やはり科学と社会を繋ぎたいという根幹はゆるいでいなくて、ここは軸にして今後も活動していきたいと思います。

あとは、専門知識がない人にも、科学的なことを理解してもらったり、体験してもらったりすることに興味があって。いわゆる、サイエンス・コミュニケーションに取り組んでいきたいと思っています。

例えば、科学とか研究生活についてについてブログで発信したり、関連する企業でインターンしたりとか。大学でも、副専攻でサイエンスコミュニケーションをやる予定があるのですが、留学を通して身につけたビジネスの視点を生かすのみならず、こちらの方も極めていきたいです。

川口)いいね!理系って、研究だけやっていれば良いという空気感を感じるけど、専門性が高すぎる部分に集中しすぎて、どう人に伝えるか・どう活かさせるかってところがあまり考えられていないような気がする。

俺もそうだけど(笑)研究者と非研究者の架け橋的な存在になってほしい!留学から帰ってきて早々、インタビューを受けていただきありがとうございました!

インタビューアー:川口 佑磨

佐世保工業高等専門学校 電気・電子工学科 卒業
豊橋技術科学大学大学院 電気・電子情報工学専攻 卒業
City College of New York, Electrical Engineering PhD
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