【報告】宇宙生物学の話
平成が終わる頃、とまりぎ東北は古代ギリシアの習慣にならい、この世の真理を追い求めるべく、終わりのない議論を続けていた。
とまりぎとは何か?
「とまりぎとは何か?」と考える私の心とは何か?
・・・
このような哲学的を続けていくと、どの問いから出発しても必ず一つの疑問にぶつかる。
それは、、、
「我々は宇宙で特別な存在なのか?」
という問いである。
私たちはこの問いに答えていただける方を探していた。それがこのイベントが生まれた経緯である。
題して、「宇宙生物学の話」。
私たちは現在東京大学で研究員をされているトビタテ生の塚本さんを講師としてお招きし、生物の起源についてお話をしていただいた。
(NASA’s Goddard Space Flight Center)
- 地学とは?宇宙生物学とは?
宇宙生物学とは何か?そのような質問をされたら、あなたはどう答えるか見当もつかないはずだ。しかし、塚本さんはそれをやすやすと答えてみせ、トビタテの民に新しい知の領域を与えてくれた。
宇宙生物学とは、宇宙における生物の起源と進化を論じるために創設された学問である。
まず驚くべきなのは、最先端研究によりわかってきた生命の起源についてだ。それは深海熱水と主張する研究者もいれば、干潟環境と主張する研究者もいる。
中でも特に印象的だったのは、宇宙から生命の元が飛来したというパンスペルミア説だ。今、アカデミアの最前線では壮絶な知のバトルが起こっている。
まさに古代ギリシアの哲学者達のようである。塚本さんの研究を支えているのは、とまりぎ東北で培ったギリシアの精神なのかもしれない。
- 質問タイム
今回のイベントでは、参加者の皆さんも鋭い視点を持っておられた。宇宙生物学という学問をいともたやすく咀嚼し、飲み込んだ。そして、ものの10分もしないうちに核心をつく質問を投げかけ始めた。
(例)
・生命の証拠とは具体的になんでしょうか?
・原始生命と真核生物の違いってなんですか?
このようにして講師、参加者が共に意見をかわし、新たな相互作用が幾度となく起こった。真の学問とは、インプットだけでなくアウトプットすることによって理解されるものである。それを体現したのがこの質問タイムであった。
- 地球での生命の進化
最後は、私たちの住む地球での生命に焦点を当てたお話をしてくださった。
私たちの祖先が地球上でどう生まれたのか。その謎を解明するために地学者たちは世界中を駆け回り、時には命を危険にさらしサンプルを採取する。塚本さんもその1人である。科学者は部屋に籠って実験をするというのが皆さんのイメージかもしれないが、現実は違う。地学者はアスリートである。
そうして得られたサンプルにより、地球の古環境についてパズルのピースが埋まるようにわかってきた。その中でも、初期生物のマンガンの酸化が重要なキーワードらしい。酸素が少ない環境で、初期生物がどのようにマンガンを酸化できたのか。その答えはまだ見つかっていない。
新しい発見によるピースをはめたら、それに隣り合うピースも見つけなければならない。地学者たちはそのピースを追い求め今日も奮闘中である。
アカデミア版One Piece
TO BE CONTINUED
※科学的な部分以外は、フィクションかそうでないかはご自分で判断してください。
宇宙生物学のソクラテス:塚本講師